アストンマーティン・ヴァンテージ(後編)
2019.05.23 谷口信輝の新車試乗 レーシングドライバー谷口信輝が、最新の「アストンマーティン・ヴァンテージ」に試乗。多くのスポーツカーを知るプロが、その走りを「もっと割り切りが必要」などと評価するのはなぜなのか?納得のいかない硬さ
雨が降る一般道でアストンマーティン・ヴァンテージを走らせる谷口信輝。その乗り心地について気がついたことがあったようだ。
「ちょっと乗り心地が硬めですよね。それも、なんだかずっと揺れ続けている感じ。路面からガツンと突き上げられたショックはうまく吸収してくれるんだけれど、この乗り心地だと、クルマのなかで熱いコーヒーを飲むのは難しそうですね」
谷口がクルマのなかでコーヒーを飲むシーンを想定するとは珍しい。いったい、どうしたのか?
「だって、アストンマーティンってやっぱりかっこいいじゃないですか。このシルエットもすてきだし、やっぱり都会で乗って映えるスポーツカーだと思いますよ。それも、ちょっと気品が漂うというか、やっぱりイギリス的ですしイギリス人貴族的ですよね。そういう意味では女性をエレガントにエスコートするのが似合いそうですが、そのイメージにこの乗り心地はマッチしない。もうちょっと上品にしないと……」
ほほー、谷口はそんなふうに受け止めていたのか。なるほど、同じアストンマーティンでも「DB11」はそんな使い方が似合いそうだが、2シーターのヴァンテージはもっと硬派でサーキット向き。そんなダイナミックな走りにあわせて、ゴムブッシュを介することなくリアサブフレームをボディーに固定する形式が誕生したのだ。したがって、乗り心地がよくないのもある程度までは仕方がないといえる。
「へー、リアサブフレームをダイレクトマウントしているんですか。それはずいぶん本格的ですね。でも、このクルマでサーキット走行する人、本当にいるのかなあ?」
私はヴァンテージの国際試乗会に参加したが、試乗コースにはポルトガルのアルガルヴェサーキットも含まれていたので、メーカーとしてはサーキット走行も視野に入れて開発しているはずだ。
「ふーん、そうだったんですか。だとしたら、トラクションコントロールが完全にオフにできないのが理解できないなあ」と谷口。
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