第380回:笑う門には福来たる!
コージの2009年自動車ギョーカイの過ごし方宣言
2009.01.13
小沢コージの勢いまかせ!
第380回:笑う門には福来たる!コージの2009年自動車ギョーカイの過ごし方宣言
景気なんて関係ない!
ちょっと遅いけど、あけましておめでとうございます。小沢コージです。本年もよろしくお願いします!
ってなわけで唐突ですけど、2008年後半より始まった一連の不況&自動車業界の危機(!?)的報道について。俺はどうにも不満に思っている。
たしかに悲惨だし、先が見えないんでしょう。相次ぐ工場の操業休止に、販売低迷。でもメディアはちょっとやり過ぎ、悲観的過ぎじゃないだろうか。
たとえば、国内販売台数500万台割れとは言っても、それでも400万台レベル。つまり400万の人が買うわけですよ。まあ一人一台じゃないから、それ以下かもしれないけどさ。
その昔「コップの水の量をどう捉えるか?」で、その人の心情を推し量るってゲームがあったけど、それでも“半分以上”あるし、“400万台も”売れる!! わけです。
なにしろベンツのSL AMGのブラックシリーズも国内限定12台があっという間に捌けてしまったという話もあり、結局のところ、クルマ好きの大多数は変わらないのだ。
というか逆に考えると、バブルの時に俺は直接好景気を実感するほど稼いだことはなかったし、ついこの間まで円安で、トヨタ、ホンダに日産、マツダが史上最高益を出していた時だって、全くもって濡れ手に泡なんてことはなかった。
もちろん業界全体は潤ってたはずで、間接的にその恩恵は受けてたわけだけど、直接広告作ってるコピーライターでもカメラマンでもないから、実弾たるボーナスはまるでない。
そもそも“景気”ってものに対する考え方は非常に魔物的で、マユツバで、イメージ先行でウソ臭い。目に見える範囲で俺たちは、日々、原稿を書いてそれなりの原稿料を頂いておまんま食ってることに違いはないわけですよ。そもそも政府やマスコミが言う“好景気”なんて、ウソばっかりだったでしょう!
「自信なさげなヤツに仕事は回ってこない」の法則
なにより俺には、今でもココロに刻んでいる仕事上の大原則ってのがあって、今の報道姿勢はそれに反する。それは「常に自信ありげにしてろ」ってものだ。
というのも、フリーランスになりたての20代の頃先輩にこう言われたのだ。
「小沢さ。とりあえず仕事の時は、ハッタリでもなんでもいいから常に“俺はできる”って顔をしていろよ。逆にどんなに実力がある人でも不安そうな人に仕事はこないだろ」
その時正直に「あっ」と思った。当たり前と言えば当たり前のことだが、フリーになる、自分で仕事を取って生きていくとはそういうことなのだ。実力以前に「根拠のないパワー」や「笑顔」が必要であって、極端な話、実力は後でいい。よほどの大天才や天才作家でないかぎり、まずは見た目の自信と元気で人を魅了するのだ。すべてはそこから始まる。
具体的には挨拶に笑顔に自信。そうすることで、なんだかんだ、なんとか20年近くフリーでやっていくことができた。
まさに「笑う門には福来たる」だ。
そういう考えからすると、今の報道姿勢はちょっと自信なさ過ぎと思うわけ。もちろん、自動車は落ち込んでるわけだけど、そのほとんどは今まで俺たちがあまり相手にしてなかった“一般大衆”のクルマだったり、アメリカ市場のクルマであって、俺たちの読者様たる“クルマ好き”はあまり変わらない? はずなのだ。
ってなわけで2009年、小沢コージは誓おう!! 相変わらずクルマバカ様を取材し、クルマを楽しみ、俺の価値観でもって、新車や中古車、ムーブメントをおもしろがり、断罪すると!
そして自分をもっと信じようと。
ってなわけでみなさん、ついてきてくださいね! 今年もお願いいたします。
(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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