フォルクスワーゲン・ポロTSIスタイル(後編)
2022.09.08 あの多田哲哉の自動車放談 ドイツらしい質実剛健なクルマとして知られるフォルクスワーゲン。その売れ筋コンパクトカーである「ポロ」の最新型は、トヨタで車両開発を取りまとめてきた多田哲哉さんの目にどう映る?真価と進化が見える
いかにも満足げな笑顔でポロのドアを開けた多田さんは「例えば、インテリアは部品の見切りでコストが大きく左右されます」と切り出した。多田さんの言う“見切り”とは部品がどのくらいの大きさで分割されているか……という意味だ。
「どんなにいいデザインでも、デザイナーの言うことをただ聞くのではなく、うまくコスト管理しながら造形しなければいけません。でも、そのせいでお客さんの目に安っぽく見えてしまっては、それは本末転倒です。つまり、そこがエンジニアの腕の見せどころで、ポロのインテリアはその典型です」
「手っ取り早く質感を上げたいなら、革や加飾パネルを張ればいいのですが、そういう手法は単純にお金がかかります。でもポロはそういう単純なやり方ではなく、樹脂そのものの質感を上げています。しかもパーツ点数は少なく、金型から抜きやすい形状にする工夫が見られます。樹脂成形部品は型抜きがしやすい形状か否かだけでも、コストはずいぶん違ってくるんです」
「エアコンのタッチパネルもこれだけ見ると凝っているように見えますが、これもフォルクスワーゲン全体で標準化して、多くのモデルで共用してコストを下げているのではないでしょうか」
インテリアのコストは単純にソフトパッドか硬いプラか、ファブリックかレザーか……といった単純なもので決まるのではない。部品点数を少なくすれば、コストが下げられるだけでなく、やり方によっては逆に高級感も演出できる。奥が深い。
「ただ、これで走りにコストのシワ寄せがきていたりしたらガッカリですが、そんなこともまったくありません。ゴルフ7で花開いた路線を正常に進化させています。ポロの車格でこれだけ“きれい”に走るクルマも珍しいと思います」と多田さんは評するが、ここで言う「きれい」な走りとはどんな走りなのだろうか。
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