クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】全長×全幅×全高=4625×1890×1715mm/ホイールベース=2775mm/車重=1930kg/駆動方式=4WD/3リッター直6DOHC24バルブターボ(285ps/5600rpm、40.8kgm/1500-4800rpm)/価格=599万円(テスト車=687.5万円/セーフティパッケージ=20万円/ファミリーパッケージ=4万円/セキュリティパッケージ=15万円/ガラスルーフ=20万円/ウッドパネル=2万円/ツインサブウーハー=7.5万円/エクステリアスタイリング・パッケージ=20万円)

ボルボXC60 T6 SE AWD(4WD/6AT)【試乗速報】

ペットのラクダ 2009.08.04 試乗記 サトータケシ ボルボXC60 T6 SE AWD(4WD/6AT)
……687.5万円

日本上陸を果たしたボルボ初のクロスオーバー「XC60」。試乗をしてみると、ライバルとなるドイツ勢のミディアムサイズSUVとは異なる魅力を備えていた。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

ドイツ勢の対立候補

日本の道でもギリギリ持て余さないサイズだし、市街地での乗り心地はいいし、高速ではパワフルだし……。輸入車界の新たな人気者になる可能性がある(というか、なりつつある)のが、ミディアムサイズのSUVだ。で、このセグメントがホントに盛り上がるのかどうかの鍵を握っているのが、2009年8月より日本への導入が始まる「ボルボXC60」だと思う。

「ミディアムサイズのSUVに注目!」なんていっても、このセグメントは実質的にドイツ車による“一党支配”になっているわけです。輸入車の中からミディアムサイズのSUVを選ぼうと思ったら、それはドイツ車オーナーになるということと、ほぼイコールだ。

まあ、「VWティグアン」も「アウディQ5」も「BMW X3」も「メルセデス・ベンツGLK」も、それぞれみんなよくできているから、ドイツ連立与党の一党支配でも問題ないっちゃあ問題ない。でも、「われわれはドイツ車とは違う魅力を提供します」と公約する対立候補が現れれば、注目度がグッと上がって活気を帯びるはず。

ボルボXC60は、まずデザインでドイツ勢との違いを強烈にアピールする。このクラスのドイツ勢の外観はわりとシンプルで男っぽく、その道具っぽさが魅力でもあるけれど、このクルマははっきりと違う路線を狙っている。ベタな書き方をすると、広尾や白金の奥様が乗っても似合いそうな、キラキラしたカッコなのだ。


ボルボXC60 T6 SE AWD(4WD/6AT)【試乗速報】の画像 拡大
特徴的な形のテールランプには、LEDのポジションランプが用いられている。XC70と比べると、全幅は変わらないのに全長が215mmも短くなっていることから、かなりワイド&ショート化が進んだ。ライバルと比べると、アウディQ5とは全長と全幅がほぼ一緒であるけれど、XC60のほうが55mmほど背が高い。BMW X3よりは、全体にひとまわり大きい。
特徴的な形のテールランプには、LEDのポジションランプが用いられている。XC70と比べると、全幅は変わらないのに全長が215mmも短くなっていることから、かなりワイド&ショート化が進んだ。ライバルと比べると、アウディQ5とは全長と全幅がほぼ一緒であるけれど、XC60のほうが55mmほど背が高い。BMW X3よりは、全体にひとまわり大きい。
拡大
ボルボ XC60 の中古車webCG中古車検索

自分のセンスがよくなった!?

ドアを開けて乗り込むと、多くの人はインテリアのデザインにも感心するはず。シンプルで清潔な意匠や明るくてやわらかい色づかいは、明らかにドイツ車のクールさとは異なるテイスト。また、使い勝手のよさを上手に表現してやさしい印象を与えるから、頭の中に“北欧デザイン”という文字が躍る。

ただしXC60のインテリアは、そうしたボルボらしさ、北欧デザインっぽさだけでは語れない。ドライバー側を向くようになったセンタースタックや「X(クロス)」をモチーフにしたシートなどが、ちょっとしたスペシャリティ感も味わわせてくれるのだ。なお今後登場するボルボは、内外装ともにXC60のような洒落た路線になるという。

