第341回:コージのF1 2007勝手に総括!
いま朝まで一緒に飲みたいドライバーベスト5!!
2007.11.02
小沢コージの勢いまかせ!
第341回:コージのF1 2007勝手に総括!いま朝まで一緒に飲みたいドライバーベスト5!!
愛すべきセコくてひがみっぽいチャンピオン!?
ついに勝ったよなぁ、ライコネン! もちろん単なる1勝じゃなくって念願のシリーズタイトルね。
優等生とかサイボーグじゃなくって、ライコネンとかヴィルヌーヴみたいな不良タイプが好きな俺としては嬉しい限りだが、できすぎといえばできすぎな気もする。
偶然が2つも重なったんだもんね〜。いや3つか。あれほど安定感のあったチャンピオン候補筆頭のハミルトンが、2つのトラブルで勝手に落ちて、さらにアロンソも冴えなくて、その間に見事マッサが挟まって保険にもなってたという、そんなのアリかよって感じの展開だったな。
当たり前だけど、どれがなくてもライコネンのチャンプはありえなくて、一番確率の低い男がチャンピオンになっちゃったわけだ。ハミルトンの失敗は単純に「プレッシャーに負けた」って事でゴーインに説明づけちゃうとしても、俺にとって不可解だったのはアロンソ。試合後のサッパリした感じといい、試合前のコメントといい、とにかく不思議なくらいに最初っからあきらめムード。
ライコネンの結果を見るまでもなく、あの判断は早すぎたと思うし、シロウト的には「とりあえず自分が勝って待つ!」ってのが一番カッコいいはずなのだが、今回のアロンソにそんな気配は微塵もなかった。まったくもってスポーツマンらしからぬ態度で、なにはなくともまずはふてくされオーラ、つまり「ヤツ(ハミルトン)に勝たせたくない!」オーラがにじみ出てたように思う。
なんというか、旦那に浮気されまくって離婚し、元旦那の結婚を邪魔する女みたいだよね。言い方を悪くすると“女の腐ったようなヤツ”。なんせチームのスパイ疑惑の証拠を自ら提出したり、「なぜ俺をナンバーワン扱いしないんだ!」と批判してたわけだしさ。ハッキリ言ってひがみ根性の塊よ!
しかししかし、矛盾するようだが不肖小沢としてはアロンソくん、別に嫌いじゃありません。ま、特別好きでもないけど、人間、そうそう清廉潔白に生きる必要ないと思うし、そもそも生きられないし、俺自身十分セコいし、ああいうのもアリでしょう! と思う。
やっぱ人間、みんな“臆病”かつ“セコい”のだぁぁぁ!! チャンピオン取った人間でも“狭い”のだぁぁぁ。そこが一番面白かったのかもね。今シーズンのF1。
あと面白かったのは中国GPでのハミルトンのリタイア。あんなゴキブリみたいなハマリ方するとは夢にも思えなかったし、マクラーレンの作戦もわけわからなかった。あれだけ磐石に見えたマクラーレン+ハミルトンがこんなにも脆弱だったとは。人間ってホントにダサくてかわいい生き物だわさ。
ただしこれまた不可解なのは最終戦、チャンピオン逃がしても異様にさわやかだったハミルトン。あんなのアリか? 中国であれほどチャンピオンに固執した人間にして、あの振りきれ具合。アタシャ、一瞬目を疑いましたよ。あの人格者ぶりは今後、見守って真偽を確かめる必要がある!! なんてね(笑)
一方、次第になかなかシブく見えてきちゃったのが「とにかく勝ちゃあいいんだろ!」のライコネンもそうだけど、ほとんどマフィア映画に出てくるチンピラいい系のマッサだよね。つくづくサッカーのロナウジーニョもそうだけど、ブラジル人ってヤツはわかりやすい。奴とは一緒に朝まで飲みたいって気がする……。
なんかマッサと飲みたくない?
ってなわけで、突然思いつきました! コージの勝手に“いま朝まで飲みたいF1ドライバーベスト5”!
1位はジャカジャカジャカジャン、マッサくーん!! 奴が基本的にいいやつなのは間違いないし、結構ウップンだって溜まってるはず。
「俺だってがんばったんだよ!」「言いたくはないけど、アロンソはセコいし、ライコネンは冷たすぎる!」とかグチがバンバン出てきそうだし、そもそもブラジル人なんでノリも良くて、サンバのリズムで朝まで突っ走ってくれるんではあるまいか。そう、勝手にオマエが夜のチャンピオンだー!?
次なる2位はそうだなぁ、やっぱ王道はライコネンかなぁ。大トラで知られた彼のことだ。久々に大飲みして、裸踊りまでしてくれそうだし、ぜひ一度お手合わせしたいモノ。
それから3位は意外なところでバトンくんはどうだろう。もはや大英帝国の息子の座は完全にハミルトンに奪われちゃったわけだし、ホンダ残留も決まったが正直、来年も苦労は続きそうだ。ここまでイケそうでイケない人も珍しい。ぜひともお国の誇るスコッチの水割りでも傾けながら、将来の展望とグチでも聞きたいものだ。日本人とは切っても切れない感じだし。
4位はどうしようかなぁ。誰でもいいけどなぁ(ってフツー向こうが飲んでくれないけど……)、ってそうだ。ヤルノ・トゥルーリくんにしよう。彼は今年トヨタでがんばったし、イタリア人だし、片山右京さんとも友達で日本人に慣れてるしさ。こないだたしかヴィンヤード買ったんだよね、せいぜい彼んとこのおいしいワインでもご馳走になろう。そして“F1とカイゼンの相性”についてとことん語り合おう!
で、最後の5位はそうだなぁ……そうだ、フィジケラくんにしよう。日本で人気だし、二枚目だし、なにより普段優しすぎるから、飲むとホンネがボロボロ出るんではあるまいか。アロンソの悪口とかどんどん出てくるんじゃないだろうか。ま、わからんけどね。人格者っぽいし。
ってなわけでスイマセン。小沢コージの最終戦、決勝の夜に思いついたタワゴトでした。くれぐれもマジメに受け取らないようにね(笑)。
(文=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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