「欧州製のディーゼル乗用車が輸入されないのはなぜ?」

2009.08.29 クルマ生活Q&A 松本 英雄 その他
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「欧州製のディーゼル乗用車が輸入されないのはなぜ?」

ヨーロッパではポピュラーなディーゼルエンジン搭載車が、なかなか日本に導入されないのはなぜでしょう?
唯一の例外であるメルセデスはとても手が届かないので、フォルクスワーゲンやプジョーなどの小排気量のディーゼル搭載車の上陸を心待ちにしているのですが。そんなに日本の規制は厳しいのですか?

お答えします。日本のディーゼル規制が、アメリカの一部(カリフォルニアなど)と並んで厳しいのは事実ですが、導入されない理由はそれだけではありません。ディーゼル車を導入するとなると、当然ながら点検・整備といったサービスの必要性が出てきます。しかしディーゼル車を点検・整備するためには、サービス網に高額な専用機器を新たに導入する必要があるのです。
ご存じのように日本では輸入車は少数派です。しかもディーゼル車はガソリン車より車両価格も高く、人気や浸透度の点でもガソリン車に及びません。新たな設備投資に見合うだけの販売台数は、残念ながら見込めないのです。現状では、これが日本にディーゼル車が導入するにあたっての障壁となっています。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。