「メルセデスの1本ワイパーはなぜなくなった?」

2011.09.03 クルマ生活Q&A 松本 英雄 その他
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「メルセデスの1本ワイパーはなぜなくなった?」

かつてメルセデス・ベンツには、ワイパーアームが1本だった時代がありましたよね。初めてあれを見たとき、アームが伸縮して隅々まで拭き取ることのできる画期的な発明だ! と感心したのですが、最近のモデルでは採用されてないようです。現在の2本ワイパーのほうが払拭面積が広いのでしょうか? それとも1本ワイパーにはなにか欠点でもあったのでしょうか?

お答えします。「パノラマワイパー」と呼ばれたメルセデスの1本アームのワイパーは、アームの回転軸に備えたリンク機構によって、当時の2本ワイパーを上回る払拭面積を確保していました。メルセデス自身によれば、現在の2本ワイパーは「パノラマワイパー」と同じリンク機構を助手席側のアームに備えることによって、「パノラマワイパー」より広い払拭面積を実現しているそうです。
個人的な見解を付け加えますと、1本ワイパーはアームが長い分、アームの剛性が下がります。また振れ幅が大きく、重量もあるだけにワイパーモーターへの負担も大きくなります。以上のようなことから、耐久性については2本ワイパーより不利だったのではないかと思います。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。