第403回:もしやコージの“裏”NAVI卒論!?
私はアナタ(方)の失敗作!? です(笑)
2010.03.10
小沢コージの勢いまかせ!
第403回:もしやコージの“裏”NAVI卒論!?私はアナタ(方)の失敗作!? です(笑)
一部売り切れまで出てるらしいが、希代の自動車カルチャー誌『NAVI』が2010年4月号で休刊になった。そのなかで、卒業生(?)とも言える元編集部員のワタクシ小沢は、幸運にも編集長シオミ氏の配慮もあって、昔の関係者をイッキ取材する“影のイチトク”こと第二特集を担当、名物編集長スズキさんから“ヤスオちゃん”こと田中康夫衆議院議員まで直撃。シメの原稿まで書かせていただいた。
その際ボツになった原稿がある。軽くNAVIのカリスマ達に対する分析がなされ、実はコッチのが私のホンネ的部分もあったので、『webCG』に載せることにした。『NAVI』ファンの皆様、ぜひご一読ください。本誌とイントロが似てるのは勘弁してね(笑)。
『NAVI』がなければ私もない
かのタモリさんは、赤塚不二夫大先生がお亡くなりになった時、こう弔辞を結んだ。「私もあなたの数多くの作品のひとつです」と。
不肖・小沢コージはタモリさんなんかとは比べものにならない小物なライターではあるが、今回、過去NAVIに関わった重要人物に会って、つくづく実感したことがある。自分はこの人達がいてここにいるのだと。“作品”というより“失敗作”かもしれないが(笑)。
でも、そうなのだ。俺はたしかにこの人達に憧れ、影響され、ここまで来た。というかそもそもNAVIが無ければ、間違いなくこんな空間には入ってなかった。
だってクルマは好きだが、『CG』などの専門誌を読み込むほどでもなかったし、レース経験もなく、しょせんハンパなスーパーカー少年であり、ハイソカーブームの時もせいぜい実家の「ホンダ・トゥデイ」を乗り回していただけなのだ。
特にマニアックでもなく、速くもなく、メカに強くもない、ハンパなクルマ好きであり、それが小沢コージの真実であり実力。それは自分でも重々承知だった。
そんな俺でも、NAVI関係者の“本物”に会うと刺激を受けるし、勇気がわいてくる。それは、他の人とは全然視点も知識レベルも違うから。私が求めるものはここにある、といえるのだ。
たとえばえのきどさん。実はマトモに会うのは初めてだったが、すぐに分かった。この方は、面白がりの天才だと。なんでもない日常から、面白さと物語性を引き出すのが抜群にうまい。というか、もしやなにもないところからストーリーを作れる、錬金術師タイプのクリエイターかもしれない。
神足裕司さん。この方もまた不思議だ。圧倒的知識以上に、圧倒的分かりやすさを持つ。特に知識をひけらかす、脅しのような原稿は書かず、独特のコータリン・レトリックで勝負する。頭いい。
矢貫隆さん。この方は人間としてセクシーだ。昔に比べてもしやパワーは落ちたかもしれないが、いまだ独特の色気がある。だからこそのあの愛ある原稿。不思議だ。
田中康夫さん。言わずと知れた人間ウェポンだ。この方は小説家だろうがタレントだろうが政治家だろうが、なんでもいいのだ。とにかく肩書きの前に“田中康夫”。やりたい事をやると周りがついてくる。そういう感じだ。
大川悠さん。大川さんは相変わらず知的でクールだ。俺の稚拙でホットとは、まるで逆。憧れてるがマネできない。そしていつの間にか、目標を見つけてがんばっておられる。いつも敬服する。
で、やはり鈴木正文さんだろう。いまだスズキさんの前では緊張するし、見透かされてる気になる。大変な努力家で、時折どこに進んでるのか分からない時もあるが、ようするに燃える男だ。理屈先行型でやや分かりにくいところもあるが、それはコータリンも康夫さんも同じ。俺のCPUとメモリーでは、どの方にしろ手に負えない。
つまり彼らの前では、いつでも俺は生徒になるのだ。それも、なんとかヒィヒィ後をついていくダメ生徒。彼らがいて、かわいがられてホントに俺は幸せだと思う。俺はNAVIについていったと同時に、彼らについていったのだ。
真に偉大な大人というのは、自然と人を巻き込む人であり、鼓舞する人であり、後押しする人であり、引っ張ってくれる人。もちろん彼らにその自覚はないだろう。彼らは彼らで好きなこと、正しいと思うことを全力でやっているだけだ。
でもそれが人に自然と影響を与えてしまう。自然と周りを動かしてしまう。要するにそれがカリスマであり、魅力のある大人ということなのだ。
NAVIとはつまり、こういうさまざまなカリスマ達の集合体だ。だから魅力を放ってきたし、今も光は色あせない。たとえNAVIというパッケージが無くなろうが、それは変わらない。俺は少しでも彼らについていきたい。会うといつでもそう思う。
そして自分は幸せだと確信する。
(文=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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