ルノー・カングー ヴァリエテ/グラン カングー
2023.11.03 画像・写真2023年10月15日に、山梨県・山中湖村の「山中湖交流プラザ きらら」で開催されたルノー・ジャポンの公式ファンイベント「ルノー カングージャンボリー2023」。同イベントでは、新タイプの「カングー」を発表するサプライズが恒例となっているが、驚くべきことに、今年は2台のカングーが披露され、ファンを驚かせた。
ひとつは、新型カングー導入記念限定車「プルミエールエディション」に続く限定車第2弾「ヴァリエテ」だ。車名の意味は“多様性”で、欧州でプロフェッショナルの相棒として活躍するカングーの姿をイメージしたもの。カタログモデル「クレアティフ」のガソリン車をベースに、専用色「グリ アーバン」をまとい、便利機能としてルーフボックスの追加などで積載能力を高められる「マルチルーフレール」や、置くだけでスマホなどの充電が可能なワイヤレスチャージャーを特別装備している。
2代目カングーで定番となった人気の黒バンパー仕様だが、3代目ではカタログモデルでそれを選べるのは、ボディーカラーが白色の「ブラン ミネラル」か、黄色の「ジョン アグリュム」の場合のみ。またバンパーとボディーカラーが同色となる「インテンス」にもグレー系のカラーリングはない。これまで新型カングーでは選べなかったカラーリングが用意されたことは、ファンにとって朗報だろう。
200台限定でお値段は419万円と、ベース車より少しお高いのは悩みどころだが、2023年11月19日までの購入申し込み後に抽選販売となるので、まだ検討の時間は残されている。気になる人は情報収集に努めよう。激シブのグレーボディーと黒バンパーの組み合わせは、アウトドア派のギアとしても映えるだろうし、カスタムベースとしても面白そうだ。
もうひとつのカングーは、フランス本社チームの来日に際して“ファンへのプレゼント”として用意されたもの。2023年9月にドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティー」で世界初公開されたばかりのロングボディー仕様「グラン カングー」である。これが日本初披露なのはもちろんのこと、さらに驚くべきは、日本導入がルノーのハインツ・ユルゲン・レーヴLCV部門上席副社長から明言されたこと。本国でも2024年から納車開始となるだけに、日本導入はそれ以降のことだろうが、これはビッグニュースといえよう。
全長が5mに迫る巨大なグラン カングーだが、ロングホイールベース化に合わせて専用の大型スライドドアを採用。機能性を高めつつ、デザイン性のよさも追求しているため、見た目のバランスもいい。またグラン カングーでは、2列目シートと3列目シートにスライド機構を与えるとともに、後席ほど着座位置が高くなるシアターレイアウトを採用。どの席でも快適な移動が楽しめるように工夫されている。
現行型カングーの特徴について、ルノー本社の担当者は「カングーは、欧州でクラスナンバーワンの人気を誇る。乗用にもビジネスにも愛用してもらえるよう、どのシートでも大人が快適に移動できるようにつくり込んでいる。新型ではより大型な『エスパス』のプラットフォームを採用し、先進運転支援システムもクラストップレベルの性能を追求するなど、よりロングドライブで快適なモデルを目指した」と解説していた。
グラン カングーの詳細については検討段階なので、明言できることは一切ないとのことだったが、日本仕様のカングーの特徴となっているダブルバックドアになる可能性もあるようなので、続報に注目したい。
さらにレーヴ上級副社長は、もうひとつサプライズを用意。それはMT仕様の設定だ。こちらについても、はっきりと日本への導入を宣言。それが標準車なのかグラン カングーなのかは明言が避けられたが、安田大サーカスの団長安田さんの「グラン カングーが欲しいが、MTはない?」との質問に対し、レーヴ上級副社長は、「あなたが購入を決断してくれるならば、導入しましょう」というジョークを飛ばしていたことからも、どちらの仕様でも選択できる可能性はありそうだ。もちろん、導入時期を含めてそれ以上の情報はないので、こちらも続報が待ち遠しいばかりだ。
注目の2台のカングーについて、その特徴を写真で紹介していこう。
(文と写真=大音安弘)
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1/28あいにくの悪天候に見舞われた「ルノー カングージャンボリー2023」だが、会場ではファン仰天のビッグサプライズが用意されていた。それが2023年9月の「IAAモビリティー」で世界初公開されたばかりの、7人乗りロングボディー「グラン カングー」の日本初披露だ。
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2/28来場者が注目するなか、ゆっくりとステージの上に姿を現す新型「ルノー・グラン カングー」。
