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【スペック】全長×全幅×全高=4565×1785×1510mm/ホイールベース=2575mm/車重=1520kg/駆動方式=FF/2リッター直4DOHC16バルブターボインタークーラー付き(200ps/5100-6000rpm、28.6kgm/1800-5000rpm)/価格=335万円(テスト車=362万3000円)

フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント2.0TSIスポーツライン(FF/2ペダル6MT)【ブリーフテスト】

フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント2.0TSIスポーツライン(FF/2ペダル6MT) 2007.12.04 試乗記 河村 康彦 ……362万3000円
総合評価……★★★
フォルクスワーゲン「ゴルフ」のワゴンモデルが、3代目では「ゴルフヴァリアント」と名称を変えて登場! 2リッターのスポーティモデルに試乗した。
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最大1495リッターの荷室

2代にわたって用いられた“ワゴン”の名称を改め、兄貴分パサートと同じ“ヴァリアント”の名前で登場したのが、日本では2002年2月に発売された「ゴルフ・ワゴン」の後継モデルである「ゴルフ・ヴァリアント」。当然、現行ゴルフのステーション・ワゴンという位置づけではあるものの、実は外観上は現行ジェッタがベース。鋭い人であれば、ドアハンドルの上部をキャラクター・ラインが通過するサイドパネルやフロントフェンダーの造形が、ゴルフではなくジェッタのそれと共通であることに気づくはず。生産を行うのもジェッタと同じメキシコ工場となる。

そもそもユーティリティに優れるのがハッチバックというボディ形態であるだけに、ゴルフ“ハッチ”のワゴン版たるヴァリアントは、ゴルフを明確に凌ぐ圧倒的な積載性能が大きな売り物。300mm以上延長されたボディは、もちろん「より大容量のラゲッジスペースを生み出すため」。後席使用時に505リッター、後席アレンジ時には1495リッター(いずれもISO計測法)まで拡大されるという荷室容量は、従来のゴルフ・ワゴンのそれをそれぞれ45、25リッター上まわる。

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【概要】どんなクルマ?

(シリーズ概要)
2007年9月3日、7年ぶりのモデルチェンジで3代目となったゴルフのワゴンバージョン。2007年3月のジュネーブショーがデビュー。上位モデルの「パサート」にあわせて、名称を「ワゴン」から「ヴァリアント」に変更した。
ベースは現行の5代目「ゴルフ」。スリーサイズは、全長×全幅×全高=4565mm×1785mm×1530mmで、ホイールベースは2575mm。
ラインナップは、1.4リッターTSI(170ps/24.5kgm)を積む「TSIコンフォートライン」と2リッターTSIの(200ps/28.6kgm/)の「2.0 TSIスポーツライン」の2種類。組み合わされるトランスミッションはともに6段のDSG(2ペダル式MT)のみ。パドルシフトは、2.0TSIスポーツラインだけに備わる。駆動方式はどちらもFF。
機能面では、前後2分割式の「電動パノラマスライディングルーフ」がオプションで採用された。

(グレード概要)
2リッターTSIスポーツラインとTSIコンフォートのエンジン以外の違いは、スポーツシート、パドルシフトといった、スポーツ装備が追加されること。バイキセノンヘッドランプや、レインセンサー、タイヤ空気圧警告、205/55R16から1インチアップされた225/45R17タイヤが装着されるのもこのモデルだけ。
さらに、オプションとして電動調節機構をセットにした「フロントレザースポーツシートパッケージ」が設定される。

【車内&荷室空間】乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★★
ビジネスライクな雰囲気の強いデザインではあるものの、それがまた、「積めるワゴン」というこのモデルのキャラクターに合っている。メーター類は見やすく、操作系は扱いやすく、いかにも実用車の見本的なレイアウト。面白味には欠けるものの、好感が持てる。
ナビゲーション・システムは注文装備となるものの、チルト&テレスコピック機構付きのステアリングコラムや左右2ゾーン式オートエアコン、8エアバッグ、オートライト、レインセンサー付きワイパー、自動防眩ルームミラーなどは標準装備。1360×870mmという広大さがウリ物の電動パノラマ・スライディングルーフがオプション設定される。

(前席)……★★★★
2.0TSIスポーツラインには、フロント・スポーツシートが標準装備される。もっとも、“スポーツ”とは言っても各部の張り出し量はほとほどで、乗降の妨げになったりすることはない。見た目にはどうということはないが、長時間の着座でも疲労感が最小限で済むのは、以前ロングドライブをした経験から証明済み。さすがにシートの基本性能のツボを押さえている。オプションでフロント席ヒーター付きの、レザー仕様を選択可能。

(後席)……★★★
クッションを起こし、そこにシートバックを倒れ込ませるダブルフォールディング式の折りたたみ機能を備えたシート。大人2人には十分なサイズだ。振動の吸収性もたっぷりで、一部の日本車のような、フロントシートに対する機能性の大きな落差は感じられない。当然ながら全3席に3点式ベルト&ヘッドレストを備える。ホイールベースが同一であるため、居住空間そのものはゴルフ“ハッチ”と同様。

(荷室)……★★★★★
これぞ最大の売り物! というラゲッジスペース。ドカンと広い。テールゲートの開口部下端が570mmと低く、後席をたためばフロントのシートバック後端まで1.7mという長さが取れる。重いものや長いものの収納も得意科目。容量の大きさもさることながら、側面に大きな凹凸がないスクエア形状である点も、使い勝手の良さに貢献する。

 
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写真をクリックするとシートが倒れるさまが見られます。
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【ドライブフィール】運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★★
最高200psを発するターボ付き2リッターエンジン+2ペダル6MTという組み合わせで、加速は意外なほど強力。それゆえ、大方の人にとっては“ツインチャージャー”付きの1.4リッターを搭載する「TSIコンフォートライン」でも十分そう。大きな変速レンジと小さな変速ステップ比を両立させる2ペダル6MTは、エンジン回転の上昇に伴ってリニアにアウトプットを増すエンジンとマッチング良好。100km/hクルージング時のエンジン回転数は2400rpmだが、燃費狙いで行くのならもうすこしハイギア化してもよさそう。

(乗り心地+ハンドリング)……★★★
“スポーツ・サスペンション”に17インチの45%偏平タイヤを組み合わせ、さらに相当量の積載まで想定するためか、足まわりのチューニングは想像以上に硬め。そのおかげでハンドリングの正確性はすこぶる高いものの、すくなくともひとり乗り状態では“しなやか”という表現は使えない。ピッチング挙動はよくチェックされているものの、バウンス挙動による上下Gが強めで、ストローク感には乏しい。やはり150km/h以上での走行を念頭に置いている感が強い。その点ではよくも悪くも“ドイツ車的な乗り味”の持ち主。

(写真=荒川正幸)

【テストデータ】

報告者:河村康彦
テスト日:2007年8月14日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2007年型
テスト車の走行距離:3943km
タイヤ:(前)225/45R17(後)同じ
オプション装備:/フロントレザースポーツシートパッケージ(27万3000円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(8):高速道路(2)
テスト距離:214.7km
使用燃料:31.4リッター
参考燃費:6.84km/リッター

河村 康彦

河村 康彦

フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。

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