BMWアルピナD4ビターボ クーペ(後編)
2019.03.14 谷口信輝の新車試乗 レーシングドライバー谷口信輝が、「BMWアルピナD4ビターボ クーペ」に試乗。700Nmもの最大トルクを発生する高性能クーペといえど、“惜しいところ”があるという。その懸念点とは何なのか?ポイントは差動装置
まずはアルピナの歴史を振り返るところから始まった「谷口信輝の新車試乗――BMWアルピナD4ビターボ クーペ編」。その後編では、いつものとおり箱根のワインディングロードで試乗した印象を詳しく語ってもらうことにしよう。
「ディーゼルにしては回転フィールが滑らかだし、いかにもディーゼルらしく低回転域からモリモリとトルクが湧いてきますね。でも、エンジンのパワーとトルクがすごいのに、ディファレンシャルギアがオープンだから、コーナリング中にパワーをかけるとリアの内輪がものすごい勢いで“内かき”する。つまり、せっかくのパワーが効率よく路面に伝えられていないんです。おかげで、そういう走りをすると電子デバイスが効きっぱなしになっちゃう。これだけパワーとトルクがあるのなら、最低でもビスカスカップリングかトルセンを使ったリミテッドスリップデフを搭載しないと、せっかくのトルクが生かされませんよ」
うーん、なるほど、そこか。実はアルピナ自身もそのことは気がついているようで、D4ビターボにもオプションでリミテッドスリップデフを用意している。もっとも、20年ほど前に創業者のブルカルト・ボーフェンジーペンをインタビューしたことのある私は、彼らが目指しているのはあくまでも「ハイパフォーマンスなラグジュアリーモデル」であって、「パフォーマンスを徹底追求したスポーツモデル」ではないことを知っている。リミテッドスリップデフを標準装備ではなく、あえてオプション設定としたのも、そうした背景があるからのように思えて仕方がない。
では、アルピナ自慢の乗り心地はどうだったのか? ちなみに試乗車は「ミシュラン・パイロットスポーツ2」(前:245/35ZR19、後:265/35ZR19)を装着していた。
「乗り心地は悪くないですよ。そんなにガチガチに固められているわけではないので。でもね……」
でも、なんだったのだろうか?
「足の動き方にどこか古さを感じちゃうんですよね。
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