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【スペック】全長×全幅×全高=3395×1475×1635mm/ホイールベース=2280mm/車重=980kg/駆動方式=4WD/0.66リッター直列4気筒SOHCターボ(64ps/6000rpm、9.0kgm/4000rpm)/165万9000円(テスト車=173万3550円/寒冷地仕様+運転席シートヒーター+ヒーテッドドアミラー=1万6800円/3ウェイ2トーンボディカラー=4万2000円/フロントフォグランプ=1万5750円)

三菱パジェロミニ・ナビエディションVR(4WD/4AT)【試乗記】

ベンツが羨ましく感じない 2008.11.14 試乗記 サトータケシ 三菱パジェロミニ・ナビエディションVR(4WD/4AT)
……173万3550円

マイナーチェンジを受けた三菱パジェロミニに試乗。子育てが終わったら、この手の“ミニ四駆”と過ごすのも楽しいかもしれない。
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“兄貴” に近くなった外観

たぶん15年後ぐらいには、自分はかなりの確率でこの手の小型4WDに乗っていると想像するわけです。いまのタイミングだと荷物だとか親の務めだとか、いろんなモノをクルマに積まなきゃならない。けど、ふたりの豚児が手から離れればクルマは純粋に趣味の対象、人生の相棒だ。

ここで有力な候補となるのが「三菱パジェロミニ」や「スズキ・ジムニー」に代表される“ミニ四駆”と、「マツダ・ロードスター」や「ダイハツ・コペン」などのオープン2シーター。なんというか、ほいほいと出かける腰の軽いオジサンに私はなりたい。

ミニ四駆とオープン2シーター、ホントは両方あるのが理想的だけど、腰だけでなく財布も軽くなりそうなので1台所有が現実的だ。となると、趣味の釣りに連れて行くことを考えるとちょっとしたオフロードでも頼りになりそうなミニ四駆が優勢。

そんなこんなで、いますぐ買うわけではないにしてもミニ四駆にはひとかたならぬ興味アリ。次に逢う買える時まで、世界中のどんな車種よりもミニ四駆には進化してもらいたい。

そんな折り、この9月に未来の愛車になるかもしれない「三菱パジェロミニ」がマイナーチェンジ。早速、広報車をお借りして乗ってみました。

マイナーチェンジのポイントをざっくりと説明すると、まずヘッドランプやバンパー、ラジエターグリルなどの外観が変更された。ありていに言うと、兄貴分の「三菱パジェロ」のイメージに近くなった。そのほか、カップホルダーの新設、小物収納スペースの拡大、燃費性能の改善など、ジミながらユーザーには嬉しい変更が施されている。

2008年9月に施されたマイナーチェンジの眼目は、内外装のデザイン変更。フロントは、ヘッドランプ、バンパー、グリルが変更された。パジェロに雰囲気が近くなった。
2008年9月に施されたマイナーチェンジの眼目は、内外装のデザイン変更。フロントは、ヘッドランプ、バンパー、グリルが変更された。パジェロに雰囲気が近くなった。
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インテリアは、落ち着いた雰囲気のブラウン内装に変更されたほか、本革巻きステアリングや新デザインのインパネが採用された。
インテリアは、落ち着いた雰囲気のブラウン内装に変更されたほか、本革巻きステアリングや新デザインのインパネが採用された。 拡大
リアシートは簡単操作で折りたたみが可能。荷室の床下には、小物を収納できるラゲッジフロアボックスが備わる。
リアシートは簡単操作で折りたたみが可能。荷室の床下には、小物を収納できるラゲッジフロアボックスが備わる。 拡大
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コンパクトカーって楽しいぜ

今回試乗したのは「イージーセレクト4WD」という四駆システムと64psを発生するインタークーラーターボ付き4気筒エンジン、それに4段のオートマチックトランスミッションを組み合わせた仕様。「イージーセレクト4WD」とは普段はFR(後輪駆動)で走り、必要に応じてセレクターレバー操作で四輪駆動にシフトできるシステムだ。

まずはFRの状態で市街地を走る。980kgの車重に64psは十分で、発進加速は軽快、交通の流れをリードできる。交差点を曲がる時や車線変更時の身のこなしも軽やかで、コンパクトカーって楽しいぜ、とあらためて思う。

4気筒のターボエンジンは力不足を感じさせないうえに、「軽自動車」という言葉から連想する安っぽさもない。振動はよく抑えられているし、エンジンもそこそこウルサイけれど音質が耳障りなものでないから気にならない。飾り気はないけれど活気はある、下町の居酒屋さんみたいなエンジンだ。

