ホンダWR-V Z+(後編)
2024.08.08 あの多田哲哉の自動車放談 元トヨタの多田哲哉さんが今回試乗したのは、タフなデザインをまとうホンダの新型SUV「WR-V」。開発・生産とも海外の拠点で行われる同モデルの仕上がりを見て、車両開発のプロはどんなことを思うのか?品質管理も過ぎたるは……
WR-Vはその内容のわりに、手ごろな価格が自慢のコンパクトSUVである。その魅力的な価格設定が実現した背景には、WR-Vがインドで生産されることも大きい。
ホンダに限らず、日本の自動車メーカーは世界中に生産工場を抱えているが、国内向けの大半は、いまだに日本国内生産である。ホンダのインド工場も設立から約30年が経過するが、インドから輸入されるホンダ四輪車は今回のWR-Vが初めてだ。
そんなWR-Vについて、多田さんは「為替リスクを考えても、日本製にこだわるよりも、開発や生産体制をグローバルで構築したほうが絶対に有利です。WR-Vも、ホンダという会社のいろいろな事情を背負って、その切り込み隊長としてつくられたのでしょう。その意味では、このクルマは、損をしていいわけではないでしょうが、ホンダとしてはわずかでも利益が出れば十分と考えているかもしれません」と語る。
海外生産の日本車というと、日本人がどうしても気になるのがビルドクオリティーだ。実際、今回のWR-Vも、例えばボンネットを開けた時のボディーパネルのエッジなどに鋭いまま残っている部分もなくはない。……と指摘した編集部に対して、多田さんは「そういう些末(さまつ)な部分を気にして、いちいち批判するのが日本人というか、日本のメディアの悪いクセです」と言い切る。
「海外の多くでは『そもそも、こんなところを素手で触るほうが悪い』という考えが主流ですが、日本だとすべての部分のエッジを丸めて、さらに場合によってはカバーを付けたりします。トヨタなどの日本メーカーには、それこそシート裏の誰も手が届かないようなところまで『触ると痛い、それでは危ない』と専門にチェックする人間もいます」
日本車のそうした細かいつくり込みが世界で評価されてきたわけだが、多田さんによれば、それが足かせにもなっていると語る。
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