米フォード、「エコブーストエンジン」で窮地脱出なるか?
2009.05.21 自動車ニュース米フォード、「エコブーストエンジン」で窮地脱出なるか?
2009年5月19日、米・オバマ大統領から、燃費規制の強化が発表された。自動車メーカーの環境問題への対応にますます注目が集まるなか、フォードはこれにあわせたかのように、かねてより計画していた低燃費エンジンの生産に着手したと発表した。
新たに生産されるエンジンは「EcoBoost(エコブースト)」と名づけられた新シリーズ。まずは3.5リッター直噴V6ツインターボユニットから生産がスタートする。
この「エコブースト」は、フォードが現在採用している大排気量エンジンに匹敵する出力を持ちながらも、燃費は最大20%改善、二酸化炭素排出量においては15%の削減が見込めるという、環境対応のガソリンエンジンだ。
「エコブースト」生産のために、フォードは5500万ドル(約52億円)を、米オハイオ州のクリーブランドにあるエンジン工場に投資している。
同工場で生産されたエンジンは、2009年夏頃より発売される「リンカーンMKS」「フォード・トーラスSHO」「フォード・フレックス」、そしてニューモデル「リンカーンMKT」の4車種に、まず搭載される。後に追加される直4と合わせ、2013年までに、北米生産車種の9割のモデルに採用が拡大される予定だ。
欧州ではすでに新世代エコエンジンが登場しているが、ガソリンエンジンの近代化が遅れているアメリカ勢としては、一歩前進したことになる。フォード入魂の「エコブースト」エンジンが、本国アメリカでの自動車販売台数を、文字どおり「boost(押し上げる)」のか? 今後の展開に注目したい。
(webCG ケヤキ)