第145回:新春、輸入車チョイ乗りリポート 〜いま『webCG』が気になるクルマはコレ!(その3)
2012.04.10 エディターから一言第145回:新春、輸入車チョイ乗りリポート〜いま『webCG』が気になるクルマはコレ!(その3)
![]() |
2011年の新車登録台数が前年を13%上回った、海外メーカーのインポートカー。今、どんなモデルが狙い目なのか? JAIA(日本自動車輸入組合)主催の試乗会に参加した『webCG』スタッフが、“一押しモデル”を価格別に紹介します。
【600〜900万円ならコレ】
「立派なクルマにお乗りですね!」なんて、ご近所もうらやむ高級車。買える、買えないはおいといて、この3台は要チェックです!?
Eならこれがいいメルセデス・ベンツE250ブルーエフィシェンシー……634万円
「メルセデス・ベンツEクラス」には、モデルチェンジ後のわずかな期間を除けば、常にエントリーモデルとして、排気量が2リッター台のモデルが設定されてきた。それらは時代により排気量が変わったり、カムシャフトの数が減ったり、また増えたりと、いろいろな変遷を遂げてきたが、4気筒ユニット搭載モデルは先々代のW210の導入初期に短期間だけ設定されていた「E230」以来となる。
最新の「E250ブルーエフィシェンシー」は4気筒とはいっても、ターボチャージャーにより出力とトルクが高められているため、“ゆとり感”は十分にある。多段化されたトランスミッション「7Gトロニック」のおかげで高速巡航時のエンジン回転数は極めて低く抑えられ、巡航時にはキャビンには上質な雰囲気がただよう。一方、そこからのトルクの盛り上がりもスムーズかつ十分な力強さを感じさせるもの。チープ感などはまったく感じさせない。これぞ積極的に選びたい狙い目グレードだ、と思う。
(webCG 曽宮)
走るジュエリーキャデラックCTSクーペ……666万円
どうですか、この直線デザインは! もう、何もかもがカックカク。気を抜いて洗車でもしたら、スパッと手先が切れそうだ(←やや大げさ)。
見た目のインパクトは、スーパーカー級。加えて、貴金属やクリスタルの凝縮感といいますか……スーパーな高級感をもたたえているのが、「CTSクーペ」のスゴいところ。
街行くひとが、指をさす。信号待ちでは、お隣さんがしげしげと眺める。「スゲェな、こりゃ!」だって。そうでしょう、いいでしょう!
インテリアも、それに見合った高級な仕立て。とがったシートがお尻に刺さる! なんてことはないのでご安心を。で、起動とともにそそり立つカーナビや電動ボタン式のドアオープナーなど、個性的なギミックはそこかしこ。メインターゲットとなる「40代」の、少年心をくすぐりまくる。
これなら、ライバル(=「C」とか「3」とか)もウカウカしてられないのでは……? 聞けば、オーナーの約3割は他ブランドからの乗換えだとか。セールスは、好調であるらしい。
(webCG 関)
回さずに駆けぬける歓びBMW 535i xDriveツーリング……890万円
「523i」が直4になり、「528i」も直4に換装された。今や「5シリーズ」で“シルキーシックス”を味わおうと思ったら、800万円を超える「535i」しかないわけだ。もはや高嶺の花。自動車界の絹である。
その直6とて、以前とはちょっと様子が違う。3リッターのツインパワーターボユニットはトルクのピークにわずか1200rpmで達し、8段ATは2000rpm前後でシフトアップを繰り返すから、ほとんどエンジンを回した実感なしに乗れてしまうのだ。
また、スロットルペダルを大きく踏み込んだとしても、直噴化の影響か、トップエンドで若干荒い音色をともない、残念ながら先代のNAユニットのようなヌケのいい音がしない。こんな時代だから仕方ないとはいえ、シルキーは昔になりにけり、の感強し。
ただし、走行時の静粛性、インテリアの質感、シートの柔らかくもコシのある掛け心地と、総合的な“サルーン力”(テスト車の場合は“ワゴン力”)はこのクラス随一ではないだろうか? いつまでも直6にこだわっていた筆者は、ビーエムにとっくに追い越されてしまっていたらしい。
(webCG 竹下)
→新春、輸入車チョイ乗りリポート【400万円以下】はこちら
→新春、輸入車チョイ乗りリポート【400〜600万円】はこちら
→新春、輸入車チョイ乗りリポート【“超”高級クラス】はこちら

webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
-
第849回:新しい「RZ」と「ES」の新機能をいち早く 「SENSES - 五感で感じるLEXUS体験」に参加して 2025.10.15 レクサスがラグジュアリーブランドとしての現在地を示すメディア向けイベントを開催。レクサスの最新の取り組みとその成果を、新しい「RZ」と「ES」の機能を通じて体験した。
-
