トヨタ・アベンシス ワゴン Li【ブリーフテスト】
トヨタ・アベンシス ワゴン Li 2004.05.02 試乗記 総合評価……★★★ ……304万5000円 2003年10月6日に発売された欧州製トヨタ車「アベンシス」。装備が充実したワゴン「Li」モデルに、阪和明CG編集局長が乗った。欧州で生まれたトヨタ車
なにしろ「トヨタがつくった欧州車」である。グローバルな展開をしている今日の自動車産業のなかにあって、こんなこと言われてもビックリしてしまうが、ともかくこれまでの日本車とは違うことを強調したいのだろう。たしかに、生産拠点はイギリスだし、スタイリングを担当したのは仏ニースのデザインオフィスだから、ヨーロッパ生まれに違いはない。
基本性能も悪くない。いやむしろ、堅実で真面目なつくりには好印象を抱く。しかし、ヨーロッパの実用ステーションワゴンの基準に照らしてみれば可もなく不可もなくといったところで、カタチをはじめとして新鮮味には欠ける。まあ、それはすべてにソツがないということなのだが、だから、このクルマは「欧州で生まれたトヨタ車」といわれたほうがずっと納得できる。
総合評価は★3つとしたが、あと★半分を加えたいところだ。
|
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「アベンシス」は、英国TMUK(Toyota Motor Manufacturing UK)で生産される英国車。同名を使ったモデルとしては2代目になる。2003年10月6日に、日本国内でのデビューを果たした。セダンとワゴンが用意され、わが国では、いずれも「2リッター+4AT」モデルが販売される。FF(前輪駆動)ほか、ビスカスカプリングを用いた「Vフレックスフルタイム4WD」モデルもカタログに載る。
(グレード概要)
アベンシスは、セダン、ワゴンとも、ベーシックな「Xi」と、装備を充実した「Li」がラインナップされる。Liは、室内のトリムレベルが上がるほか、ひとまわりスポーティな「215/45R17」のタイヤを履き、「ブレーキアシスト」「VSC」「カーテンエアバッグ」などを標準で装備する。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
運転席からの眺めはすっきりしている。センターコンソール部の銀色のアルミパネル、室内をぐるりと一周する帯状のウッド風パネルに、厭味はない。むしろ落ち着いた雰囲気を醸し出している。インストルメントパネルの仕上げはなかなか上質だ。装備は抜かりなしといった印象で、サイドカーテンエアバッグ等々、安全対策に向けたひととおりがずらりと揃う。Liグレードなので、DVDカーナビも標準で、オプションを追加する必要を感じないくらい装備はとても充実している。
(前席)……★★★
ファブリック地のシートの感触はいい。すこし硬めだが快適で、横方向のサポートはクルマの性格を考えるなら充分なものである。クッションの高さおよび、背もたれの傾き調整を行なうレバーの操作も慣れてしまえば問題はない。一度適切なポジションを得られれば、けっこうらくちんだ。
(後席)……★★★
前席同様に天井と乗員の頭との空間はたっぷりある。同時にまた側頭部のスペースもそこそこあり、窮屈な感じはまったくない。膝まわりにも余裕がある。もっともクッション自体はそれほど肉厚ではないので、長い間座り続けたらどうなのか気になるところではある。
(荷室)……★★★★
ワゴンはセダンよりも全長が長い。伸びたぶんがそのまま荷室の拡大につながった。リアシートを立てたままの状態で、トランクは不足ない広さがあるのはもちろん、シートを畳めば広大なスペースが生まれる。前輪を外さなくても大人用自転車を(寝かせた状態で)積めるのは確認済み。荷室を覆うカバーを巻き取る横バーを、床下にきちんと収納できるのはトヨタらしいありがたさ。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★
このクルマでいちばん気になるのがエンジンである。低燃費を狙ったガソリン直噴4気筒ユニットは、お世辞にも滑らかに回るとはいえず、なにより低回転域のトルクが細いのが欠点だ。したがって4段ATとの相性もあまりよくなく、走りっぷりは気持ちいいものではない。飛ばさないドライバーでも、動力性能には不満が残りそうだ。
(乗り心地+操縦性)……★★★
一般的なトヨタ車より乗り心地は硬めである。いたずらに硬いだけではなく、ハーシュネスの遮断はまずまずだ。ボディの剛性感の高さも効を奏しているのだろう。しかし、サスペンションの動きは「しなやか」と呼ぶにはもう一歩だ。17インチの太めのタイヤが悪さをしているのかもしれない。
コーナリングは常に安定している。ステアリングはピシっとしているし、とても正確。「なるほどヨーロッパ車的だわい」と強く感じる部分である。
(写真=清水健太/2004年5月)
【テストデータ】
報告者:阪和明CG編集局長
