第1回:山田先生、「シトロエンC2」を教えて!(その1)
〜マリア、登場
2006.11.17
自動車ライターになりたーい!
第1回:山田先生、「シトロエンC2」を教えて!(その1)〜マリア、登場
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マリア・ファッションは、グラビアアイドルである。水着姿で雑誌やテレビに登場し、世の男性たちの喝采を浴びるのが仕事だ。そんな彼女が、自動車ライターになりたいと言い出した。でも、まったくの素人。クルマのことなんて、なんにも知らない。ほんとうに自動車ライターになれるのか、悪戦苦闘の修業の姿をお届けします。
■マリアの後ろには敏腕プロデューサーが……
いろいろと、前置きが必要だ。
どうして、いきなりグラビアアイドルなのか。しかも、なぜマリア・ファッションなのか。そもそもそれは名前なのか。国籍はいったいどこなのか。
はてなマークが次から次へと浮かぶのは致し方ない。
マリアは、現役女子大生だ。グラビアの仕事を初めて、まだ間もない。アイドルの仕事もやりたいけれど、ほかにもいろいろなことにチャレンジしたいのだ。そのひとつが、自動車ライターというわけ。
そして、正真正銘の日本人である。某服飾系女子大に通う彼女は自分で服のデザインから縫製までやってしまう腕前の持ち主。ということで、ファッションなどという名前が付けられたのだ。
しかし……、マリア・ファッションとは、芸名とはいえ意表を突く名前ではないか。実は、仕掛人がいるのだ。マリアをプロデュースしているのは、あのローバー美々なのである。そう、伝説の「ロバ耳ニュース」で一世を風靡した美々さんだ。この不思議なネーミングセンスも、それならうなずけるというものだ。
■ペダルがエロい?
今回、インストラクターを務めてくれたのは、“マタンキー”こと山田弘樹さんである。初めての試乗ということで、伸び盛りの若手ライターである山田さんにまずご登場願った。普段の男だらけの現場で見せる顔とはずいぶん表情が違うように見えるのは気のせいだろうか。
用意したのは、「シトロエンC2 VTS」である。マリアちゃんに、これはどこの国のクルマか知ってる? と聞いてみた。「フランス!」と即座に返ってきた。さすがに勉強してきたようである。前回会ったとき、メルセデス・ベンツがどこの国のクルマかわからなかったのとは大違いだ。
運転席に座って、山田先生のレッスンが始まった。
山田「じゃあ、クラッチを踏んでみて」
マリア「クラッチって……何?」
そうなのだった。うっかりMTモデルを借りてしまったのだが、マリアの免許はAT限定だったのを忘れていた。気を取り直して、ペダルは右からA、B、Cと覚えるんだよ、と優しく説明する山田先生。
マリア「なんか、それってエロい」
山田「……」
シフトノブは? 「えっ、ノブさんって誰」
右側にあるレバーは何に使うの? 「ビュビュって出るやつでしょ」
いや、その表現はちょっと……。ちゃんとウォッシャー液って言ってくれないと。
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■マリアのファッションチェック
自動車王国愛知県に住んでいるから、マリアはクルマでの移動が多い。家のクルマは先代マーチで、もちろんATモデルだ。そこそこクルマには慣れているはずなんだけど、ステアリングホイールもインパネも、何のことだかわからなかった。まあ、それはおいおい覚えていけばいい、ということにしよう。
いよいよ、試乗である。とはいっても、マリアは運転できないので、代わりに山田先生がステアリングを握る。マリアは助手席インプレッションだ。試乗地は神宮外苑の周回路で、山田先生はいつものキレた走りは披露せず、あくまで同乗者をいたわるジェントルな走りに徹する。
マリアは助手席で乗り心地を見極めている。シートの素材や内装の質感は、先にチェック済み。もちろん、エクステリアのデザインはしっかり眺めてオシャレ度の評価もOKだ。
そんなわけで、次回はいよいよマリア初めてのインプレッションをお届けする。運転できなかったからハンドリングや動力性能は山田先生に書いてもらい、デザイン、居住性、乗り心地などをマリアが担当する。二人のコラボレーションによるインプレッションというわけだ。どんなものになるか、お楽しみに。
(つづく)
(文=別冊単行本編集室・鈴木真人/写真=岡村昌宏/2006年11月)

マリア・ファッション
名古屋学芸大学でファッションについて学ぶ、現役女子大生グラビアアイドル。 1984年5月30日生まれ、身長158cm、BWHは86(F)/60/84で、マイカーは「日産マーチ」。 なお事務所の社長は、かの「ローバー美々」である。 『ゴールデンスロット』(びわ湖放送他)にレギュラー出演中。 2006年11月22日にはバリで撮影したファーストDVDが発売される。
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第5回:ライターは取材も大事〜広報と自動車ライターと愛 2007.8.3 ほらほら、納得してガッテンと言ってちょうだい! あなたがノーガッテンでも、MFは広報イズLOVEだと言い張ります。誰がなんと言おうと言い張らせていただきます。
