スズキ・クロスビー ハイブリッドMZ(FF/CVT)

のんびり行こうぜ 2025.11.17 試乗記 渡辺 敏史 スズキがコンパクトクロスオーバー「クロスビー」をマイナーチェンジ。内外装がガラリと変わり、エンジンもトランスミッションも刷新されているのだから、その内容はフルモデルチェンジに近い。最上級グレード「ハイブリッドMZ」の仕上がりをリポートする。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

車両型式まで変わった

クロスビーが登場したのは2017年末のこと。当時人気のあった「ハスラー」のデザインを色濃く受け継ぎ、その登録車版的な位置づけのクロスオーバーとして知られることとなる。が、プラットフォーム的にはグローバルで展開されるAセグメント系「HEARTECT(ハーテクト)」を用いるなど設計は別物。パワー&ドライブトレインも「バレーノ」に用いられた1リッター3気筒ターボにBSGシステムを組み合わせたマイルドハイブリッドを6段ATでドライブするという、スズキの国内ラインナップにおいてちょっと特別な中身を持つモデルとなっていた。

そんなクロスビーに初めてのビッグマイナーチェンジが施されたのは2025年10月。登場からおよそ8年、フルモデルチェンジをうたうになんら差し支えのないタイミングだが、前型と基本骨格を共有しつつ法規的要件などを加味しながら中身をアップデートするという、昨今多く見かけられる「ゴルフ」でいえば「7」→「8」的な刷新方式を、スズキらしく控えめにビッグマイナーチェンジと称したわけだ。ちなみに新しいクロスビー、車両型式名も前型とは異なっている。

メカニカルな面でのトピックは大きく2つ、パワー&ドライブトレインの全面変更と先進運転支援システム(ADAS)の強化が挙げられる。まずパワー&ドライブトレインは最新世代の「スイフト」や「ソリオ」が採用するZ12E型1.2リッター3気筒を搭載。最高出力3.1PS/最大トルク60N・mのISGシステムを組み合わせたマイルドハイブリッドとなり、CVTとの組み合わせで前型に対して約25%前後の低燃費化を実現している。WLTCモードで21.0~22.8km/リッターのスコアによって、全グレードがエコカー減税の対象となった。一方でエンジン本体のアウトプットは19PS/42N・mダウンしている。この差をトルクアップしたISGがどの程度カバーできているのかが興味深い。

ビッグマイナーチェンジ版「スズキ・クロスビー」が発売されたのは2025年10月2日のこと。今回の試乗車は最上級グレード「ハイブリッドMZ」のFF車(233万5300円)。
ビッグマイナーチェンジ版「スズキ・クロスビー」が発売されたのは2025年10月2日のこと。今回の試乗車は最上級グレード「ハイブリッドMZ」のFF車(233万5300円)。拡大
この試乗車のボディーカラーは新規設定された「ミスティックブルーメタリック」と「ブラックタフ」のツートン。ただのブラックはルーフだけが塗り分けられるのに対し、ブラックタフではドア下部やバンパーなども黒塗りになる。
この試乗車のボディーカラーは新規設定された「ミスティックブルーメタリック」と「ブラックタフ」のツートン。ただのブラックはルーフだけが塗り分けられるのに対し、ブラックタフではドア下部やバンパーなども黒塗りになる。拡大
新しいフロントマスクはこちらをぎろりと見ているような表情が愛らしい。この試乗車にはスズキこだわりのアクセサリーパーツが数多く装着されており、ボンネットの「XBEE」バッジやブラックの「S」エンブレム&グリル(標準はシルバー)などがそれに当てはまる。
新しいフロントマスクはこちらをぎろりと見ているような表情が愛らしい。この試乗車にはスズキこだわりのアクセサリーパーツが数多く装着されており、ボンネットの「XBEE」バッジやブラックの「S」エンブレム&グリル(標準はシルバー)などがそれに当てはまる。拡大
リアまわりでは外周部が光るようになったテールランプが新しい。フロントと同様、ブラックのバッジはアクセサリーで選べる。
リアまわりでは外周部が光るようになったテールランプが新しい。フロントと同様、ブラックのバッジはアクセサリーで選べる。拡大