アストンマーティンDBX(前編)

2021.01.21 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 レーシングドライバー谷口信輝が今回試乗したのは、アストンマーティンが開発した高性能SUV「DBX」。そのステアリングを握った走りのプロには、どこか気がかりなところがあるようだが……?
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同じエンジンでもずいぶん違う

「ハンドル、あんまり切れないですね」

アストンマーティン初のSUVに箱根のワインディングロードで試乗した谷口信輝が、最初に発した言葉がこれだった。
「1時間15分くらいしか切れない」

これは谷口流の言い方で、片側にステアリングを切り込んでいったときに1回転と4分の1しか回らなかったという意味だ。
「だから、Uターンするにはちょっと不便ですね」

うーん、なんとも歯切れの悪い言葉。この時点では、谷口がDBXにほれ込んでいないのは明らかなように思えた。
「エンジンの排気量は何リッターですか?」

この日は、DBXの前に同じアストンマーティンの「ヴァンテージ ロードスター」に試乗してもらっていたのだが、基本的にはそちらと同じメルセデスAMG製の4リッターV8エンジンを積んでいると伝えると、「へー、そうですか、だいぶ雰囲気が違いますね」と谷口は応えたのである。
「なんか、こっちのほうがエンジンの感触が現代的な感じがします。ピックアップもいいんですが、その反面、ちょっとじれったいところもありますね」

ほほー、それはどういう意味なのか?
「このエンジン、3000rpmから上ではすごいパワー感が出てくるんですが、普通の人はそこまでなかなか回さないんじゃないですか? だから、じれったく感じる。だったら、このエンジンの高回転側のパワーも、別に要らないじゃんという話になりかねません。なんか、さっき乗ったヴァンテージのほうがもっと下からパワーが出てきたような気がします」

 
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