第56回「アウディA3セダン」&「フォルクスワーゲン・ゴルフ」(後編)
2014.07.04 水野和敏的視点数値化されない部分に“本気”が宿る
前回に引き続き、「アウディA3セダン」を取り上げます。テスト車は、「1.4 TFSIシリンダーオンデマンド(COD)」。気筒休止システム付きの1.4リッター直4ターボエンジンを搭載したモデルです。
前回は、このエンジンについて、スロットル操作に対する間の取り方(遅れ)とトルクの出方が、質感の演出のためか微妙であるという話をしました。また、サスペンションのセッティングは見事だという話もしました。いわゆるスポーティーな足まわりではありませんが、前後のバランスがよく、ちょっと“攻めて”みても危なげない。路面からの情報をドライバーに的確に伝えつつ、乗り心地にも配慮されている。これは、開発ドライバーを褒めるべきでしょう。
エンジンのトルクレスポンスやサスペンションの前後バランスなど、カタログの数値に表れない部分に至るまで、アウディは質感というものに本気で取り組んでいるのがわかります。よく言われる内装の素晴らしさも、そのひとつ。A3セダンのインテリアはつや消し黒一色でまとめられていますが、設計と作り込みが一体となって、他社より数段上のクオリティーを実現しています。
それはトランクを開けてみても同じ。アウディが本気で質感にこだわっていることが、ガンガン伝わってきます。防音や吸音、振動対策を万全にして、トランクルームからのノイズがCピラーなどを伝わって天井で響く「ドラミング現象」を防いでいます。トランクリッドの建て付けもいい。剛性が高く、動きもスムーズ。ヒンジには、贅沢(ぜいたく)にもダンパーをおごっています。こうした部分は、より高価な「メルセデス・ベンツCクラス」や「BMW 3シリーズ」より、むしろ上をいっていると思います。繰り返しになりますが、アウディの、クオリティーにかける意気込みがとても強く伝わってきます。
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