【東京モーターショー2005】メルセデス・ベンツ「明確になった次世代車の構想」
2005.10.19 自動車ニュース【東京モーターショー2005】メルセデス・ベンツ「明確になった次世代車の構想」
2005年10月19日のプレスデイで幕を開けた第39回東京モーターショー。メルセデス・ベンツは2種のコンセプトカーを発表した。そこに表れた次世代車に向けての構想の中には、ハイブリッド・テクノロジーへの傾斜がはっきりと見てとれた。
■規律とハーモニーから生まれたクルマ
メルセデス・ベンツは、世界の自動車業界で現在まで勝ち得ている地位をさらに揺るぎないものにし、次世代車でもイニシアティブを握っていこうとしている。プレスブリーフィングで、そのことを強く印象づけられた。
ステージ上では、はじめ弦楽器のみの静かな演奏が行われていたが、ディーター・ツェッチェ次期社長の名が告げられるとドラムも加わってビートの利いた曲調に変わった。曲が終わると、ツェッチェ氏はその演奏者の中からバイオリンを手にして現れたのだ。
「オーケストラで演奏することは、作り出すという意味でクルマでも共通の意味を持ちます。そこには規律とハーモニーが必要で、新『Sクラス』も我々のチームワークから生まれました」。なかなか気の利いた演出である。
しかし、ステージ上に置かれていたのは何の変哲もないSクラスである。何を発表するのかと思ったら、これが「ブルーテック・ハイブリッド」というコンセプトカーなのだった。
これは3リッターV6ディーゼルエンジンに電動モーターを組み合わせたもので、ブルーテックとは窒素酸化物を削減する新技術のこと。これにより、優れた燃費と高出力を高いレベルで両立させるというわけだ。
欧州で人気を博すディーゼルモデルを来年から日本にも導入することを明言したが、その先も見据えてハイブリッド車の投入を考えているようだ。しかし、内燃機関の歴史をリードしてきたメーカーらしく、「ハイブリッドもベースとなるエンジンが重要」と指摘するのを忘れなかった。
■フューエルセルを社内で開発
かわって登場したのは、研究・技術部門を統括する役員、トマス・ヴェーバー氏である。「F600ハイジェニウス」と名付けられた燃料電池スタディ車に乗って現れた。燃料電池スタックを約40%小型化し、除湿機構を改良することでコールドスタートを可能にしたという。
エネルギー回生を行い、バッテリーにはリチウムイオンを採用している。こちらのモデルでもハイブリッド・テクノロジーがキーとなっているようだ。フューエルセルは完全に社内で開発されたということで、燃料電池車の開発で最先端にいることをアピールする狙いもある。
このプレゼンテーションでは、クルマに設けられたコンセントにアンプをつなぎ、ストーンズの曲を演奏するというパフォーマンスが行われた。音楽と絶妙に融合させながらのショーは、まるでアップルの新製品発表を思わせる洗練ぶりだった。
(NAVI 鈴木)
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