トヨタ・クラウン スポーツRS(後編)

2024.07.25 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 レーシングドライバー谷口信輝が、スポーティーなキャラクターのPHEV「トヨタ・クラウン スポーツRS」に試乗。新世代クラウンのなかでも斬新なこのクルマの仕上がりを、プロはどう見る?
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慣れる必要がないのがいい

いつものワインディングロードでクラウン スポーツRSに試乗した谷口信輝。その前半では、主にパワートレインについて語ってもらったが、ハンドリングはどうなのだろうか?
「変なクセがまったくありませんね。ただ、僕が言う『クセがない』は、『味がなくて退屈』という意味ではありません。このクラウン スポーツにはちゃんといい乗り味があって、運転していてすごく満足感があります」

「それと、このクルマに慣れる必要がないというのも、いいところだと思います」

それは、いったいどういう意味なのか。
「例えば、普通のクルマはステアリングを切ってから実際にクルマが反応し始めるまで、ちょっと時間がかかる。これを僕はタイムラグとかラグとか呼んでいますが、同じことはブレーキペダルでもアクセルペダルでも起きます。だから、ドライバーはスムーズに運転しようとすると、このラグをあらかじめ折り込んで操作しないといけない。つまり、クルマに慣れないとスムーズに運転できないんです」

ところがクラウン スポーツは慣れるまでに必要な時間が極端に短いという。
「このクルマはラグがないから慣れるのに時間がかからない。すぐになじむ。しかも、決してピーキーな特性ではなく、まるで自分の体を動かすみたいな感覚で運転できる。これがクラウン スポーツのいいところだと思います。もっとも、これはこのクルマに限らず、最近のトヨタ車全般にいえることですよね」

それを実現するには、どんなクルマづくりが必要になるのか。
「例えば剛性の高いボディーをつくる。それもボディー単体だけじゃなく、駆動系のシャフト類、サスペンションのアーム類、タイヤなどの剛性もしっかり高める。言いかえれば、クルマの素材としてはピーキーな特性になるものを使っているけれど、クルマの味つけはピーキーじゃない方向にする。そうすることで、こういうクルマが出来上がるんだと思います」

さらにいえば、谷口が常々指摘してきた「目盛りがそろっている」ことも重要なポイントとなる。これは、ドライバーの操作量と、それに対するクルマの反応が常に一定でリニアリティーが高く、また微妙な操作にも的確に反応することを意味している。
「はい、このクラウン スポーツも、そこはしっかりつくり込まれています」

 
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