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3/28現行型「ルノー・カングー」をベースに開発された3世代目の「グラン カングー」は、全長だけでなくホイールベースも拡大されているため、迫力満点。展示車は「IAAモビリティー」で世界初公開された車両そのものだという。
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4/28自身も「カングー」のオーナーである安田大サーカスの団長安田さん(写真中央左)は、広々キャビンの「グラン カングー」に興味津々。家族とのドライブだけでなく、趣味の自転車のトランスポーターとしてもカングーを活用しているだけに、フランスの開発チームに、グラン カングーについてユーザー目線でさまざまな質問をぶつけていた。
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5/28ステージでの車両紹介中に、「クツを脱ぐので、乗車してもいいですか」と切り出した安田さん。早速、現行のモデルにはない3列目シートのアクセス性や空間の広さをチェック。そのゆとりある空間とシートアレンジの多彩さに驚き、「欲しい」を連発していた。その結果、ルノーのハインツ・ユルゲン・レーヴLCV部門上席副社長(写真向かって右)から“購入宣言”を迫られることに……。
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6/28「ルノー・グラン カングー」のリアスタイル。展示車は普通のテールゲート仕様だが、もちろんダブルバックドア仕様もある。参加者の反応のよさを見て、フランスのカングー担当者が参加者たちに「どっちの後部ドア仕様が欲しいですか?」と尋ねるシーンも……。
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7/28テールゲートと左右スライドドアを開けた状態の「ルノー・グラン カングー」。スライドドアも開口幅830mmと大型化されており、乗降性が向上している。
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8/28クローム装飾の使用範囲を拡大し、より豪華さが増したフロントマスク。巨大な「グラン カングー」には、重厚感のあるこの顔つきがよく似合う。
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9/28足もとを飾る17インチのアルミホイール。日本仕様は全車“鉄チンホイール”なので、ちょっと気になる装備だ。展示車のタイヤは205/55R17サイズの「コンチネンタル・エココンタクト6」だった。
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10/28全長の拡大で伸びやかなスタイルとなった「ルノー・グラン カングー」。気になるボディーサイズは、標準車と比較すると、全長が+420mmの4910mm、ホイールベースが+295mmの3010mmとなっている。
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11/28「IAAモビリティー」の展示車そのものを持ってきたので、ハンドル位置は左。インストゥルメントパネルにはブラウンの木目調パネルが貼られていたが、もちろん、現時点で日本仕様がどうなるかは未定だ。
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12/28メーターパネルもチェック。タコメーターから推測すると、ガソリン車のようだ。新型「ルノー・カングー」の欧州仕様には、ガソリン車に加え、ディーゼル車と電気自動車も設定されている。
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13/28「ルノー・グラン カングー」のフロントシート。基本的には、標準車の「カングー」と同様のつくりのようだ。
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14/28「グラン カングー」の2列目シートは、標準車とはつくりが異なる。3座独立式となっており、それぞれに個別に可倒機能とスライド機構が備わるのだ。また3列目シートへのアクセス性を高めるべく、前倒し機能も備えられており、取り外しも可能となっている。
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15/283列目シートは完全な左右独立式。スライドドア以降もボディーが延長されているため、着座時のレッグスペースにも余裕がある。機能については2列目シートと同様で、スライド機構や可倒機構、着脱機構が備わる。座面や背もたれも肉厚なので、ロングドライブも快適そうだ。また「グラン カングー」では、後席ほど着座位置が高くなるシアター方式のシートレイアウトを採用。これには、後席における車酔い防止の効果もあるという。