4ATの変速もスムーズで、加速が必要な時にアクセルペダルを踏み込むと素早くギアを落としてダッシュする。エンジンとトランスミッションの組み合わせは、実用車のパワートレーンとして満足できる。

いっぽう、「むむむ」と思うのが乗り心地。街中では路面からのショックがかなり直接的で、道路の凸凹を通過するたびに体が上下に揺すぶられる。「かわいい!」とこのクルマに飛びついた方は少し驚くかもしれない。

高速道路に入っても、動力性能は「○」で乗り心地には「?」という構図は変わらない。車速は100km/hを超えても伸びようとするものの、そうした速度域ではクルマの上下動が収まらなくなることも気になる。東京から静岡ぐらいなら何の問題もないけれど、名古屋まで行くとなると腰が張って肩が凝りそうだ。

2WDにはNAエンジン、4WDにはターボエンジンが組み合わされる。2WDは5MTだけだが、4WDでは4ATと5MTの両方が選べる。
2WDにはNAエンジン、4WDにはターボエンジンが組み合わされる。2WDは5MTだけだが、4WDでは4ATと5MTの両方が選べる。 拡大
メカニズム的に特筆すべき点は、燃費がやや向上したこと。10・15モード燃費は、4WDの4AT車が15.0km/リッター(0.6km/リッター向上)、2WDの4AT車は15.6km/リッター(0.2km/リッター向上)、4WDの5MT車は15.6km/リッター(0.2km/リッター向上)。
メカニズム的に特筆すべき点は、燃費がやや向上したこと。10・15モード燃費は、4WDの4AT車が15.0km/リッター(0.6km/リッター向上)、2WDの4AT車は15.6km/リッター(0.2km/リッター向上)、4WDの5MT車は15.6km/リッター(0.2km/リッター向上)。
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オジサンの良き相棒

ちなみに、「FRモード」→「ハイスピード4WDモード」の変更は80km/h以下なら切替可能。アクセルを戻した状態でセレクターを操作すると四駆になり、インパネに4輪に駆動力が分配されていることを示すアイコンがポッと灯る。そして、ステアリングホイールの手応えが少ししっかりする。

クルマを停めてじっくり観察すれば、インパネはシンプルながらも飽きがきそうもない造形だし、スイッチ類の操作感や樹脂類の手触りも悪くない。簡単操作で後席シートを倒せば、ラゲッジスペースはかなり使えそうな広さになる。

1時間も座っていると腰に鈍い疲れを感じる運転席シートは不満。だけど、乗り心地とシートの掛け心地以外は、オジサンの相棒としてなかなかだ。クラスレスな雰囲気とペット的な魅力を備えたこのクルマに乗っていると、隣のベンツが羨ましく感じない。いいキャラしてます。

ま、運転席シートだけをいいヤツに交換するという手もあるから、あとは乗り心地だけ、もう少し優しくしてほしい。15年後、いまより確実に腰は弱っているはずなので。15年後にはエンジンではなく電気モーターになっている可能性も高い。すると、エンジンの音と振動は気にならなくなっているはずだ。

てなことを考えながらカタログを眺める。お借りしたのは2トーンカラーのものだったけれど、意外と単色のブルーや白がカッコいい。

(文=サトータケシ/写真=高橋信宏)

インテリアにおける最大の変更点は、インパネの3連メーターが大型化し、シルバーのフチどりがなされたこと。オジサンとしては、高級感アップの方向より、ワイルド感アップとか別の方向に行ってほしかった。でも、インテリアの基調色が黒から茶になったのはお洒落だと思う。
インテリアにおける最大の変更点は、インパネの3連メーターが大型化し、シルバーのフチどりがなされたこと。オジサンとしては、高級感アップの方向より、ワイルド感アップとか別の方向に行ってほしかった。でも、インテリアの基調色が黒から茶になったのはお洒落だと思う。 拡大
2WDと4WDの切り替えはレバーで行う。走行中でも切り替えできるのは便利だ。
2WDと4WDの切り替えはレバーで行う。走行中でも切り替えできるのは便利だ。 拡大

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サトータケシ

サトータケシ

ライター/エディター。2022年12月時点での愛車は2010年型の「シトロエンC6」。最近、ちょいちょいお金がかかるようになったのが悩みのタネ。いまほしいクルマは「スズキ・ジムニー」と「ルノー・トゥインゴS」。でも2台持ちする甲斐性はなし。残念……。

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