クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】全長×全幅×全高=4881×1847×1353mm/ホイールベース=2942mm/車重=1880kg/駆動方式=FR/4.2リッターV8DOHC32バルブ(405ps/7100rpm、47.0kgm/4750rpm)/価格=1530万円(テスト車=1668万6000円)

マセラティ・グラントゥーリズモ(FR/6AT)【試乗記】

ハイエンドGT 2008.04.21 試乗記 河村 康彦 マセラティ・グラントゥーリズモ(FR/6AT)
……1668万6000円
マセラティの4シータースポーツカー「グラントゥーリズモ」。これまでマセラティブランドに特別な感情を抱いたことがない執筆者だったが、グラントゥーリズモは思いもよらないフィーリングを……。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

これまでのイメージ

熱狂的“マセファン”(?)の方には申し訳ないけれど、ボクはこのブランドに特別な思いを抱いたことがなかった。要因のひとつが、自身には金輪際縁のなさそうな車両価格にあったのはもちろんだが、正直なところ、これまで経験したモデルの走りのテイストが、どうももうひとつ個人的な好みとは相容れないものであったからだ。

たとえば、かつての「クーペ」もそうだったし、「クアトロポルテ」もそうだった。どれもボディやシャシーのしっかり感が、自分の中での期待値に届いていなかった。「今やフェラーリの“親戚”なんだから、走りもそれに準じて当然」と、無意識のうちに思っていたのかもしれない。というわけで、言葉は悪いが「何だか粋がった見た目のわりに……、カッコ負け」といったイメージが僕の心の中にできあがっていた。が、そんなネガティブさにズバリ終止符を打ったのが今回乗ったグラントゥーリズモだ。

【テスト車のオプション装備】
ハイグロスカラートリム=31万5000円/ステッチカラー=2万9000円/メタリックペイント=15万2000円/BOSEサウンドシステム=21万円/スカイフックサスペンション=32万5000円/21インチバードケージデザインホイール=35万5000円
【テスト車のオプション装備】ハイグロスカラートリム=31万5000円/ステッチカラー=2万9000円/メタリックペイント=15万2000円/BOSEサウンドシステム=21万円/スカイフックサスペンション=32万5000円/21インチバードケージデザインホイール=35万5000円 拡大
マセラティ グラントゥーリズモ の中古車webCG中古車検索

すべてが軽い

走り出した瞬間から「あれれれ? マセラティってこんなに良かったっけ!?」と目から何度もウロコが落ちた「マセラティ・グラントゥーリズモ」。オーソドックスなFRレイアウトを含め、ハードウェア面からは「AT仕様のクアトロポルテのクーペ版」とでも言ってしまえばすみそうなこのモデル。だけどいざ走らせてみれば文句ナシに“マセラティ史上最良”(自身比)の優れたフィーリングを味わわせてくれた。

全長はおよそ4.9mで、車両重量も1.9トンに迫ろうという重量級のグラントゥーリズモ。しかし、実際にはその走りが、そうしたスペックが信じられないほど「すべてが軽い」ことに驚かされる。
0→100km/h加速が5.2秒、0→400m加速が13.4秒というデータからも明らかなように、たしかにグラントゥーリズモの速さは一級品だ。けれども、絶対的なスピード性能の高さだけが“軽いフィーリング”をもたらしているわけではなさそうだ。

人とクルマの一体感

乗り込んだ当初はちょっとやり過ぎと思えるほど、操舵力の軽いパワーステアリング。4つのタイヤからバランスよくグリップを引き出しながら、ヒラリヒラリとコーナーをこなしていく絶妙なハンドリング。フロント245/35、リア285/35というファットな20インチシューズを履くにもかかわらず、路面のアンジュレーションをこともなげにいなしていく乗り味などが、グラントゥーリズモの「すべてが軽い走り」を演出している。

このクルマをドライブしていると、実際のボディサイズよりずっと小さく、前述の重量よりもずっと軽いモデルを走らせているような錯覚におちいるのである。そう、ありていに言ってしまえば「人とクルマの一体感」が望外に高いのだ! そんなスポーティな心地よさが、まさかマセラティから得られるとは!!

こうした走りの印象がすこぶる優れていると、例のカッコ付けルックスもますます冴えて見えてくる。
スラリと伸びた長いノーズの先端に、中央部にトライデントのモチーフをレイアウトしたグリルを低くマウントしたフロントセクションは、いかにもGT=グラントゥーリズモという名に相応しい贅沢さをアピール。
トランクスペースこそ小さいものの、リアシートが「大人がさほど無理なく座れるスペース」であるのにも驚いた。レッグスペースにもヘッドルームにもそれなりの余裕があるのだ。インテリアの贅沢な造りは今さら述べるまでもない。
なるほど、これは何とも本格的な“ハイエンドGT”ではないか。
いやいや、改めてマセラティというブランドを見直させてくれたグラントゥーリズモ。スミマセン、も一度勉強し直して来ます……。

(文=河村康彦/写真=高橋信宏)

河村 康彦

河村 康彦

フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。

試乗記の新着記事
  • 日産セレナe-POWERハイウェイスターV(FF)【試乗記】 2026.3.24 販売台数ではトヨタ勢に差をつけられながらも、日産の屋台骨として奮闘する「セレナ」。現行型の登場から3年、マイナーチェンジで磨きがかかった最新の「e-POWERハイウェイスターV」に試乗すると、人の感性に寄り添う開発陣のこだわりと良心が見えてきた。
  • BMW iX M70 xDrive(4WD)【試乗記】 2026.3.23 BMWが擁するSUVタイプの電気自動車「iX」。そのハイパフォーマンスモデルが「iX M70 xDrive」へと進化を遂げた。かつて、BMWの志向する次世代モビリティーの体現者として登場した一台は、今どのようなクルマとなっているのか? その実力に触れた。
  • BMW i5 eDrive35LエクスクルーシブMスポーツ(RWD)【試乗記】 2026.3.21 BMWの「5シリーズ ロング」は知る人ぞ知る(地味な)モデルだが、実はエンジン車のほかに電気自動車(BEV)版の「i5 eDrive35L」も用意されている。まさに隙間産業的にラインナップを補完する、なんともニッチな大型セダンの仕上がりをリポートする。
  • 日産リーフB7 G(FWD)【試乗記】 2026.3.20 民生用電気自動車のパイオニアである「日産リーフ」が3代目へとフルモデルチェンジ。シャシーや電池、モーターなどすべての要素を刷新し、もはやスペック上は何の不安もない水準にまで進化している。360km余りのドライブで実際のところを確かめた。
  • モト・グッツィV7スポルト(6MT)【レビュー】 2026.3.18 イタリアの名門、モト・グッツィのマシンのなかでも、特に歴史を感じさせるのがロードスポーツの「V7」だ。ファンに支持される味わい深さはそのままに、よりスポーティーにも楽しめるようになった最新型の実力を、上級グレード「V7スポルト」に試乗して確かめた。
試乗記の記事をもっとみる
マセラティ グラントゥーリズモ の中古車webCG中古車検索
関連キーワード
新着記事
新着記事をもっとみる

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。