第351回:「マツダ・デミオ」試乗inドイツ
俺の判断は間違ってなかった! と思う
2008.03.04
小沢コージの勢いまかせ!
第351回:「マツダ・デミオ」試乗inドイツ 俺の判断は間違ってなかった! と思う
楽しさが違う!
みなさまごぶさたでございます。忙しくてなかなかアップできませんでしたが、また続々といきますよっ!
ってなわけで再び行ってきました、ドイツ! 昨2007年から月イチのドイツ通いを自分に課して約1年。なんだかんだ8回往復して、内容としては上出来だった。でもそのわりに語学が全然上達しなかったりと難しさも実感したりして……。
しかし男40、たった1年で諦めたら男がすたる! ってなわけで2008年年始早々に懲りずに行ってまいりました。語学は“10年計画”!? ぐらいで考えるとして、とりあえずは向こうでクルマにたくさん乗ろう、とね。
とりあえずはフランクフルトで借りれる「マツダ2」こと、「デミオ」の欧州版を借りて乗ってみたんだけど、改めてその良さにビックリ! 俺の判断は間違ってないと思いましたねぇ。
というのもね。昨年の日本カー・オブ・ザ・イヤーで俺は、イヤーカーとしてデミオを推したわけだけど、それに同調してくれる選考委員はこのほか少なくて、ボブ・スリーヴァさん&ピーター・ライオンさんの外国人ジャーナリスト2人組ともうひとかたのみ。
いったいなぜ? そんなに俺の感覚ってズレてる? とか思ってたけどこちらで乗って改めて“間違ってない”と確信しました。
だって、乗っててマツダ2=デミオのほうが断然楽しいんだもん。実用性、スペースユーティリティでは、たしかに最強のライバルである「ホンダ・フィット」の比じゃないんだけど、楽しさもまた比じゃない。デミオのがぜんぜん上。
プチBMWといえる
今回、ドイツでお借りしたのは「1.5l Independence」ってグレード。基本は日本の1.5リッターの「スポルト」と同じなんだけど、チューニングが微妙に異なってて、最高出力は113psから103psに微妙に下がってるし、足まわりのチューンも違う。
マツダ2のが、トルクが全体的に太くって、足も若干硬めでシャッキリしてるような気もするんだけど、そういう瑣末な問題ではなかった。
やはりモノによっては1トンを切るという軽量ボディに加え、サスの素性がいいんでしょう。とにかくハンドリングがいいし、味わいがいいのだ。そのソリッドかつヴィヴィッドな手応えはマジな話、マツダ・ロードスター、もしくはBMWにも匹敵すると思いました。
実際、欧州では昨年、政治的に強い「フィアット500」にこそ負けちゃったけど、ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーで次点に輝いてるほど評価されている。
具体的にはステアリング操作に反応して、ノーズが適度なフリクションとともにダイレクトに動き、同時に絶妙なフィードバックがある。旧型デミオのような、無理にスポーティな味付けをしている感もなく、非常にナチュラル。
唯一、今回は冬のドイツで乗ったせいでタイヤがスタッドレスになっていたため、若干高速直進性が悪かった。とはいえ、全然気になるレベルじゃあない。
あとはなんといってもデザイン。俺の友人でコレを見て「プチBMWだよね」っていった人がいて、たしかに今のBMWが持つ独特のエッジ感覚をFFコンパクトの世界に落とし込んだ感じもあるんだけど、それでいてもっと上品に仕上げてると思う。
そしてなにより俺がこのデミオをすごいと思うのは、軽自動車も含め、このガッチガチのコンパクトカー業界において、単なる品質競争やコストパフォーマンス競争ではなく、個性で勝負してるってとこなんだよね。
メジャー系とは別路線の個性
とにかくデミオはほかのコンパクトカーには全然似ていない。「プジョーに似てる」って声があったけど、俺にはそれは全く理解できないし、デザインに加え、冒頭のステアリングフィールのすごさはダントツ。
そしてそれらすべてが根本的なダウンサイジングコンセプトに繋がってるのもいいし、細かいところではミラーサイクルエンジンも面白い。コイツに関しては真の意味で普及するかは未知数なんだけど。
ま、とにかくマツダはここにきて、トヨタ、ホンダといったメジャー系とはまったく別の方向を歩み、しかもそれをある程度成功させているのが素晴らしいと思うわけですよ。
それはクルマ作りの手法にもいえる。デミオは今さらだけど、マツダの言う“グラム戦略”を取っており、これはオープンスポーツのロードスターと同じく、ミラーだとかリアシートのスライド機構だとか“細かくオタク”に減量する手法だ。こういう戦略自体がマツダの個性なんだと思う。
ってなわけでマツダさん。私はデミオを応援するんでがんばってください。
唯一、デミオのレンタカーばっかり街中で見かけるのがなんともはや。たしかに台数はきたいんでしょうけど、もうちょっと抑えてくださいね! って感じですか(笑)。
(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
BYDシーライオン6(FF)
2026.3.6JAIA輸入車試乗会2026“中国の新興ブランド”BYDにあこがれは抱かずとも、高コスパの評判が気になる人は多いだろう。では、日本に初導入されたプラグインハイブリッド車のデキは? 初めて触れたwebCGスタッフがリポートする。 -
NEW
実に3年半ぶりのカムバック 「ホンダCR-V」はなぜ日本で復活を果たしたのか?
2026.3.6デイリーコラム5代目の販売終了から3年半のブランクを経て、日本での販売が開始された6代目「ホンダCR-V」。世界的なホンダの基幹車種は、なぜこのタイミングで日本復活を果たしたのか? CR-Vを再販に至らしめたユーザーの声と、複雑なメーカーの事情をリポートする。 -
NEW
「ジープ・アベンジャー4xeハイブリッド」発表会の会場から
2026.3.5画像・写真ジープブランドのコンパクトSUV「アベンジャー」に、4WDのハイブリッドバージョン「アベンジャー4xeハイブリッド」が追加された。その発表会(2026年3月5日開催)の場に展示された同モデルの外装・内装を写真で紹介する。 -
NEW
スバル・トレイルシーカーET-HS プロトタイプ(4WD)【試乗記】
2026.3.5試乗記スバルから本格的な電気自動車の第2弾となる「トレイルシーカー」が登場。前後のモーターから繰り出すシステム最高出力はドーンと380PS。ただし、それをひけらかすような設定にはしていないのがスバルらしいところだ。スノードライブの印象をお届けする。 -
NEW
ホンダ・インサイト
2026.3.5画像・写真4代目はまさかの電気自動車(BEV)! ハイブリッドからBEVへ、4ドアセダンからSUVへと変身して、「ホンダ・インサイト」が復活を遂げた。ドアトリム/ダッシュボードヒーターにアロマディフューザーと、新たな快適装備を満載したその姿を、写真で紹介する。 -
BYDシーライオン7 AWD(4WD)
2026.3.5JAIA輸入車試乗会2026堂々たるスタイルにライバルの上をいくパワーと一充電走行距離、そしてざっくり2割はお得なプライスを武器とする電気自動車「BYDシーライオン7」。日本市場への上陸から1年がたち、少しずつ存在感が増してきた電動クーペSUVの走りやいかに。