マツダ・アテンザスポーツワゴン 23Z(4AT)【ブリーフテスト】
マツダ・アテンザスポーツワゴン 23Z(4AT) 2003.07.25 試乗記 ……286.7万円 総合評価……★★★★ カペラの後継として生まれ、スポーティさをウリとする「アテンザ」。トップグレードとして追加された「23Z」のスポーツワゴンに、自動車ジャーナリストの森口将之が乗った! |
マツダらしさ
マツダはまじめ。まじめというと某メーカーのコンパクトカーを思い浮かべるかもしれないが、いい走りを真剣に追求しているという点で、マツダは日本で1、2を争う存在だと思う。
昨2002年にデビューした「アテンザ」も、その期待を裏切ることはなかった。エンジンは、すこし前のマツダからは想像できないほど静かで滑らかに回る。高剛性ボディにしなやかに動くサスペンションを組み合わせたシャシーは、乗り心地と操縦安定性を高度に両立していた。でも、アテンザのなかに、そのよさをストレートにアピールするグレードがなかった。
今回追加された「23Z」は、その役目を与えられたモデル。エンジンは他の2.3リッターと同じだが、シャシーはかなり強化された。それでも快適性はほとんど損なわれず、あらゆる性能がレベルアップ。アテンザというクルマの懐の深さを実感した。そんなクルマのわりには見た目がおとなしいが、これもマツダらしさかもしれない。
|
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
マツダのミドルクラスとして長い間親しまれてきた「カペラ」に代わるモデルとして、2002年に発表されたのが「アテンザ」。ボディタイプは4ドアの「セダン」、5ドアの「スポーツ」、ステーションワゴンの「スポーツワゴン」の3種を用意。フォードグループ全体で使うために開発された、直列4気筒DOHC16バルブエンジンは、2リッターと2.3リッターがある。生産は日本だけでなくアメリカでも行われ、海外では「Mazda 6」の名前で販売される。
(グレード概要)
アテンザの2.3リッターは、セダンに「23E」、スポーツとスポーツワゴンには「23C」と「23S」がデビュー当初からラインナップされる。23Zは、スポーティグレードである23Sの性格をさらに研ぎ澄ませたモデルで、スポーツとスポーツワゴンに設定される。エアロパーツの追加などはない代わりに、18インチのホイール/タイヤ、大径ブレーキローターとレッドのキャリパーを装備。さらに専用チューンドサスペンションを組み込むなど、シャシーのバージョンアップが念入りなのがマツダらしい。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
キャビンはシック&クール。23Sではブラックとシルバーの2トーンだった本革巻きのステアリング/シフトレバー/パーキングブレーキレバーが、ブラックで統一されたことが効いている。アルミ製ペダルがそこにスポーティな彩りを添える。インパネを横に走る細いガーニッシュはカーボン調になったが、こちらはシルバーのまま残されたセンターパネルとのバランスがとれていない感じだった。
(前席)……★★★★
シートは前後とも、黒のレザーとスエード調クロスを組み合わせて、インパネ同様クールな雰囲気。形状は他のアテンザと同じだが、クッションは大きくて厚く、背もたれの張りも十分。短い試乗時間では、まったく不満をおぼえることはなかった。サイドサポートも優れていて、コーナーでもしっかりと体をホールドした。
(後席)……★★★★
ブラック基調のコーディネイトはフロントと同じ。ボディサイズに余裕があるため、2〜2.5リッタークラスのワゴンとしてはトップレベルの広さだ。しかも座面はフロアから高く、背もたれは必要以上に寝ていないので、きちっとした姿勢が取れる。クッションの厚みはほどほどだが、快適。ロングドライブでも疲れにくそうだ。
(荷室)……★★★★
けっこう広い。奥行きはほどほどだが、国産ワゴンとしては深さがあるので使いやすそう。横方向も1780mという車幅を十分に活かしていて、ホイールハウスの張り出しも小さめだ。荷室のレバーを引っ張るだけでリアシートが畳める「KARAKURIフォールド」はとても便利。背もたれが倒れると同時に座面が沈み、低くフラットに畳めるところにマツダのまじめさを感じる。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
FFモデル全車が「超ー低排出ガス車」の認定を取得したが、2.3リッター直列4気筒DOHC16バルブエンジンの、加速感やフィーリングは今までとほとんど同じ。大きめな4気筒とは思えない滑らかさ、2リッターとは別物のパンチ力は今でも魅力だ。トランスミッションは5段MTと4段ATが選べるが、ATに乗った限りでは、ギアが4段しかないことが不満。個人的にはMTをチョイスしたい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
固められたサスペンションに18インチホイール/タイヤというと、ガチガチの乗り心地を想像するところだが、実際は逆。自在に上下にストロークする足のおかげで、固めながらフラットで快適だ。それでいてステアリングの反応はあきらかにクイックになり、太いタイヤはコーナリングスピードを確実にアップしてくれている。ブレーキのすばらしさも特筆ものだ。
(写真=清水健太)
【テストデータ】
報告者:森口将之
テスト日:2003年7月10日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:--