第848回:全国を巡回中のピンクの「ジープ・ラングラー」 茨城県つくば市でその姿を見た 2025.10.3 頭上にアヒルを載せたピンクの「ジープ・ラングラー」が全国を巡る「ピンクラングラーキャラバン 見て、走って、体感しよう!」が2025年12月24日まで開催されている。茨城県つくば市のディーラーにやってきたときの模様をリポートする。
-
第847回:走りにも妥協なし ミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」を試す 2025.10.3 2025年9月に登場したミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」。本格的なウインターシーズンを前に、ウエット路面や雪道での走行性能を引き上げたという全天候型タイヤの実力をクローズドコースで試した。
-
第846回:氷上性能にさらなる磨きをかけた横浜ゴムの最新スタッドレスタイヤ「アイスガード8」を試す 2025.10.1 横浜ゴムが2025年9月に発売した新型スタッドレスタイヤ「アイスガード8」は、冬用タイヤの新技術コンセプト「冬テック」を用いた氷上性能の向上が注目のポイント。革新的と紹介されるその実力を、ひと足先に冬の北海道で確かめた。
-
第845回:「ノイエクラッセ」を名乗るだけある 新型「iX3」はBMWの歴史的転換点だ 2025.9.18 BMWがドイツ国際モーターショー(IAA)で新型「iX3」を披露した。ざっくりといえば新型のSUVタイプの電気自動車だが、豪華なブースをしつらえたほか、関係者の鼻息も妙に荒い。BMWにとっての「ノイエクラッセ」の重要度とはいかほどのものなのだろうか。
-
NEW
トヨタ・カローラ クロスGRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】
2025.10.21試乗記「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジに合わせて追加設定された、初のスポーティーグレード「GRスポーツ」に試乗。排気量をアップしたハイブリッドパワートレインや強化されたボディー、そして専用セッティングのリアサスが織りなす走りの印象を報告する。 -
NEW
SUVやミニバンに備わるリアワイパーがセダンに少ないのはなぜ?
2025.10.21あの多田哲哉のクルマQ&ASUVやミニバンではリアウィンドウにワイパーが装着されているのが一般的なのに、セダンでの装着例は非常に少ない。その理由は? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
2025-2026 Winter webCGタイヤセレクション
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>2025-2026 Winterシーズンに注目のタイヤをwebCGが独自にリポート。一年を通して履き替えいらずのオールシーズンタイヤか、それともスノー/アイス性能に磨きをかけ、より進化したスタッドレスタイヤか。最新ラインナップを詳しく紹介する。 -
進化したオールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2」の走りを体感
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>欧州・北米に続き、ネクセンの最新オールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2(エヌブルー4シーズン2)」が日本にも上陸。進化したその性能は、いかなるものなのか。「ルノー・カングー」に装着したオーナーのロングドライブに同行し、リアルな評価を聞いた。 -
ウインターライフが変わる・広がる ダンロップ「シンクロウェザー」の真価
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>あらゆる路面にシンクロし、四季を通して高い性能を発揮する、ダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」。そのウインター性能はどれほどのものか? 横浜、河口湖、八ヶ岳の3拠点生活を送る自動車ヘビーユーザーが、冬の八ヶ岳でその真価に触れた。 -
第321回:私の名前を覚えていますか
2025.10.20カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。24年ぶりに復活したホンダの新型「プレリュード」がリバイバルヒットを飛ばすなか、その陰でひっそりと消えていく2ドアクーペがある。今回はスペシャリティークーペについて、カーマニア的に考察した。