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第4回:ライターは取材も大事〜Audi Forum Tokyoに潜入 2007.7.26 クルマとつきあうだけが自動車ライターではない。新車発表会でメーカーの人と話をしたり、試乗会でエンジニアに質問をしたり、イベントで参加者にインタビューをしたり……。自分で見つけることだけではなく、人から事実を聞き出し、これを伝えることも、ライターとして重要な役割である。
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第3回:山田先生、「シトロエンC2」を教えて!(その3)〜山田先生のお墨付き! 2006.12.23 マリア・ファッションの処女インプレッションはいかがでしたか?なにしろクルマ知識ゼロから自動車ライターを目指すという、とんでもない暴挙。どうなることかと心配でしたが、なんとも斬新なリポートができ上がりました。さっそくインストラクターを務めてくれたマタンキーこと山田弘樹さんに見てもらったところ、ガンダム用語の使い方にクレームはついたものの、なかなかの評価。最初の関門を突破、マリアには才能があるのかも……。■「シャアのような美女」は苦しい……シトロエンC2を美女、しかも「素敵女子」というコトバで表現する豪快な切り口には、今までの女性自動車ライター陣にはない「若さ」と「無知ゆえの鋭さ」があると思います。まずここが素晴らしい。ただし「赤い彗星・シャア」は男子ですから、「シャア・アズナブルのような高貴な雰囲気を醸し出している、美女」というはチト表現が苦しい。「赤=シャア」と短絡的に結びつけたツケとでもいいましょうか。だったらその妹である「セイラ・マス」もしくは「アルテイシア・ソム・ダイクン」(本名)ならいいのか!? というとこれも違うので、結局この表現ではつかみはNG! になると思います。あぁ惜しい。■欲しいのは「稚拙ながらもリアル」全体的に、まだまだクルマの分析能力よりも「コトバのチカラ」に頼っている感もムンムンします。これは経験が少ないから当たり前ですが、きっと僕らが欲しいのは「稚拙ながらもリアルな視点」ですから、そこをもう少し出せれば良かった。たとえばシートのホールドがガッチリしているのならば、それがどのような状況で効くのかを「マリア視点」で語ってほしい。僕らはついつい「タイトなコーナーではサイドサポートの張り出しが効いたシートがきっちりと体をホールドしてくれる。だが、そのアタリは非常に柔らかくいかにもシトロエン的で、日常においても……」なんて何万年も前から言い古されたことを書いてしまいます。
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第2回:山田先生、「シトロエンC2」を教えて!(その2)
〜マタンキー、マリアのコラボ・インプレッション 2006.12.15 自動車ライター修業中のグラビアアイドル、マリア・ファッションが、ついにインプレッションデビュー。前回お伝えした通り、インストラクターの山田弘樹さんとのコラボレーションによるインプレッションを予定していたのだが、届けられた原稿を見てびっくり。現場系やんちゃ派ライターと小悪魔系オシャレ女子では水と油で、結合させるなんてとてもじゃないがムリ……。というわけで、ストレートに先生とマリアのインプレッションを見ていただこう。プロフェッショナルと処女(?)はここまで視点が違うのだ!■先生編:“ちょいゴツ系”のホットなヤツハイドラクティブな乗り味とはまたひと味ちがう「バネ付きシトロエン」の小さなホットモデル、それがC2 VTSである。全長×全幅×全高=3670×1660×1460mm。ホイールベースは2315mmで車重は1100kg。トヨタ・ヴィッツほどのボディに、可変バルブタイミング機構などを用いて少しばかり内容をスープアップさせた1.6リッターエンジン(125ps/5800rpm、14.6kgm/3750rpm)を搭載し、フロントタイヤを駆動。これを5MTで制御する、いまどき珍しい硬派な一台だ。足下に195/45R16という大きなタイヤを履かせているでもわかるとおり、見た目は低重心な“ちょいゴツ系”。直線と曲線をシンプルにまとめたルックスは都会的で、ファンシーな感じがしないから大人のオトコでも躊躇なく選べる、というのが筆者なりの一番のおすすめポイント。インテリアは至ってシンプルで、ちょっとばかり安っぽいプラスチックのインパネ周辺を、シルバーのトリムでうまく引き締めるセンスはニクイ。サイドサポートが大きく張り出したシートは、座ってみると柔らかく、小さなクルマなのにとっても上質。リアシートにまでレザーがあしらわれているあたりも、オーナーにはちょっと嬉しい部分だろう。
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