第847回:走りにも妥協なし ミシュランのオールシーズンタイヤ 「クロスクライメート3」を試す

2025.10.03 エディターから一言 櫻井 健一
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2025年10月に販売が開始されたミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」。今回、テストコースで試走を行い、両タイヤの特徴をチェックした。
2025年10月に販売が開始されたミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」。今回、テストコースで試走を行い、両タイヤの特徴をチェックした。拡大

2025年9月に登場したミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」。本格的なウインターシーズンを前に、ウエット路面や雪道での走行性能を引き上げたという全天候型タイヤの実力をクローズドコースで試した。

ミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3スポーツ」(写真左)と「クロスクライメート3」(同右)。4年にわたり販売されてきた「クロスクライメート2」の後継モデルという位置づけだ。
ミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3スポーツ」(写真左)と「クロスクライメート3」(同右)。4年にわたり販売されてきた「クロスクライメート2」の後継モデルという位置づけだ。拡大
16インチから20インチまでの全35サイズをラインナップする「クロスクライメート3」。夏の大雨や冬の急な雪など、予測しづらい天候変化にも対応でき、日常の運転に安心感をもたらすとうたわれる。価格はオープン。
16インチから20インチまでの全35サイズをラインナップする「クロスクライメート3」。夏の大雨や冬の急な雪など、予測しづらい天候変化にも対応でき、日常の運転に安心感をもたらすとうたわれる。価格はオープン。拡大
季節や路面を問わないオールシーズンタイヤでありながら、スポーツタイヤに匹敵する高速安定性とハンドリング性能を備えたとアナウンスされる「クロスクライメート3スポーツ」。18インチから21インチまでの全27サイズをラインナップする。価格はオープン。
季節や路面を問わないオールシーズンタイヤでありながら、スポーツタイヤに匹敵する高速安定性とハンドリング性能を備えたとアナウンスされる「クロスクライメート3スポーツ」。18インチから21インチまでの全27サイズをラインナップする。価格はオープン。拡大
「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」は、いずれも排水性、排雪性向上を狙い「Vシェイプトレッドパターン」にセンターグルーブを追加したデザインに進化。写真はクロスクライメート3スポーツのトレッドパターンで、中央の縦溝が目を引く。
「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」は、いずれも排水性、排雪性向上を狙い「Vシェイプトレッドパターン」にセンターグルーブを追加したデザインに進化。写真はクロスクライメート3スポーツのトレッドパターンで、中央の縦溝が目を引く。拡大

誕生から10年目の節目の年に進化

ミシュラン・クロスクライメート3とミシュラン・クロスクライメート3スポーツは、「雪も走れる夏タイヤ」として2021年8月に登場した「クロスクライメート2」の後継モデルだ(参照)。2015年に欧州で発表された「クロスクライメート」をルーツとし、自動車用品量販店での先行販売を経て、「クロスクライメート」と15インチ以上の「クロスクライメート+」、さらにSUV向けの「クロスクライメートSUV」の3タイプが2019年から本格的に販売された。

オールシーズンタイヤがポピュラーなカテゴリーとして認知されつつあったクロスクライメート2の発売当時でも、ミシュランはオールシーズンタイヤという種別でのアナウンスを積極的に行ってこなかった。理由は「すべての季節や天候に対し万能」というイメージを避けるためだったという。オールシーズンタイヤは、総じて凍結路面に対する性能がスタッドレスタイヤよりも低いことは明確で、それに対する注意喚起の意味合いもあったとか。そこで用いられた表現が「雪も走れる夏タイヤ」である。

いっぽう今回、クロスクライメート3とクロスクライメート3スポーツの発売にあたっては明確にオールシーズンタイヤをうたう。その理由についてミシュランは、カスタマーレベルでオールシーズンタイヤに対する理解が深まったことを挙げる。クロスクライメート2が登場した当時は、「本当にこのタイヤで雪道を走れるのか」「スタッドレスタイヤの代わりになるのか」という声も寄せられたそうだが、現在は突然の降雪にも対応可能な一年を通してタイヤの履き替えが必要ないタイヤであることを、多くの消費者が理解しているという。

いっぽうオールシーズンタイヤの普及に伴い高まってきたのは、快適性や非積雪路でのグリップ性能、低燃費性能を重視する声だ。つまり「雪道をきちんと走れることはわかった。ならば、めったに走らない雪道よりも通常路面での快適性や安心感をより高めてほしい」と、ユーザーニーズが変化してきたことになる。それらをカバーするのが、進化したクロスクライメート3とクロスクライメート3スポーツというわけだ。