フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/6MT)
マニア心をくすぐる 2015.09.16 試乗記 フォルクスワーゲンのホットハッチ「ポロGTI」に新設定された、6段MTモデルに試乗。先にラインナップされていたAT車とのちがいをチェックしつつ、その走りや乗り心地、燃費などを項目ごとにリポートする。【総評】楽しくも、悩ましい……★★★☆☆<3>
すでに販売中のポロGTIの変速機が、2ペダル7段ツインクラッチ(7DSG)から3ペダルの6段MTに変わっただけ……と思ったら、さにあらず。
実際には最大トルクが32.6kgm(7DSG車は25.5kgm)へと大幅アップ(そもそもは7DSGの許容トルクが小さめなのが理由らしい)となったほか、ダンパー減衰力その他を切り替えられる「スポーツセレクト」も7DSG車に先がけて搭載。ちなみに現在は7DSG車にも同装備が標準となっている。
トルクがここまで増えると、なるほど加速感は7DSG車とは明確にちがう。まるでパチンコ玉のごとき、はじけるようなピックアップだ。ポロGTIの新たな売りとなった「スポーツセレクト」は、スロットル特性、ステアリングアシスト、ダンパー減衰力をまとめて切り替える機構だが、なかでも減衰力切り替え機能は、ちょっとした自動車工学的なお勉強にもなって楽しい。
筆者個人も、MT以外のクルマを一度も購入したことのないMT原理主義者なので、シフトレバーをこねくり回すだけで素直に楽しい。ただ、ポロの6MTはDSGより1段少なく、しかもギアリングがハイギアード寄りなので、総合的な動力性能の小気味よさでは、7DSGに軍配があがる。実際にMTとDSGのどちらかを選ぼうとすると、なんとも悩ましい。
<編集部注>各項目の採点は5点(★★★★★)が満点です。