スバル・フォレスターX-BREAK S:HEV EX(前編)

2025.07.13 ミスター・スバル 辰己英治の目利き 辰己 英治工藤 貴宏 長年にわたりスバルの走りを鍛えてきた辰己英治氏が、“今どきのクルマ”を切る新連載がスタート! 記念すべき第1回は、古巣であるスバルの最新モデル、新型「フォレスター」だ。各方面で高い評価を得ているこのクルマは、彼の目にどう映るのだろうか。
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「骨太なスバル」を鍛えた偉人

辰己英治(たつみ ひではる)。事情通のクルマ好き、特にスバル好きであれば、その名前はきっとご存じのことだろう。

富士重工業(現スバル)への入社は1970年。テストドライバーとして実験部に配属され、80年代になって操縦安定性を研究開発する部門へ移動。初代「レガシィ」の走り/乗り心地を担当した。以後、長きにわたりスバルで走りに関する開発や評価をおこなってきた、腕利きの車両評価ドライバーだ。2006年にSTI(スバルテクニカインターナショナル)へ出向した後、スバルを退職してSTIへ転籍。そこではコンプリートカーの開発だけでなくモータースポーツにも携わり、SUPER GTやニュルブルクリンク24時間レースの総監督も務めた人物である。

かつて「レオーネ」などの時代のスバル車は、「アンダーステアが強く曲がらない」というのが定説だった。しかし、初代レガシィが登場して以降は「しっかり曲がるクルマ」となったことを、年配の読者の方はきっとご存じだと思う。それは辰己さんの功績によるところが大きいのだ。今に続く、スバル車の骨太な走りの礎を築いた人物と言っていいだろう。そんな辰己さんは現在、STIも退職し、家庭菜園やゴルフなどを楽しむ日々を送っている。

本企画は、そんな辰己さんに“今どきのクルマ”を評価してもらおうというもの。その矛先は走りにとどまらず、デザインやインテリア、ときにはそのクルマの本質論にまで広がることだろう。記念すべき最初のクルマは、フルモデルチェンジして新型になったばかりのスバル・フォレスター。古巣であるスバルの力作に、氏は何を思うのか? 物議を恐れぬ新連載の始まりである。

――さて、スタイリングのチェックからいきましょうか?

辰己:デザインが変わったなあ。スバルといえば六角形のグリルが定番で、新型もそうではあるんだけど、顔つきの印象が従来とはかなり違いますね。思い切って変えたなぁ。おかげでしっかり新鮮さがあります。新型はグリルが大きくなりましたね。ある程度大きいほうが主張があっていいんじゃないかな。

 
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