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【スペック】全長×全幅×全高=3765×1690×1510mm/ホイールベース=2390mm/車重=1060kg/駆動方式=FF/1.6リッター直4DOHC16バルブ(125ps/6800rpm、15.1kgm/4800rpm)/価格=162万7500円(テスト車=178万5000円/メーカーセットオプション=15万7500円)

スズキ・スイフトスポーツ(FF/5MT)【試乗記】

実用スポーツ 2007.06.02 試乗記 青木 禎之 スズキ・スイフトスポーツ(FF/5MT)
……178万5000円

その名の通り、「スイフト」のスポーティバージョン「スズキ・スイフトスポーツ」。マイナーチェンジをうけた新型の印象はいかに。
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7割がMT!

「オートマにあらずばクルマにあらず。……すくなくとも実用車にはあらず」な、わが日本市場において、なんと約7割をマニュアルトランスミッション車が占めるという驚異の(!?)ハッチバックがある。
「スズキ・スイフトスポーツ」である。
月間4000台前後を販売するスイフトシリーズの2割程度、月700から800台を売るというから、“隠れた人気モデル”といっても過言ではあるまい。

スイフトスポーツは、その名の通り2004年に登場したスイフトのスポーティバージョン。欧州では3ドアもあるが、日本では5ドアのみ。
1.2、1.3、1.5リッターとラインナップを揃える“ノーマル”スイフトと比較して、シリーズ最強! ……といっても、1.6リッターだが、吸気側に可変バルブタイミング機構「VVT」を備えたツインカム16バルブを積む。125ps/6800rpmの最高出力、15.1kgm/4800rpmの最大トルクを発生するオールアルミユニットだ。

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黒基調のインテリア

2007年5月24日に、スイフトスポーツはマイナーチェンジを受けた。価格が6万円ほどアップして、5MTモデルが162万7500円、4ATモデルが168万円となった。

変更の目玉は、グレーのシートが選べるようになったこと。各輪のブレーキを個別に制御して、乱れた挙動を安定させる「ESP」が標準装備となったこと。そして、ギア比に手が入れられたことである。1速を引き上げて2速に近づけ、一方、最終減速比は4.24から4.39に落とされた。スムーズかつ力強い加速を狙ったのでありましょう。
エンジニアの方にうかがうと、ニュースポーツのギアレシオ、実は欧州仕様の1.6リッターモデルのギア比を、国内でも採用したのだという。「ヨーロッパ版のほうが半年ほど長く開発期間を取れたので、よりいいものができた」そう。

ギアレシオが変わって気になる燃費は、「10・15モード走行」で、MTが14.6km/リッター、ATが13.6km/リッター。カタログ上はマイチェン前と変わらない。

スイフトスポーツは、おだやかな表情のスイフトから、バンパーを変えることでじゃっかんアグレッシブなイメージをつくりだしている。ボンネットの膨らみをグリル、バンパーと視覚的につなげることで、押し出しを強める。

インテリアは、肘かけ部分の赤いクロスが廃止され、全体に黒基調になった。オーディオ類がキレイに面一になったセンターコンソールが、シンプルで好ましい。

今回、「黒-グレー」のシートが追加設定された。従来からあった「赤」は、「座面-背もたれ」センターを縦断するタイプから、「座面後半分+背もたれ4分の3」と赤い面積が縮小。多少、地味に。

オプションのレカロシート仕様
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いい按配

テスト車は、「レカロシート」「サイド+カーテンエアバッグ」「ディスチャージヘッドランプ」「可倒式アシストグリップ」を含んだセットオプション装着車。178万5000円也。

しっかりしたサイドサポートがついたレカロシートは、しかしやや大きめにして、クッションはやや平板。いうまでもなく、ガチガチのスポーツタイプではない。バックレストも無段階に調整できるダイヤル式でなく、簡便なレバー式。それはそれで気楽でよい。

走り始めると、4気筒はトルキーで、軽々かつスムーズに1060kgのボディを運ぶ。そのうち、いかほどがファイナルギアの変更による恩恵かどうかはわからないが、なかなか力強い。
16インチの足まわりは、これまたヨーロッパ仕様と同じチューンだそうで、「実用ハッチかホットハッチか?」と問われれば、前者に比重が置かれる、ほどほどの硬さ。同乗者から苦情が出ることはないだろう。

山道に入れば、最初こそステアリングのアシスト量、軽重の変化に多少の違和感をおぼえたが、すぐ慣れた。気になったのが今回から標準装備となったESPで、テストした個体固有の問題か、フロアコンソールの「オン/オフ」ボタンを押しても反応しないことがあり、オフ状態だとやたらと早くABSが利くので閉口した。

ところが「オン」に戻すと、スイフトスポーツ、なにごともなかったかのように楽しげに、曲がりくねった道を走り出した。スポーツハッチの本領を発揮する。スロットル操作に対する反応もおだやかで素直。ことさら緊張することなく“スポーツ”を満喫できる。いい按配だ。

今回は、街なかを行く機会を得られなかったが、おそらく“スポーツ”のために“日常使い”で犠牲になった部分は、ごく小さいんじゃないか。隠れた(!?)ヒット作として人気を博しているのがよくわかる。最近、手頃なマニュアル車がないとお嘆きの貴方に。

(文=青木禎之/写真=峰昌宏)

写真をクリックすると、新しく採用されたラゲッジボード下のサブトランクが見られます。
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青木 禎之

青木 禎之

15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。

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