「最適のオイルを選ぶには?」
2002.07.10 クルマ生活Q&A ガソリン・オイル「最適のオイルを選ぶには?」
トヨタ・カムリ・ルミエールGに乗っています。オイルを交換する際、メーカー純正のそれにしたほうが良いのでしょうか? (東京・THさん)
ホンダ・ビートに乗っています。小排気量の高回転型エンジンにはどれくらいの 粘度のオイルを使えばよいのでしょう? (MTさん)
お答えします。どちらも、メーカー純正のオイルを定期的に交換していれば間違いありません。クルマは、メーカー指定のオイルを使用した場合にカタログ通りの性能を発揮します。
また、ヨーロッパの自動車メーカーは、純正のほか様々なオイルメーカーのものをリコメンド(推奨)しています。それらのオイルを選べば、日本でいう「純正」オイルを使ったのと同じことになります。
「純正」もしくは「推奨」以外のオイルを使う場合は、グレード(粘度ではない)が、同等もしくはそれ以上のものを選びましょう。
一般に、オイルは粘度が高いものを使う方が、エンジン内部の金属同士の磨耗を防ぐことができます。ただ、一方で抵抗が大きくなり、燃費が悪化し、出力が低下します。
ビートのような小排気量のエンジンでは、ちょっとした抵抗でも走行性能に影響がでます。エンジンオイルは潤滑のためにエンジン内部を飛び回っています。ピストンやクランクシャフト、コンロッドなどが勢いよく動いているところにオイルが当たれば抵抗になるわけです。
性能のために指定より粘度の低いオイルを使うときは、グレードや性能がワンランク上のものを使うことをお薦めします。
なお、純正と同じ粘度表示(10W-30)や品質グレード(SHやSJ)でも、オイルメーカーによって特性が違いますから、クルマの走行性能にも変化がみられます。
高価なオイルは静粛性やエンジンの滑らかさに違いがあります。一度試してみてはいかがでしょうか。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。