ホンダ・アヴァンシア ヌーベルバーグ(4AT)【ブリーフテスト】
ホンダ・アヴァンシア ヌーベルバーグ(4AT) 2001.12.12 試乗記 ……266.5万円総合評価……★★
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何をしちゃったの?
「“通”受けするクルマは売れない」の法則を絵に描いたようなモデルが、ホンダ・アヴァンシア。USアコードベースのモノボリューム風ワゴンボディによる広い室内を、「実用」ではなく「高級」に振ったコンセプトは斬新だったが、消費者にはさっぱり理解されず。販売不振を打開すべく、2001年9月6日に「スポーティエレガンス」なる言葉を掲げて登場したのが「ヌーベルバーグ」。2.3リッター直4モデルのみ。
フロントとリアにアンダースポイラー、サイドシルガーニッシュが装着されたシャコタンボディは、「CD値においては、ワゴン世界トップレベル」を達成したという。ドアを開ければ、「メタルビーティング(鍛金)調パネル」と黒いトリムを合わせたインテリアが、上品に「スポーティ」を演出。車高を15mm落とす専用サス、16インチホイールを履いた足まわりが締まった、しかし少々不自然な乗り心地を提供する。
車高を上げたヨンク版に続いて投入されたスポーティバージョン。上げたり下げたり。「それは違うだろう……」ということは百も承知で、わかりやすいグレードを加えなければならないのが、ジリ貧モデルの哀しさ。「Hondaはワゴンに何をしたか。」(カタログ)というより、アヴァンシアに何をしちゃったの?
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
アヴァンシアは、USアコードから派生した4ドアワゴン。ただし国内専売。デビューは1999年9月。ドライブトレインは、「2.3リッター直4+4AT」「3リッターV6+5AT」の2種類。いずれにも、FF、4WDモデルが用意される。2001年9月日にマイナーチェンジを受け、FF車の「L」と「V」グレードに、フロント、サイト、リアアンダースポイラ−が標準装備され、全車に木目調インパネとセンターパネルが採用されるなどした。
(グレード概要)
「ヌーベルバーグ」は、2001年9月6日に追加設定された、スポーティバージョン。パワートレインは2.3リッター直4DOHC16バルブ(150ps/5800rpm、21.0kgm/4800rpm)に4ATの組み合わせ。駆動方式はFFのみ。
「エレガンス&ダイナミズム」がコンセプトのヌーベルバーグは、15mmシャコタン化され、専用チューンが施されたサスペンションを装備し、ストラットタワーバーなどを採用してボディ剛性を向上、専用アルミホイールに205/55R16とややロープロファイルなタイヤをはく。外装は、専用色「ミラノレッド」と「レイズンモーブ・パール」が設定され、フロント、サイド、リアアンダースポイラーが専用デザインとなった。内装では、専用ブラック内装色、メタル調センターパネル/ドアパネル/シフトノブなどを採用。シート素材や形状を見なおして、外観との統一をはかったという。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネまわり+装備)……★★★
インパネシフトと足踏み式パーキングブレーキ採用による、足もと左右の広々は維持したまま、黒基調のインテリアで室内を引き締めた感。パンチングレザーを巻いたステアリングホイールが奢られる。メタルビーティング調パネルと組み合わせたバックスキン調のファブリックトリムは斬新だが、ホコリが目立ちやすいかも。コストゆえか、アルカンタラを使えないのがツラいところ。
(前席)……★★★
ヌーベルバーグ専用のレザーとファブリックのコンビネーションシート。座面はやや短いが、適度なクッション感があって座り心地はよい。運転席側は、2つのダイヤルで座面角度を調整可能。スポーティな雰囲気はあるが、コーナリング時のホールド性は期待できない。スポーティ版ながら、左右シート間に大型アームレストと大きな折り畳み式サイドテーブルが備わる。
(後席)……★★★★
足もと、頭上とも文句ないスペース。はるか後まで伸びたルーフが夏場はありがたかろう、というより、そのためにワゴンボディをまとった贅沢さ。「Gパッケージ」を選択すると、座面が最大70mmスライド、あわせて背もたれがリクライニングされる「2ウェイラウンジシート」が設定される。センターアームレストはもちろん、座面中央部に格納式のリアテーブルを備える。Bピラーには後席用エアコン吹き出し口あり。唯一の欠点は、ヘッドレストがバックレスト埋め込み式で貧相だということ。
(荷室)……★★★
ボディのわりに小さなハッチを開けると、奥行き十分なラゲッジルーム。さらに後席は分割可倒式。左右のストラットタワーの張り出しが気になるが、4個のゴルフバッグが積めるという。2段階に折れるリアシェルフで、荷物の出し入れに配慮した。テスト車はGパッケージモデルなので、クォーターおよびリアガラスが濃色タイプになる。アクセサリーソケット(DC12V)あり。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
ヌーベルバーグのドライブトレインは、「2.3リッター直4+4段AT」というコンベンショナルなもの。150psの最高出力と、21.0kgmの最大トルクは、ノーマルモデルと変わらない。インライン4らしいビートのあるいいエンジンだ。アヴァンシア、本来なら大きなボディを4気筒で走らせるところにインテリジェンスを感じるのだが、ヌーベルバーグに乗ると、なぜかココロの奥に「モア、パワー!」の声を聞く。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
専用ロウダウンサアペンションは、ダンパー、スプリング、アンチロールバーにチューンを受け、FFベーシックモデルより1インチ大きな16インチホイールを履く。フロントにストラットバー、リアにパフォマンスロッドを入れ、ボディ剛性の向上にも配慮された。ドライブすると、正直に締まった乗り心地、ロールも抑えられるが、ヌーベルバーグのドライビングフィールを好むヒトが「スポーティエレガンスワゴン」を買うかどうかは別問題である。ステアリングには、VGR(可変ステアリングギアレシオ)が搭載される。
(写真=清水健太)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年12月10日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:5938km
タイヤ:(前)205/55R16 89V/(後)同じ(いずれもヨコハマAdvan A-460)
オプション装備:ホンダナビゲーションシステム+サイドエアバッグシステム+プレミアムオーディオ+リアモニター+Gパッケージ(リア2ウェイラウンドシート+リアシートテーブル/リアシートボックス+運転席&助手席シートバックグリップ+プライバシーガラス)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(6)
テスト距離:567.3km
使用燃料:72.8リッター
参考燃費:7.8km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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