マツダ・ロードスター(5MT)/RS(6MT)/VS(6AT)【短評(前編)】
“素性”の良さを感じる(前編) 2005.09.17 試乗記 マツダ・ロードスター(5MT)/RS(6MT)/VS(6AT) ……244万6750円/261万5500円/268万600円 3代目に進化した「マツダ・ロードスター」。海外やサーキットなど特別な場所でない、公道での試乗会で3つのグレードをじっくり乗り比べる。メモ帖が埋まった
ついに走り始めた新しいロードスター。もっともその姿は随分前に公開済みだし、ハワイやら筑波サーキットやらでの試乗記もすでにあちこちに掲載されている。実際の発売開始というこの時点では、もはや“処女性”という点でいささかインパクトに欠ける感も否めない。
それでも、ハワイではストレートが基調というコース設定と何ともゆったりとした現地の交通の流れに阻まれ、ツクバではほんの数周ずつで次々と乗り換えというせわしない試乗時間に制約を受けたので、結局は箱根基点の今回の“本試乗会”でようやくメモ帖内の余白が埋まったという状況。これだったら、最初から試乗会はこの箱根イベントだけでも良かったような……。
とはいえ、こうして様々なシーンでの事前のイベントを仕掛けてきた点には、このクルマにかけるマツダの意気込みと、自信のほどが感じられるというもの。「台風とかちあって散々な目に遭いました……」という『webCG』撮影部隊が引き上げた翌日、まさに台風一過の“ロードスター日和”の中で3グレードすべてのモデルをタップリと味わってきた。
まずはインテリアをチェック
まずは“素のロードスター”5MT車のドライバーズシートへ。角度が立ち気味のウィンドシールドからの風景の広がり感や楕円のドアミラー、さらには丸い空調アウトレットや高いセンターコンソールといったデザインに、自分でも5年半の時間を共に過ごした初代モデルからのDNAがひしひしと感じられる。
ハワイで左ハンドル仕様に触れた時からちょっと心配だった右ハンドル仕様でのペダルレイアウトは、やはりクラッチペダルとフットレストとのスパンがタイトだけれど、何とか及第点が与えられる、といったレベル。ただし、あまり幅広の靴を履いていると、クラッチペダルを踏み込む際に靴の側面がフットレストに干渉しそうだ。
ステアリングコラムにはチルト機能が与えられているものの、テレスコ機能は見送られているのが残念。僕は、ペダルから合わせるとステアリングがやや近過ぎ、ステアリングから合わせるとペダルがやや遠くなってしまう、という印象だった。
パワーウィンドウスイッチをシフトレバー後方にレイアウトしたのは、「初代からのロードスターの記号性としてもこだわった部分であると同時に、コスト削減という狙いもあったのは事実……」とデザイナー氏。確かに、左右のドアにレイアウトするよりはスイッチ個数も減らせる。操作してみると、やっぱり最初は“空振り”してしまったけれど、オーナーとなればすぐに慣れてしまうはずでもあるから、ここのところはヨシという事にしておこう。
収納はあるのだが……
シート後方にいかにもガッシリとしたロールオーバーバーがマウントされたのは、当然“時代の要請”と考えられる部分。ただしそれもあってか、シートバック背後のアタッシュケースなどを置くのに好都合な隙間は、これまで2代のモデルよりも随分と狭くなってしまった。
代わりに(?)ロールオーバーバーの下部に、ちょっとしたセカンドバック程度なら楽に飲み込む容量のストレージボックス(RS、VSグレードはリッド付き)が設けられ、グローブボックスもリアのコンソールボックスも意外に大容量で、この種のクルマとしては総じて収納性は優れている。
もっとも、前出のストレージボックスを使うためにはシートバックを前倒ししなければならないのに、リクライニングレバーが両ドア側にしかないのはちょっと不便だ。例えば、一人乗りの状態で左側ボックスを使うためには、アクロバティックに身体を捻って左ドア側のレバーを操作しなければならない。というわけで、走行中に必要なものはここには入れられないというのが結論。
付け加えれば、バッテリーとスペアタイヤが無くなったのでトランクスペースはちょっとだけ拡大。全グレードに標準のトランクオープナーには、“オープン駐車”時に有効なキャンセラー機能が付く。
と、軽く各部をチェックした上で、アテンザなどに使われてきたユニットをベースに縦置き化等のリファインを施した2リッターの4気筒エンジンに火を入れる。(後編へ続く)
(文=河村康彦/写真=峰昌宏、マツダ/2005年9月)
・マツダ・ロードスター(5MT)/RS(6MT)/VS(6AT)(後編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000017160.html
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河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
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