第194回:コージのロールス日記(その2)驚き!運転で人格変わっちゃいます!?
2005.02.18 小沢コージの勢いまかせ!第194回:コージのロールス日記(その2)驚き!運転で人格変わっちゃいます!?
■セクシャル・ドライビング
ちょっと空いちゃったけど、ロールス日記の続きをば。(前回の日記はこちら)さて、とうとう買ってしまった“コージの動く城”(!?)こと「ロールスロイス・シルバースピリットII」。停まってても楽しめる絶大な別世界観もイイけど、もうひとつ気に入ったのが意外な運転の楽しさだ。よく「ロールスは運転するもんじゃない、後ろに乗るもんだ!」とか「ロールスにドライビングプレジャーはない」とか、したり顔で言う人がいますけど、よく言いますよねぇ。「アンタ、ホントにロールス運転したことあんの?」な〜んて、イヤミな反論したくなります。
たしかにロールスは後ろに乗る方が楽しくて、運転するとわりとゴツゴツした振動を感じて興ざめするのも事実(らしい。というのも俺、後ろに乗ったことないから!)。
でもね。運転しても意外と楽しいんですよ。まずステアリングフィール。そりゃあスポーツカーみたいなダイレクトさや、ボディとの一体感はない。ただ、そのひたすら重くて硬めのボディに、パワーアシスト効きまくりでなおかつ細めグリップのステアリングホイールの感触もいい。なんつーかなぁ。ほどよく硬いチーズをメチャクチャ切れるナイフでシュルシュル削ってく、っていうの? もしくは滑らかなビロードの服を来た女のカラダを、ゆっくりなぞるように触るっていうのかな。重いものを、思いっきりフリクションの少ないなかで丁寧に動かす感じがキモチよい。
やはり性的な楽しさですな。あえてじんわり、ゆっくり動かすという行為が非常にいやらしくキモチよい。
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■恐るべし、イギリス様式
でね。これは意外なる副産物をもたらすのだ。一緒に乗った女性が鋭いこと言いました。「ねぇ、運転丁寧になったね」。
つまり結果、期せずしてGが急激に立ち上がるような乱暴なステアリング操作をしなくなったのだ(別にそれまでも乱暴じゃなかったけど)。と同時に、ATを含むドライブトレインがユルく、壊れやすそうな感じだから、2トンを越えるボディをゆっくり動かすべくアクセル&ブレーキ操作も自ずと丁寧になる。それが結果的に“ジェントリー・ドライビング”を生み出すのだ。これが「クルマが運転を矯正するってことか!」と初めて気づきました。
具体的には、乗る人にすごく気を使った運転になるわけだけど、ロールスの場合、それも不思議とイヤじゃない。自然にショーファー気分といいますか、クルマを停めたら思わず小走りでリアドアを開けに行きたくなるような、ちょっとしたシモベ気分になる。いやー、怖いわ〜イギリス様式って!
■ミニバンを超えられる
それからね。もうひとつ思ったのが「これならミニバンを越えられるかなぁ」ってこと。現在、俺たち自動車ジャーナリズムの世界では、今やファミリーカーで日本を席巻しつつあるミニバンを否定する動きがあって、要するに「ミニバンよりセダンの方がいい」とか「スポーツカーに乗れ!」って言わせたがるんだけど、個人的には難しいと感じてたのよ。
だってさ。日本みたいなスピードを出せない国で、売れるクルマの主流がミニバンやコンパクトカーになるのは極自然なことじゃない。日常的に使う上では加速にしろ、快適性にしろ、豪華さにしろ、どれをとってもミニバンがセダンに劣るものはほぼない。だったら大勢乗れて便利な方がいいに決まってる。
でもね。ロールスならばファミリーカーとしてミニバンを越えられると思いました。この様式美、快適性、別世界観は、絶対ミニバンじゃ出せません。しかも意外とコイツを、じいさんばあさんから子供まで結構喜ぶのだ。そしてロールスにはセダンという形式が一番相応しい。
この問題はまた今後考えますけど、いろんな意味でロールス、気に入ってます! また報告するんでよろしくね。
(文と写真=小沢コージ/2005年2月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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