新型スマートのリッターカー化で、アメリカの“リッターカーバトル”開戦必至!
2006.11.13 自動車ニュース新型スマートのリッターカー化で、アメリカの“リッターカーバトル”開戦必至!
独シュトゥットガルトで公開された新型「スマート」。その心臓部は噂どおり、三菱自工の1リッターユニットだった。
2008年にアメリカ上陸が決定しているこの新しいマイクロカーが、日系メーカーに大きな影響を与えることになるだろう。
■1リッターで「トヨタ・アイゴ」がアメリカに
まず、欧州で販売されているコンパクトカー「トヨタ・アイゴ」のアメリカ導入の真実味が増した。
既に『edmunds.com』をはじめいくつかの米国自動車関連ウェブサイトでスクープニュースが流れているとおり、トヨタはAセグメント・リッターカーの北米導入を検討している。
その候補として挙がっているのが、PSA(プジョー・シトロエン)と共同開発した「プジョー107/シトロエンC1」の兄弟車であるアイゴだ。新型スマートがリッターカーとなることから、導入されるモデルは、欧州仕様同様に最大出力60ps前後のリッターカーとなる可能性が高い。
新型スマートを販売するのは、既報のとおり大手カーディーラー運営会社のユナイテッド・オート社。インディカー/NASCARのチームオーナーとして名高いロジャー・ペンスキー氏が率いる企業である。
実は同社は北米最大のトヨタディーラー、ロンゴ・トヨタチェーンを展開するなど、トヨタとの関係は非常に深い。ペンスキー氏としては、アイゴの販売も引き受けることで、新型スマートとの2本立てリッターカーラインナップを武器に、今後急成長が見込まれる北米Aセグメント販売網の主導権を握るという目論見があるに違いない。
■「三菱 i」はスマートと部品共用で1リッター化か?
スマートの影響でもうひとつ考えられるのは、「三菱 i」の北米仕様リッターカー化だ。
三菱自動車の北米法人MMNAでは、北米内テスト走行用/広報活動用として、日本仕様のiを2台日本から輸入している。リポーターが公道試乗したかぎり、日本仕様の軽自動車ユニットでも不満はなかったが、リッターカー化されることで走りに余裕が出ることは当然プラス要素となる。
さらに新型スマートとエンジン+トランスミッションを共用することも、現実的に考えられるだろう。
新しいスマートのリッター化により、北米でのクルマのダウンサイジングの流れは、Bセグメントからさらにひとつ小さくなり、Aセグメントがバトルフィールドとなる。今後、さらに攻防が活発になるだろう。
(文=桃田健史(IPN))
![]() |
![]() |
![]() |