フェラーリ・プロサングエ(後編)
2024.09.19 谷口信輝の新車試乗 4ドアのニューモデル「プロサングエ」に、フェラーリならではのよさはあるのか? 従来の跳ね馬との走りの違いも含め、レーシングドライバー谷口信輝に語ってもらった。こんなクルマはめったにない
フェラーリ初の4ドア・4シートモデルであるプロサングエを箱根のワインディングロードでテストした谷口信輝。試乗前はエアコンの調整に手間取ったり、フェラーリにしてはエンジン音が控えめなことが気になっていたようだが、いざ走り始めてみれば、マラネロ製V12エンジンのスムーズな吹け上がりと甘美なサウンドに魅了されたようで、いつも以上にシフトダウンやシフトアップを繰り返していた。
いや、いまにして思えば、こういった試乗の際、ギアボックスはオートマチックモードで走らせるのが谷口の流儀。マニュアルでシフトしていること自体が異例といっていい。裏を返せば、マニュアルでシフトしたときの刺激に谷口は魅了されていたのだろう。
「このクルマ、すごいですね。だって、マニュアルでシフトダウンしたとき、ここまで高回転域を受け付けてくれるクルマは、スーパースポーツカーでもめったにありませんよ」
プロサングエの最高許容回転数は8250rpm。そのギリギリのところまでシフトダウンを受け付ける設定もすごいが、そのときに自然吸気V12エンジンが歌い上げるサウンドが、また素晴らしい。これについては谷口も同感だったらしく、私が「クルマ好きにはたまらない魅力ですよね?」と問いかけたところ、「本当に。この楽しさだけでフェラーリが欲しくなっちゃう人も、きっといるでしょうね」と答えたのである。
ちなみにプロサングエの最高出力はSUV界最強といって差し支えのない725PS。0-100km/h加速タイムの3.3秒も、おそらくSUV界では最速の部類だろうが、それでも谷口には動力性能がやや物足りなかったらしい。
「きっと、フェラーリにしては車重(乾燥重量で2033kg)があるから、通常のV12よりはトルク重視のセッティングにしてあるのでしょうね。おかげで、高回転域のパワー感が超刺激的というところまではいっていないような気がします」
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