テスト日:2004年3月29日-4月2日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2004年型
テスト車の走行距離:7305km
タイヤ:(前) 215/45R17(後)同じ
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(7):高速道路(3)
テスト距離:139.6km
使用燃料:--
参考燃費:--

阪 和明
-
フィアット・グランデパンダ ハイブリッド ラプリマ(FF/6AT)【試乗記】 2026.10.16 欧州を代表するコンパクトカーの一台である「フィアット・パンダ」が第4世代に進化。新たに「グランデパンダ」を名乗り、日本にやってきた。ずばり新型の見どころは車両の随所にちりばめられた初代モデルへのオマージュである。上位グレード「ラプリマ」の仕上がりをリポートする。
-
フィアット500トリノ ハイブリッド(FF/6MT)【試乗記】 2026.10.13 電気自動車からエンジン搭載車へと華麗に変身! 日本では珍しい、4代目「フィアット500」のマイルドハイブリッドモデルに試乗。1リッターの自然吸気エンジンを6段MTで駆るイタリアンコンパクトは、今のクルマが忘れてしまった楽しさに満ちていた。
-
ボルボES90ウルトラ ツインモーター パフォーマンス(4WD)【試乗記】 2026.10.12 ボルボの電気自動車(BEV)「ES90」のトップモデル「ウルトラ ツインモーター パフォーマンス」を駆り、東京から初秋の新潟へ。往復700kmを超えるロングドライブで分かった新型5ドアハッチバックモデルの実力と、BEVで気になる充電環境のリアルな今を報告する。
-
フェラーリ・プロサングエ ハンドリング スペチアーレ仕様(4WD/8AT)【海外試乗記】 2026.10.8 フェラーリの4ドア4シーターモデル「プロサングエ」に、「ハンドリング スペチアーレ」を名乗るスペシャルバージョンが登場。その走りは従来モデルからどのように変わったのか? 跳ね馬の原産国、イタリアで確かめた。
-
トヨタ・ランドクルーザー“FJ”VX(4WD/6AT)【試乗記】 2026.10.7 新たにシリーズに加わった「ランドクルーザー“FJ”」は、ポップな見た目から簡易版のように思われるかもしれないが、その中身は紛れもなく本物であり、道なき道をグイグイと突き進む。これもまた「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」を体現する一台である。
-
NEW
日産キックスX e-4ORCE(前編)
2026.10.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「日産キックス」に試乗。デザインが新しいのはもちろんのこと、まさに下ろしたての最新のパワートレインを搭載。日産の大きな期待を背負ったコンパクトSUVである。箱根のワインディングロードでの印象を聞いた。 -
三菱eKクロスEV P(FWD)【試乗記】
2026.10.17試乗記三菱の軽乗用電気自動車(EV)「eKクロスEV」が、一部改良でデザインを刷新! 2022年発売の古参の一台は、台頭するライバルをどう迎え撃つのか? 最新モデルと比べても、キラリと光る魅力はあるのか? 軽EVのパイオニアが擁する一台の実力を確かめた。 -
写真で解説する「フィアット・グランデパンダ」
2026.10.16画像・写真ステランティスが「フィアットブランドの大きな柱のひとつとなる重要なモデル」と位置づける「グランデパンダ」が日本上陸。その具体的な見どころを、写真とともに解説する。 -
フィアット・グランデパンダ ハイブリッド ラプリマ(FF/6AT)【試乗記】
2026.10.16試乗記欧州を代表するコンパクトカーの一台である「フィアット・パンダ」が第4世代に進化。新たに「グランデパンダ」を名乗り、日本にやってきた。ずばり新型の見どころは車両の随所にちりばめられた初代モデルへのオマージュである。上位グレード「ラプリマ」の仕上がりをリポートする。 -
スズキの未来を徹底検証! 技術戦略説明会から“10年先のスズキの姿”を夢想する
2026.10.16デイリーコラム年間生産500万台で、Dセグメントまでカバーする巨大メーカーに!? スズキが発表した「10年先を見据えた技術戦略2026」を徹底検証。技術開発に製品開発、インドを核としたグローバル戦略などの中身を通して、「10年先のスズキの姿」を予想した。 -
賢い選択 ――キャデラック「LYRIQ」フラットプランのすゝめ――
2026.10.15投資家も太鼓判! 「キャデラック・リリック」×フラットプランという最適解<AD>クルマが変わり、時代も変われば“持ち方”だって変化する? お金のプロである投資家が、「キャデラック・リリック」の残価保証型リースを勧める理由とは? 夢の「2台持ち」をかなえる、最新電気自動車の賢い選び方を考えた。





