タイヤ:(前)215/45R18(後)同じ(いずれもブリヂストン POTENZA RE050A)
オプション装備:--
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):山岳路(6)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

森口 将之
モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。ヒストリックカーから自動運転車まで、さらにはモーターサイクルに自転車、公共交通、そして道路と、モビリティーにまつわる全般を分け隔てなく取材し、さまざまなメディアを通して発信する。グッドデザイン賞の審査委員を長年務めている関係もあり、デザインへの造詣も深い。プライベートではフランスおよびフランス車をこよなく愛しており、現在の所有車はルノーの「アヴァンタイム」と「トゥインゴ」。
-
トヨタ・ランドクルーザー“FJ”VX(4WD/6AT)【試乗記】 2026.10.7 新たにシリーズに加わった「ランドクルーザー“FJ”」は、ポップな見た目から簡易版のように思われるかもしれないが、その中身は紛れもなく本物であり、道なき道をグイグイと突き進む。これもまた「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」を体現する一台である。
-
スバル・レヴォーグ レイバック プレミアムS:HEV EX(4WD/CVT)【試乗記】 2026.10.6 「スバル・レヴォーグ レイバック」にストロングハイブリッド搭載モデルが登場。高効率なパワーユニットが積まれたのはもちろんのこと、既存の純エンジン車とはデザインやボディーサイズも違っているというから興味深い。上位グレードの「プレミアムS:HEV EX」を試す。
-
アウディA6アバントTFSIクワトロ200kW(4WD/7AT)【試乗記】 2026.10.5 今も昔もアウディの中核を担うアッパーモデル「A6」。その最新世代の「アバント」に試乗した。堂々とした優雅なボディーに最新のハイブリッドシステムを搭載したステーションワゴンは、いかなる走りを見せてくれるのか。その実力をリポートする。
-
ホンダN-BOXカスタム ターボ コーディネートスタイル2トーン(FF/CVT)【試乗記】 2026.10.3 フロントグリルとメッキパーツの面積が大きくなって迫力が増した最新の「ホンダN-BOXカスタム ターボ」に試乗。マイナーチェンジで進化した内外装の仕上がりと、軽四輪車の販売で11年連続の首位を誇る“絶対王者”の走りを報告する。
-
日産エルグランドG e-4ORCE(4WD)【試乗記】 2026.9.30 日産のプレミアムミニバン「エルグランド」がフルモデルチェンジ。その動力を担う第3世代の「e-POWER」は優れたドライバビリティーとともに、懸案だった高速燃費の改善もうたう。ロングドライブで進化のほどを確かめた。
-
NEW
フェラーリ・プロサングエ ハンドリング スペチアーレ仕様(4WD/8AT)【海外試乗記】
2026.10.8試乗記フェラーリの4ドア4シーターモデル「プロサングエ」に、「ハンドリング スペチアーレ」を名乗るスペシャルバージョンが登場。その走りは従来モデルからどのように変わったのか? 跳ね馬の原産国、イタリアで確かめた。 -
NEW
「アプライドD」で何が変わった? スバルの「インプレッサ」と「クロストレック」の進化を探る
2026.10.8デイリーコラムスバルが「インプレッサ」と「クロストレック」の改良モデル「アプライドD」を発表した。モデルライフの折り返し地点となる今回の改良では、ラインナップの刷新がトピック。その内容とスバルの狙いを、スバリスト玉川ニコ氏が解説する。 -
“クルマづくりのプロ”の話をライブで配信! 「あの多田哲哉のクルマQ&A」公開収録のお知らせ
2026.10.7From Our Staff元トヨタの多田哲哉さんが、自動車に関するさまざまな疑問・質問に答える「あの多田哲哉のクルマQ&A」。その話がライブで聞けて質問もできる公開収録を、10月15日(木)の夜、19時半から実施します。 -
咆哮なき電気自動車「ジャガーTYPE 01(タイプ01)」に“ジャガーの魂”は宿るのか?
2026.10.7デイリーコラムいよいよ正式デビューを飾った、新生ジャガーのラグジュアリー4ドアGT「TYPE 01(タイプ01)」。いったいどんなクルマなのか、従来のファンも納得できる“ジャガーらしさ”はあるのか? 先行チェックした西川 淳がリポートする。 -
トヨタ・ランドクルーザー“FJ”VX(4WD/6AT)【試乗記】
2026.10.7試乗記新たにシリーズに加わった「ランドクルーザー“FJ”」は、ポップな見た目から簡易版のように思われるかもしれないが、その中身は紛れもなく本物であり、道なき道をグイグイと突き進む。これもまた「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」を体現する一台である。 -
第131回:新型三菱パジェロ(後編) ―レトロブームには頼らない? 最新のデザイントレンドを追求した三菱の思惑―
2026.10.7カーデザイン曼荼羅正式発表を間近に控え、ますますファンの間で話題が盛り上がっている新型「三菱パジェロ」。歴史的な旗艦の復活だというのに、三菱があえてレトロブームに乗らなかった理由とは? カーデザインの識者とともに、新型パジェロに見る最新のデザイントレンドを探る。