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16/282列目シートのアレンジの様子。左側(手前)は最もコンパクトに座席を畳んだ状態、中央はバックレストのみを倒した状態だ。ちなみに「グラン カングー」にも助手席可倒機能は備わっており、最大で3110mmの長尺物を収めることができるという。
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17/287人乗車時のラゲッジスペースの様子。荷室容量は「通常状態で500リッター」とのことで、3列目シートを取り外すと840リッターに拡大する。最大積載容量は実に3750リッター。 シートはなんと1024通りもの多彩なアレンジを持つという。
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18/28「ルノー カングージャンボリー」視察のために来日したルノー軽商用車部門担当のハインツ・ユルゲン・レーヴ上級副社長(写真向かって左)と、ルノー・ジャポンの小川隼平代表取締役社長(同右)。フランスからは他のルノー関係者やメディアも来日しており、会場の視察や取材を行っていた。
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19/28「ルノー・カングー」に携わるLCV部門セールス&マーケティング ダイレクターのティエリー・プランテジュネさん(写真向かって左)と、ルノー・カングー プロダクトマネジャーのフローラン・ピシュロさん(同右)。「1万km離れたフランスにも皆さんのカングーへの思いは伝わっているが、それを肌で感じることができ、心が温かくなった」と感謝の気持ちを示した。
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20/28こちらもファンへのサプライズとして、「カングージャンボリー」でお披露目された限定車「ヴァリエテ」。プロフェッショナルのギアを思わせる“黒バンパー×シブいグレー”のコーディネートがポイント。販売は限定200台で、価格は419万円だ。
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21/28「ルノー・カングー」の限定車「ヴァリエテ」は、黒バンパー仕様のカタログモデル「クレアティフ」をベースに、専用色となるグレーのボディーカラー「グリ アーバン」を採用したもの。
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22/28「ヴァリエテ」のボディーカラー「グリ アーバン」は、2代目「カングー」の最終限定車「リミテッド ディーゼルMT」に採用されたものと同じ色だ。
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23/28運転席まわりでは、シフトセレクターの下にある収納部にスマートフォンのワイヤレスチャージャーを採用。カタログモデルでは非設定となる、「ヴァリエテ」の専用アイテムだ。
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24/28インテリアの仕立てはカタログモデルと共通。シートはファブリックとフェイクレザーのコンビ仕様だ。
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25/28限定車「ヴァリエテ」のパワーユニットはガソリンエンジンのみ。最高出力131PS、最大トルク240N・mの1.3リッター直4ターボで、7段DCTと組み合わされる。ルノー最新の主力パワートレインなので、静粛性や燃費にも優れる。
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26/28限定車「ヴァリエテ」の特別装備となる「マルチルーフバー」。レールの一部を90°回転させることでクロスバー仕様にもなり、アタッチメントとの組み合わせで多彩な使い方が可能となる優れものだ。
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27/28「ヴァリエテ」のベースとなるのは「クレアティフ」だが、足もとには「インテンス」仕様のフルホイールキャップが標準で装備される。ただし展示車のように、ブラック塗装のスチールホイールをディーラーオプションのハーフセンターキャップと組み合わせるのもオススメだ。
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28/28ルノー・ジャポンでは限定車「ルノー・カングー ヴァリエテ」の発売を記念して、米国のシューズ&アパレルブランド「Danner」とのコラボレーションも実施。写真はオリジナルのワークブーツで、さらに「Danner」のロゴとコーポレートカラーを用いたKABANA製オリジナルシートカバーも製作されるという。いずれも期間限定の受注生産となるので、興味がある方はルノー・ジャポン公式サイトでご確認を……。