BMW 523d xDriveツーリングMスポーツ(後編)
2024.12.12 谷口信輝の新車試乗 ディーゼルエンジンを搭載するBMWの中核ワゴン「5シリーズ ツーリング」に谷口信輝が試乗。第一線で活躍するレーシングドライバーは、その走りをどのように評価する?秀逸な電子デバイスの存在
前編では、新型「BMW 523d xDriveツーリングMスポーツ」の滑らかで力強いトルク感や快適な乗り心地などを高く評価した谷口信輝。では、ワインディングロードでのコーナリングはどんな印象だったのか。じっくりと話を聞いてみることにしよう。
「普通のクルマだったら、コーナーの手前で十分に減速したくなりますよね。でも、この523dはアクセル全開のままでも行けちゃうんじゃないかと思うくらい、安定感というか安心感が強い。ロールするときも、ペタッと最大ロール角までボディーが傾いてしまうのではなく、サスペンションは柔らかくてストローク感もあるのに、ぐーっと粘りながら沈み込んでいくんですよね。しかも、そんな状態でも乗り心地がいい。きっと、ダンパーがものすごくいい仕事をしているんでしょうね」
もちろん、試乗中の谷口は確実に減速してからコーナリングしていたが、それでも523dのポテンシャルには深い感銘を受けたという。
「まずは、これだけのペースでコーナーを走れることがすごいと思います。そもそも、これは『M5』でもなければ『Mパフォーマンスモデル』でもない。こんなにソフトな足まわりであれだけ高いコーナリング性能を実現していることが、本当に驚きです」
ただし、極めて安定した姿勢でコーナリングしているように見える523dでも、実はドライバーに感づかれないようにさまざまな電子デバイスが介入していると谷口は指摘する。
「限界的な状況では、システムが軽くブレーキをつまんだり、アクセルペダルを踏み込んでもそれ以上パワーを発揮したりしないように制御している。そうすることでクルマの安定性を確保しているようです」
そこで、電子制御系がどんな役割を果たしているかをチェックするため、谷口はDSCをオフにしてから、再びワインディングロードを走り始めた。
「なるほど。限界に近づくと、仮にアクセルペダルを踏み込んでいてもエンジン出力は制限されますね。ただし、さっきまでとは違って4輪のブレーキを軽くつまむ制御は解除されたようで、ロール量はいくぶん増えているし、状況によってはタイヤが瞬間的に横滑りすることもありました。きっと、スタビリティーコントロールはほぼ解除されていて、トラクションコントロールのみ効いている状態なんでしょうね」
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