あるいは、「素朴で木訥だったボルボが懐かしい」と思われるかたもいるかもしれない。けれども個人的には、この新しい北欧スタイルにうっとり。モダンで洗練された雰囲気に囲まれていると、自分が知的でセンスのいい人間になったと錯覚してしまう。試乗車のセンタースタックはウッドだったけれど、アルミパネルのほうが未来を向いている感じがして好き。

そして外観やインテリアだけでなく、走らせてみても「ボルボXC60」は、これまでのボルボのイメージを覆すモデルだった。いままでのボルボといえば、たくさん荷物を積んで長距離を心穏やかに走るのに適したクルマというイメージだった。動物にたとえればラクダだ。でもXC60のことは、もうラクダなんて呼べない。

ボンネットからフェンダーにかけての、彫りの深いV字ラインが印象的なXC60のフロントマスク。大きくなったアイアンマークやLEDのポジションランプなどが、これからのボルボの新しいアイコンになる。
ボンネットからフェンダーにかけての、彫りの深いV字ラインが印象的なXC60のフロントマスク。大きくなったアイアンマークやLEDのポジションランプなどが、これからのボルボの新しいアイコンになる。 拡大
センタースタックが微妙にドライバーのほうを向いているのが、おわかりいただけるだろうか。カーナビゲーションシステムがビルトインされるようになったことも、トピックのひとつ。
センタースタックが微妙にドライバーのほうを向いているのが、おわかりいただけるだろうか。カーナビゲーションシステムがビルトインされるようになったことも、トピックのひとつ。 拡大

ボルボXC60 T6 SE AWD(4WD/6AT)【試乗速報】の画像 拡大

道具からペットへ

ボルボXC60の基本プラットフォームは同社の「S80」や「V70」と共通のはずだけれど、走らせてみるとその事実がにわかには信じられないほど印象が違う。体がとろけそうになるほどソフトで快適な乗り心地だったS80やV70に対して、XC60ははっきりと軽快なのだ。
すれ違いに気を遣うような狭い道からハイスピードコーナーの連続まで、さまざまな山道を走ったけれど、XC60はどんな場面も軽いロールとともに駆け抜ける。ステアリングの効きは正確で、切れば切ったぶんだけノーズが向きを変える。ステアリングホイールの手応えも、しっとり&しっかりしたもので好ましい。

さらに、3リッターの直列6気筒ターボユニットもレスポンスに優れたエンジンで、踏めば踏んだ分だけリニアにトルクが盛り上がる。意外に(失礼!)、回すといい音がする。ブレーキの効きもカチッとしているから、「止まる」「曲がる」「走る」の3要素に、“軽快な走り”という統一感が感じられる。

こと日本市場に限れば、XC60は“のほほん系”のセッティングのほうが、ゲルマンのライバルたちと差別化が図れるような気もする。とはいえ、このクルマに気持ちのいい統一感があることは間違いない。ボルボXC60は、人と荷物を運んでくれる道具としてのラクダではなく、共に旅を楽しむペットのようなラクダだった。

ボルボはモデルの性格にあわせて3段階の“味付け”を足まわりに施すけれど、XC60は最もスポーティな「ダイナミック・シャシーセッティング」となっている。フロントサスペンションはマクファーソン・ストラット、リアはマルチリンク。フルタイム四駆システムは、ハルデックス社製。
ボルボはモデルの性格にあわせて3段階の“味付け”を足まわりに施すけれど、XC60は最もスポーティな「ダイナミック・シャシーセッティング」となっている。フロントサスペンションはマクファーソン・ストラット、リアはマルチリンク。フルタイム四駆システムは、ハルデックス社製。 拡大
日本に導入されるボルボXC60は、3リッター直列6気筒エンジンを横置きする、T6 SE AWDの1グレードのみとなる。
日本に導入されるボルボXC60は、3リッター直列6気筒エンジンを横置きする、T6 SE AWDの1グレードのみとなる。
拡大

ボルボXC60 T6 SE AWD(4WD/6AT)【試乗速報】の画像 拡大

安全へのこだわりは変わらず

最新のボルボは、ルックスだけでなく中身も昔とはかなり変わっているのだ。ただし、自動車の安全について真摯な態度で臨むメーカーである点は変わっていなかった。ボルボXC60には、「シティ・セーフティ」という安全デバイスが標準で装備されている。

