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【スペック】E250CGI ブルー・エフィシェンシー:全長×全幅×全高=4868×1854×1465mm/ホイールベース=2874mm/車重=1650kg/駆動方式=FR/1.8リッター直4DOHC16バルブターボ(204ps/5500rpm、31.6kg-m/2000-4300rpm)(欧州仕様車)

メルセデス・ベンツEクラス(FR/7AT)【海外試乗記(前編)】

高級セダンのあるべき姿(前編) 2009.04.16 試乗記 熊倉 重春 メルセデス・ベンツEクラス(FR/7AT)


メルセデス・ベンツの主力車種のひとつ、「Eクラス」の新型にスペインで試乗した。まずは、生まれ変わったエクステリアや、そのモデル構成など、詳細をリポートする。
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サイズアップは最小限

「メルセデス・ベンツEクラス」が7年ぶりにフルモデルチェンジを受けた。新型に与えられたコードナンバーはW212。環境問題やエネルギー事情が厳しさを増すなかで、高級セダンがめざす道を暗示する注目作だ。

これまで2世代(W210 とW211)にわたって楕円形のヘッドライトが特徴だったEクラスだが、こんどはガラリと変わって、顔つきが鋭くなった。横から見ても、ちょっとだけ抑揚を強調している。機能に関しては、これまでより屋根を後ろまで平たく延ばし(少しだけ)、そのぶん鴨居が高くなって、リアシートへの乗り降りが楽になったのが特徴だ。

ホイールベース2874mm(先代は2855mm)、全長4868mm(4855mm)、全幅1854mm(1820mm)と、幅が3cm余り広がったほかは、ボディサイズに大きな変化はない。つまり、オーナーが自分でステアリングも握るセダンとしては最大限のクラスになるだろう。そこに新しい味付けの意味もある。何よりも寛ぎと安らぎを叫び、カタログの1ページ目にWelcome Home(おかえりなさい)と書いてあるほどなのだから。乗用車の任務は「人間に楽をさせること」で、その意味では正論の商品企画と言える。

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燃費は、大幅にアップ

メカニズムで目新しいのは、エンジンのラインナップが大幅に変わったこと。搭載エンジンの詳細は以下のとおり。

ガソリン
直4 直噴ターボ 1796cc 184ps
直4 直噴ターボ 1796cc 204ps
V6 NA 3498cc 272ps
V6 直噴ターボ 3498cc 292ps
V8 NA 5461cc 388ps

ディーゼル
直4 直噴ターボ 2143cc 136ps
直4 直噴ターボ 2143cc 170ps
直4 直噴ターボ 2143cc 204ps
V6 直噴ターボ 2987cc 211ps
V6 直噴ターボ 2987cc 231ps

全部で10機種あるなかで、「CDI」と名乗るディーゼルはほぼ従来通り(4リッターのV8だけ廃止された)だが、ガソリンには直噴ターボ(CGI)が新たに登場した。V6の3.5リッター直噴はすでに本国にはあったが、これまで機械式スーパーチャージャーだったベーシック系の4気筒は、直噴ターボ化で数字以上の性能になっただけでなく、最大でなんと23%も低燃費化し、CO2排出量も159g/km まで削減できたという。次の段階(今後2〜3年?)では、これにモーターアシストを組み合わせて、120g/km以下の線を狙うのだろう。変速機は、ガソリン直噴204psのみが5段AT、その他はすべて自慢の7段AT(7G-TRONIC)だが、ディーゼルの4気筒は6段MTを搭載し、自動的なアイドリングストップ機能も備えている。

一方、快適性や低燃費(低公害化)より注目したいのは、やはりメルセデスだけに安全性の追求だ。この点ではクラスの常識をはるかに上回る内容で、その主役はウィンドウスクリーン越しに前方を監視する高性能の赤外線カメラ。この映像の変動をコンピューターが瞬間的に分析し(なんと70項目を同時にチェックできるそうだ)、車線から不用意に逸れそうになると、ちょっとだけステアリングを振動させて警告する。ドライバーが居眠りしかけても同じように警告する(アテンションアシスト)。このカメラは路傍の速度制限標識も読むことができ、そこを通過すると、計器盤の中に画像で表示する。強制的に減速する機能まではないが、ドライバーに注意を呼びかけるという仕掛けだ。

そのほか、ミリ波レーダーで先行車との車間距離を検出するディストロニックも新世代になり、ドアミラーの死角になる斜め後ろからの他車の急接近も知らせてくれる(ブラインドスポット・アシスト)。ただし、レーダー関係の新装備は、周波数と電波法の関係もあり、日本で普通に使えるようになるには、すこし待たされそうだ。

日本導入モデル第一弾は、E350とE500

新型E クラスの車種構成は、以下のとおり。

ガソリン
E200CGI ブルー・エフィシェンシー(184ps)
E250CGI ブルー・エフィシェンシー(204ps)
E350CGI ブルー・エフィシェンシー(292ps)
E350(272ps)
E350 4マチック(272ps)
E500(388ps)
E500 4マチック(388ps)

ディーゼル
E200CDI ブルー・エフィシェンシー(136ps)
E220CDI ブルー・エフィシェンシー(170ps)
E250CDI ブルー・エフィシェンシー(204ps)
E350CDI ブルー・エフィシェンシー(231ps)
E350CDI 4 マチック(231ps)
E350 ブルーテック(211ps)


この12モデルのうち、今年の夏と予想される日本導入時にやってくるのは、E350系とE500になりそう。これまでの例から見ると、おそらく2010年あたりにワゴンが追加発表され、それと同時にディーゼルが上陸して来ると思われる。それ以外にも、新しいEクラスではクーペも出番待ちというから楽しみは尽きない。(後編に続く)

(文=熊倉重春/写真=メルセデス・ベンツ日本)

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