トヨタ・アルファード・ハイブリッド “Gエディション”(8人乗り/CVT)【ブリーフテスト】
トヨタ・アルファード・ハイブリッド “Gエディション”(8人乗り/CVT) 2005.06.18 試乗記 ……517万3350円 総合評価……★★★★ 「アルファード」シリーズがマイナーチェンジを受け、内外装に小変更が施された。そのハイブリッドモデルに、自動車ジャーナリストの笹目二朗が乗った。 |
メカを理解すると楽しいクルマ
大きなボディによる広い生活空間は望むところながら、鈍重な動きや経済性などを考慮すると、無駄の多い贅沢な乗り物になってしまう。しかし、ハイブリッド技術はこうした難題を知的に解決しつつある。目下のところかなり高価だが、大きな排気量をもつエンジンなどに執着するより、賢明で価値も高い。
3リッタ−FF Gエディションの432万6000円に比べ、ハイブリッドGエディションは453万円と、価格差は小さい。しかしながら、ギラギラした戦闘的で先鋭な外観デザインは、必ずしも高度な内容にふさわしいものとは思えない。もうすこしマイルドで未来的、かつ豊かな人間性に根ざした共存感のある方向が、ハイブリッド車には望ましいと思う。
ともあれランニングコストを気にする人だけでなく、エネルギ−モニタ−を見ながらメカを理解して走らせるだけでも楽しい車である。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2002年にデビューしたトヨタの7/8人乗りのミニバンが「アルファード」。プラットフォームやパワートレインは、多くを「エスティマ」と共用するが、広い室内に「もてなし感」をプラスして「最上級ミニバン」に仕立てている。2003年7月からハイブリッドモデルが登場した。「エスティマ・ハイブリッド」に採用されたTHS-C(Toyota Hybrid System-CVT)を発展させたもので、リッター17.2kmの燃費を誇る。リアにも回生機能を備えたモーターを配し、4WDとして機能する。
2005年4月にマイナーチェンジし、フロントグリル、ヘッドランプ、リアコンビネーションランプなどに変更を施した。
(グレード概要)
アルファード・ハイブリッドのパワーソースは、2.4リッター直4(131ps、19.4kgm)と電気モーター(13kW、11.2kgm)を組み合わせたもの。「Gエディション」は内装や装備を豪華にしたモデルで、7人乗りと8人乗りがある。試乗車は8人乗り。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
ダッシュボ−ドは一見して豪華で、さすがにうまさを感じさせる。この程度は、トヨタの標準と言ってもいい。ナビのモニター位置は良好で見やすい。エネルギ−モニタ−に表示を変えると、リアルタイムにエンジンとモーターの稼働状況をグラフィックに示す。見て楽しいだけでなく、運転にも役立つ。
(前席)……★★★
高めに座り、眺めは上々。ミラ−やピラ−による四隅の確認は容易。メカの張出で横にも前後にもウォークスル−は難しいが、やむなくせざるを得ない場合、センタ−部分は比較的凹凸なし。シ−トそのものは並だが調整機構完備。サイドブレ−キの2度踏みリリ−ス方式は、緊急時に反復使用することができない。要改善である。
(2列目)……★★★
4WDでもE-Fourゆえフロアの突起はなく、足元はすっきり広々している。Wサンル−フやTVモニタ−はリモコンで操作が可能だ。スライドドアも電動で操作力は軽微。フロアもこの手のものの中では低めで乗り込みは簡単。リアにも100V/1500Wのコンセントあり、家電製品がそのまま使えて便利。PCなど持ち込んでオフィス並みに仕事もできる、というか、容量的には暮らせる。
(3列目)……★★★
リアウィンド−が後頭部直後にあることを忘れれば、空間的にも広いしなかなか快適。電動カ−テンは、通常手で引く速さ並みにサッと素早く作動。シ−トはサイズも普通で狭苦しくない。カップホルダ−なども完備。8人乗れるし、回転対座、フルフラットなどシ−トアレンジも多彩。そうした動かせるシ−トのわりには、クッションも分厚く見た目は豪華だ。
(荷室)……★★★
トランク部分だけ独立してみればさほど広くはない。しかし、フロア面積が広いので足元などにも通常のカバン類は置けるから、旅行にも困らないだろう。また、サ−ドシ−トは横向きに立てて収納も可能だから、高いル−フとあって結構大きなカタマリも積載できそう。バックドアは、計器板でもリモコンでも開閉操作が可能。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
日常の騒音レベルをもってすれば、動力がモ−タ−だけでもエンジンが回っていても、それほど大きな変化はない。2トンを超す重量級ながら4WDまで総動員した加速はなかなか素早い。駆動系は全体に静粛でスム−ズだが。エンジンが止まった瞬間のドンというショックは多少気になる。変速機のセレクタ−レバ−をインパネかコラムに移動すれば、乗員にとってさらに未来的な乗り物感覚を味わえそう。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
乗り心地はおおむね良好。前席から3列目まで、それほど違いがないのもいい。周期的にゆるい振動は比較的フラットで快適だが、微振動のような細かな振動には弱く、走行中に文字などを書くのは難しい。ハコ型ボディのわりには、こもり音の類はよく取り除かれている。大きく重いボディながら取りまわしはよく、回転半径は5.6mとまずまず。重心高が高いにもかかわらず、ロ−ルは気にならない範囲に抑えられている。
(写真=高橋信宏)
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【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2005年6月9日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2005年型
テスト車の走行距離:765km
タイヤ:(前)185/60R15 84H(後)同じ
オプション装備:ツインムーンルーフ=11万250円/パワーバックドア=6万900円/レーダークルーズコントロール=8万4000円/SRSサイドエアバッグ+カーテンシールドエアバッグ=7万3500円/電動カーテン=7万8750円/HDDナビゲーションシステム=21万円/G-BOOK ALPHA専用DCM=6万3000円/ETCユニット=4万950円
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(7):高速道路(3)
テスト距離:149.8km
使用燃料:20.5リッター
参考燃費:7.3km/リッター

笹目 二朗
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