コンパクトかつパワフルな新型GT-R登場
1999.01.11 自動車ニュースコンパクトかつパワフルな新型GT-R登場 (1/11)
日産自動車は「スカイラインGT-R」をフルモデルチェンジし1月8日に発売した。最大トルクを40kgmにまで高め、6段MTや18インチタイヤを採用している。
「R34型GT-R」は、千葉・幕張メッセで開催された「東京オートサロン」会場でお披露目となった。その開発コンセプトは「究極のドライビングプレジャー」。基本的には「R34型スカイラインクーペ」のボディを使い、エンジンやサスペンションなどのメカニズムは旧「R33型」のものを熟成させた設計になっている。
外観においては、「R34型」がベースとなっているため、旧型GT-Rとくらべて全長が75ミリ、ホイールベースが55ミリ短くなっている。ボディシェルは後半部やアンダーフロアなどを中心に補強され、「世界トップレベルの剛性を実現した」(日産)という。
エンジンは2.6リッター直6DOHCツインターボの「RB26DETT」型をリファインして搭載している。カムシャフトの変更や加給圧の向上などによって、最高出力は280psと数値こそ変わらないが、40kgm/4400rpmという最大トルクを得ている。さらに新開発のボールベアリングセラミックターボを採用したことで、レスポンスが向上しているという。
トランスミッションは独ゲトラグ社との共同開発による6段MTが採用された。従来の5段MTにおける1から4速を1から5速に分配したクロスレシオタイプだ。LSDにはヘリカルタイプを採用して、旋回時のトラクション向上とアクセルレスポンスの向上を図っている。なお「Vスペック」には従来同様にアクティブLSDを採用している。
ブレーキは「R33型」と同様に伊ブレンボ社製ディスクブレーキを4輪に採用している。フロントブレーキを冷却するためのエアダクトを設けたり、ドイツのユーリッド社製高ミューパッドを採用するなどして制動力を向上させた。タイヤは245/40ZR18のポテンザRE040。18インチの鍛造アルミホイールは1台あたり4キロの軽量化がなされた。
空力パーツについてみると、特徴的なリアウイングは角度調整機能付きの2段式となった。さらに「Vスペック」においては、車体下面の空気の流れを整えてダウンフォースを生み出すという「ディフューザー」がボディ下部の前後に装着されている。4輪マルチリンクサスペンションや電動スーパーHICAS、トルクスプリット4WDシステムのATTESA E-TSなど、「GT-R」伝統のメカニズムについても改良がなされている。
ボディカラーは、見る角度や光の加減で玉虫色に変化するという「ミッドナイトパープル2」(限定300台)ほか7色。価格はスタンダード仕様の499.8万円から、「スーパー耐久レース」参戦用のベース車である「VスペックN1」の599.8万円まで。販売目標台数は月500台となっている。
開発のまとめ役、渡邉衡三さんは発表のさいに「食は3代と申します。つまり味わいというものは一世代の才能や努力だけで生まれるものではなく、せめて3代くらいは続かないと本物の深みというものは出てこない。そういう意味で今度のGT-Rはよく出来たと思っています」というような意味のことを言っていた。その「乗り味」に期待したいものです。(Web CG スヤマ)
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