ポルシェ・マカン4(後編)
2025.08.21 谷口信輝の新車試乗 あの「ポルシェ・マカン」が電気自動車(EV)に……。多くのファンが驚きと不安を抱いたであろう、その最新型の仕上がりは? レーシングドライバー谷口信輝が、ワインディングロードでの印象を報告する。ちょっと予想がつきにくい
快適な乗り心地に加え、コーナリング中の鋭いギャップを乗り越えても安定した姿勢を保つ「ポルシェ・マカン4」の足まわりを高く評価した谷口信輝。ところが、箱根のワインディングロードを何度か上り下りするうちに、ハンドリングについては軽い違和感を覚えたようだ。
「なんかね、ステアリングを切り始めたときの反応が、実際にちょっと切ってみないとわからないところがあるんですよね」
ほほー。それはどういうことなのか。
「このくらいステアリングを切ったら、このくらい曲がるだろうという予想がつきにくくて、ステアリングの切り始めで急にコーナリングGが立ち上がるような感じがします。僕が操作性について説明するときによく使う表現でいえば、1がなくて急に2から始まるような感じなんです」
これは谷口がリニアリティーについて語るときに用いる“たとえ”で、操作量を1、2、3、4……と増やしていったとき、クルマが反応する量も1、2、3、4……と順に増えていくのが望ましく、両者の関係が一対一になっていないと扱いにくく感じるというもの。ドライバーの操作量に対する反応が一定であればクルマの挙動を予測しやすくなり、安心感が高まるとともに正確なクルマのコントロールが可能になるという考え方が、その根底にはある。
「このクルマは、直進状態からパッと切り始めたところだけ反応が過敏な感じがします。おかげでコーナリングGが急に立ち上がるように感じる。レーシングカーでフロントをトーイン(足まわりのアライメントの一種で、クルマを上から見たとき、左右のタイヤが進行方向に対して内向きになっている状態を指す)にしたときの反応とちょっと似ていますね」
もっとも、このようなクルマの動きは、谷口のようにていねいに操舵することで初めて感じられるもので、一般のドライバーがそこまで敏感に感じられるかどうかは疑問だと谷口自身も認めていた。
「切り始めのところから素早くさっと操舵するような運転の仕方だと、この違和感には気づかないかもしれませんね。むしろステアリングレスポンスが鋭くてスポーティーだと感じる人がいるかもしれない。そんなハンドリングです」
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