三菱RVR G(FF/CVT)【試乗速報】
青いクルマ 2010.03.09 試乗記 三菱RVR G(FF/CVT)……271万2150万円
トールワゴンだった先代から、コンパクトSUVに大変身。生まれ変わった新型「RVR」に試乗した。
カワセミ対ジェットファイター
唐突ですが、「日産マーチ」「トヨタ・ヴィッツ」「ホンダ・フィット」のなかで一番エライのは、「マーチ」ではないかと思うわけです。なぜって、きれいなボディカラーを見かける割合は、「マーチ」が一番多いと思うから。「マーチ」や「キューブ」の趣味のいい色は、街の景観をきれいにしている。
2月にフルモデルチェンジを受けた「三菱RVR」のイメージカラーも、「カワセミブルーメタリック」というネーミングはしゃらクサイけれど、爽やかでいい色だ。実車を前にすると、色だけでなくサイズも爽やか。ベースとなる「アウトランダー」より350mm短い全長は、いかにも取り回しがよさそうだ。RVRはワゴンとSUVの中間にあたるクロスオーバーというカテゴリーに属すると思われるけれど、このぐらいのサイズのクロスオーバー的なモデルは貴重だ。
やさしそうな色やサイズとは異なり、ややコワオモテのフロントグリルは好き嫌いがわかれるところ。台形のグリルは三菱自動車のアイデンティティデザインで、「ジェットファイターグリル」と呼ばれる。ジェットファイターとカワセミは相性が悪い気もするけれど、どちらも羽根があるから、“空を飛ぶつながり”ということか。
純SUVほどではないにしろ、シートの位置はまあまあ高いので、運転席からの眺めは適度に見晴らしがいい。海とか山とかに遊びに行くと楽しそう。一方、インテリアのデザインは黒一色のムサい感じで、遊び心に欠ける。ボディカラーだけでなく、インテリアにもベージュとかライトグレーとかオフホワイトとか、爽やか系の色があると嬉しい。
乗り心地には座布団、CVTは?
エンジンとトランスミッションは、1.8リッターの直列4気筒とCVTの組み合わせのみで、FF車と4WD車がラインナップされる。まずはFFモデルから試乗。真っ先に感じるのは、ソフトな乗り心地だ。試乗会場のエントランス付近は石畳だったけれど、そんなところを走ってもゴロゴロしない。
次に感じるのが、ちょっとエンジンがうるさいかな、ということ。特に3000rpmから上では、薄っぺらくてやや耳に障る音質になる。実際は低い回転域から力持ちなので、そこまで回す必要は感じない。けれどもパドルシフトが付いているから、高回転域まで引っ張ったり、シフトダウンをしたくなるじゃないですか。
へぇー、と意外だったのが、低いスピードでは乗り心地がソフトだったのに、高速ではどっしりした安定感を感じさせたことだ。頼りがいがある。この足まわりのセッティングはうまいと思った。もし近くに山田くんがいたら、「座布団一枚!」と声をかけてしまいそう。
でも、「オイ山田くん、座布団持ってちゃって!」と言いたくなるのがCVT。ETCゲートからのダッシュや遅いトラックを追い越す時にアクセルペダルを踏み込むと、回転が上がってしばらくしてから速度がついてくる。期待した加速が得られずに、エンジン回転だけが上がってノイズが高まる感じは、ちょっと昔のCVTみたい。
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色以外のキャラクター強化を
とはいえ、アクセル操作に対してもうちょっとリニアに加速してくれるといいなぁ、という以外、特に不満はない。加速時にはにぎやかなエンジンも、ひとたび100km/h巡航に入ると1900rpm付近で穏やかに仕事をしている。
4WD仕様もチョイ乗りしたけれど、高速での乗り味が重厚になる以外、FFとのフィーリング面での違いはそれほどない。ただし、4WD仕様には、横滑りした時などにクルマを安定させてくれる電子制御式の車両安定装置「アクティブスタビリティコントロール」が標準装備になる。同一グレード同士で見ると、FFと4WDの価格差は約26万円(Gグレード)。決して小さな金額ではないけれど、これで「4駆+車両安定装置」が買えるなら個人的にはお買い得だと思う。
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荷室も後席もまずまず広いし、後席を倒すシートアレンジメントの使い勝手もいい。でも、試乗会から2週間ほど経過した今、CVTと並ぶもうひとつの弱点を発見した。キャラクターがあまり印象に残っていないのだ。「青いクルマ」ってことばかりがイメージに残っている。合コンの翌日、「名前なんだっけ、一番右に座って青いシャツを着ていた人」と言われるような感じ。
やはりここは内装をお洒落にするとか、「i-MiEV」方向か「ランエボ」方向のどっちかに振ってみるとか、きれいなボディカラーからもう一歩踏み込んだキャラも必要ではないか。『坊ちゃん』の赤シャツみたいな。いや、さすがにあれはちょっとマズイか。
(文=サトータケシ/写真=郡大二郎)
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サトータケシ
ライター/エディター。2022年12月時点での愛車は2010年型の「シトロエンC6」。最近、ちょいちょいお金がかかるようになったのが悩みのタネ。いまほしいクルマは「スズキ・ジムニー」と「ルノー・トゥインゴS」。でも2台持ちする甲斐性はなし。残念……。
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