第265回:大矢アキオの「喜びも悲しみもパリサロン」(前編)−VWグループの前夜祭にローマ帝国を見た
2012.10.05 マッキナ あらモーダ!第265回:大矢アキオの「喜びも悲しみもパリサロン」(前編)−フォルクスワーゲン・グループの前夜祭にローマ帝国を見た
完璧な舞台装置
2012年9月27日、パリモーターショーが報道関係者に公開された。その前日の26日、ボクはフォルクスワーゲン(VW)・グループが開催するプレビューイベント「フォルクスワーゲングループナイト」に参加した。
招待状に記された場所を見ると、セーヌ左岸の展示場「アール・フレッシネ」である。1927年に鉄道施設として建設されたアールデコ様式の建物だが、2009年のファッションウイークを機会に、イベント会場として第二の歴史を歩み始めた。
ボク自身は2012年2月、古典車ショー「レトロモビル」に合わせて開催されたボナムス社のオークションで、初めてこの場所を知った。建物の管理者がアピールする「映画撮影にも最適です」の言葉を信じれば、だだっ広いコンクリート打ちっぱなしの天井や廊下は、刑事物のラストにおける銃撃戦にぴったりだと感じた。
しかし、その晩アール・フレッシネに足を運んでみると、7カ月前のオークションの日とはまったく別の会場のようだった。一夜限りのものとはとても思えない、まるで常設劇場のようなステージと広い階段席が設置されていた。その日初めて足を運んだ人は、日頃のアール・フレッシネをまったく想像できなかったに違いない。
![]() |

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
-
NEW
トライアンフ・トライデント660
2021.1.25画像・写真トライアンフの新型モーターサイクル「トライデント660」が、東京・渋谷の「代官山 蔦屋書店」に展示された。新開発の水冷3気筒エンジンを搭載した、軽快なミドルクラス・ネイキッドモデルの詳細な姿を、写真で紹介する。 -
NEW
月に1度の特別なメールマガジン『月刊webCG通信』 EVは選べる時代! あなたのチョイスは?
2021.1.25From Our StaffwebCG執筆陣によるコラムや月間アクセスランキング、読者アンケートなど、さまざまなコンテンツを通して自動車業界の1カ月を振り返る『月刊webCG通信』。2月号では、ついに“選べる時代”を迎えた電気自動車について、読者の皆さまのご意見を大募集いたします! -
NEW
コロナ禍が売れるクルマを変えた? 自動車市場の2020年を販売データから振り返る
2021.1.25デイリーコラム日本全国が新型コロナウイルス感染症の猛威にさらされた2020年。この年は、自動車市場にとってどのような一年となったのか? 各団体が発表した統計データから振り返るとともに、コロナ禍がもたらした自動車ユーザーの嗜好の変化を考察した。 -
NEW
スバルXVアドバンス(4WD/CVT)【試乗記】
2021.1.25試乗記フルモデルチェンジから3年を経て、再びの改良を受けた「スバルXV」。国内外の有力モデルがひしめくコンパクトSUV市場において、XVだけが持つライバルにはない魅力とは? わが道を行くスバル製クロスオーバーの、唯一無二の個性に触れた。 -
ロータス・エキシージ スポーツ410(前編)
2021.1.24池沢早人師の恋するニューモデル漫画『サーキットの狼』の作者、池沢早人師が今回ステアリングを握るのは「ロータス・エキシージ スポーツ410」。劇中で主人公・風吹裕矢の愛車として活躍した「ロータス・ヨーロッパ」のDNAを受け継ぐ、軽量ミドシップスポーツの走りとは? -
ホンダe(RWD)【試乗記】
2021.1.23試乗記「ホンダe」が素晴らしいのは運転してワクワクできるところだ。航続可能距離の短さがデメリットのようにいわれているけれど、それこそがホンダeの持つ強みだ……と筆者は主張するのだった。