これはルームミラーの前方にあるレーザーセンサーで、停まっている車両や同じ方向に進む車両をモニターし、追突の危険を察知するとブレーキの反応を速くしたり自動的にブレーキをかけるというもの。ボルボの調査によれば衝突事故件数のうち75%が30km/hまでで発生しており、事故発生件数の半数では衝突の瞬間までドライバーはブレーキを踏んでいないという。

「シティ・セーフティ」によって追突事故を避けることや、あるいは速度低減によって追突した際のダメージの減少が期待できる。なるほど、と思ったのは安価なレーザーセンサーを用いることで全車標準装備をはたしたという点だ。議論はあるだろうけれど、ひとつの見識だ。

華のある外観、センスのいいインテリア、さらっと軽い走行感覚、そして安全へのこだわり。もしかすると昔のボルボを知っている人ほど“食わず嫌い”をする可能性があるけれど、「ボルボXC60」は、十分にドイツ勢のオルタナティブになり得る存在だ。

(文=サトータケシ/写真=郡大二郎)


ボルボXC60 T6 SE AWD(4WD/6AT)【試乗速報】の画像 拡大
標準の状態でも荷室は広いが、40:20:40の3分割で倒れる3つの後席シートをアレンジすると、さらに広くて使い勝手がよくなる。パワーテールゲートが標準装備。
標準の状態でも荷室は広いが、40:20:40の3分割で倒れる3つの後席シートをアレンジすると、さらに広くて使い勝手がよくなる。パワーテールゲートが標準装備。 拡大

ボルボXC60 T6 SE AWD(4WD/6AT)【試乗速報】の画像 拡大
サトータケシ

サトータケシ

ライター/エディター。2022年12月時点での愛車は2010年型の「シトロエンC6」。最近、ちょいちょいお金がかかるようになったのが悩みのタネ。いまほしいクルマは「スズキ・ジムニー」と「ルノー・トゥインゴS」。でも2台持ちする甲斐性はなし。残念……。

試乗記の新着記事
  • プジョーE-3008 GTアルカンターラパッケージ(FWD)【試乗記】 2026.3.11 「プジョー3008」の電気自動車版、その名も「E-3008」が日本に上陸。新しいプラットフォームに未来感あふれるボディーをかぶせた意欲作だが、その乗り味はこれまでのプジョーとは明らかに違う。ステランティスのような大所帯で個性を発揮するのは大変だ。
  • ジープ・アベンジャー アップランド4xeハイブリッド スタイルパック装着車(4WD/6AT)【試乗記】 2026.3.10 「ジープ・アベンジャー」のラインナップに、待望の「4xeハイブリッド」が登場。既存の電気自動車バージョンから、パワートレインもリアの足まわりも置き換えられたハイブリッド四駆の新顔は、悪路でもジープの名に恥じないタフネスを披露してくれた。
  • 三菱デリカD:5 P(4WD/8AT)【試乗記】 2026.3.9 デビュー19年目を迎えた三菱のオフロードミニバン「デリカD:5」がまたもマイナーチェンジを敢行。お化粧直しに加えて機能装備も強化し、次の10年を見据えた(?)基礎体力の底上げを図っている。スノードライブを目的に冬の信州を目指した。
  • ホンダCB1000F SE(6MT)【レビュー】 2026.3.7 ホンダから満を持して登場した、リッタークラスの4気筒マシン「CB1000F」。往年のCBをほうふつさせるスタイルと、モダンなパフォーマンスを併せ持つネイキッドスポーツは、先行するライバルを追い落とすことができるのか? ホンダ渾身(こんしん)の一台の実力に触れた。
  • スバル・トレイルシーカーET-HS プロトタイプ(4WD)【試乗記】 2026.3.5 スバルから本格的な電気自動車の第2弾となる「トレイルシーカー」が登場。前後のモーターから繰り出すシステム最高出力はドーンと380PS。ただし、それをひけらかすような設定にはしていないのがスバルらしいところだ。スノードライブの印象をお届けする。
試乗記の記事をもっとみる
ボルボ XC60 の中古車webCG中古車検索
関連キーワード
新着記事
新着記事をもっとみる

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。