「AOG湘南里帰りミーティング2025」の会場より
2025.11.26 画像・写真NISMO(ニスモ)のロードカーや「AUTECH(オーテック)」シリーズなど、日産モータースポーツ&カスタマイズの手になるクルマのオーナーミーティング「AOG湘南里帰りミーティング」が、今年(2025年)も11月15日に大磯ロングビーチ第一駐車場で開催された。
同イベントの歴史は、2004年に初開催した「オーテックオーナーフェスティバル」にさかのぼる。その後、現在のAOG湘南里帰りミーティングへと発展を遂げつつ開催を継続。今日までの21年、コロナ禍などの影響による休止を挟みながらも、実に18回のイベントが開催されてきた。
公式イベントとしてユニークなのが、「オーナー同士の絆を深めてもらうこと」を第一としている点。NISMOやオーテック、日産モータースポーツ&カスタマイズの手になる特装車などのモデルを愛用する人たちが語り合う場を設けることで、よりブランド愛を深めてもらおうという狙いなのだ。それゆえに集まるファンもブランド愛にあふれる人ばかりで、とてもアットホームな雰囲気なのだ。
日産モータースポーツ&カスタマイズによるサプライズ展示などを含め、大いに盛り上がったイベントの模様を写真でお届けしよう。
(文と写真=大音安弘/編集=堀田剛資)
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1/30快晴のぽかぽか陽気で、海風もなしというベストコンディションだった当日、湘南の会場には全国から634人のファンと家族、仲間たちが集合した。写真のポーズは、AUTECH(オーテック)の「A」の文字を表したもの。ちなみに、このイベント名の頭にある「AOG」とは、ファン向けのインターネット上のコミュニケーションスペース「オーテックオーナーズグループ」の頭文字を取ったものだ。
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2/30会場を埋め尽くした、旧オーテックジャパン/現日産モータースポーツ&カスタマイズの手になる新旧モデル。今回は参加申し込みがあった420台のうち、388台が実際に集合した。ベース車別に参加台数を見ると、最も多いのが「ノート」で、「セレナ」「マーチ」と続く。それに次ぐのがノートの上級仕様「ノート オーラ」で、現行型より登場した同モデルの人気の高さがうかがえる。
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3/30開会式におけるビッグイベントといえば、神奈川県警大磯警察署協力によるパレードラン。白バイの先導に続くのは、なんとこちらも“里帰りメンバー”であるR33型「スカイラインGT-R 40thアニバーサリー」だ。パレードの車列には、スペシャルゲストが乗る新型「リーフAUTECH」も仲間入りした。
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4/30開会式で、全国各地より集ったファンを歓迎した日産モータースポーツ&カスタマイズの真田 裕CEO。その第一声は、「おかえりなさい」という感謝を込めた言葉だった。真田氏は1991年4月に新卒で日産自動車に入社した、生粋の日産っ子。2025年4月に同社の副社長執行役員に就任し、同年6月25日に、前任者である片桐隆夫氏より現職を受け継いだ。ファンの前であいさつするのは、このイベントが初だった。
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5/30恒例の仮装大賞……いや“過走大将”と遠来賞の表彰式も行われた。これは文字どおり、参加車両のなかで最も過走行な車両とそのオーナー、そして北東・西南それぞれの最も遠方からやってきた参加者が受賞するもの。ただし受賞は2回までと決められ、それ以降は“殿堂入り”となる仕組みだ。2025年の過走大将は茨城県サンプラスさんの「プリメーラ オーテックバージョン」(38万8500km)。遠来賞は、北東地区が北海道室蘭市から「セレナe-POWER AUTECH」で参加した、むまっちさん。西南地区は、佐賀県武雄市から「ノート オーラNISMO」で参加したKuroneko E52さんが受賞した。
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6/30西部警察のテーマでパレードランを盛り上げた、日産自動車吹奏楽団の皆さん。メンバーは、神奈川県厚木市にある日産テクニカルセンターの従業員や関係会社の社員で構成されているという。開会式後には、湘南とも縁の深いサザンオールスターズの名曲を含む6曲を披露してくれた。コンサートを開いたり、バンドフェスティバルへ参加したりもしているので、興味がある人は公式サイトをチェック。
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7/30こちらのホワイトボディーは、なんと「ニッサンZ GT4」のもの。市販車ベースの競技車両で競われるレースカテゴリー「GT4」向けのレースカーとして市販されているものだが、そのホワイトボディーを拝める貴重な機会となった。日産モータースポーツ&カスタマイズとしては、「職人技が光る溶接など、ボディー細部にも注目してほしい」とのこと。
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8/30こちらのレーシングカーは、SUPER GTのGT500クラスで2019年シーズンに活躍した「MOTUL AUTECH GT-R」の23号車。松田次生選手とロニー・クインタレッリ選手がドライブしたマシンだ。
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9/30トークショーのゲストは、SUPER GTのGT500クラスで「MOTUL AUTECH Z」の23号車をドライブする高星明誠選手と、2025 AUTECHレースアンバサダーを務める高岡みほさん。トークショーでは、高星選手が大磯ロングビーチでアルバイトをした経験があることを告白。「ある意味、僕も里帰りです」と話し、会場を沸かせた。
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10/302023年のSUPER GTより“AUTECHファミリー”の一員となった高岡みほさんは、イベント直後の11月17日が誕生日ということで、会場では彼女の誕生日が祝われた。特大ショートケーキと花束の贈呈の後には、ステージ前に集まったファンからバースデーソングが送られた。
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11/30日産モータースポーツ&カスタマイズの開発者によるトークショーには、カスタマイズ開発実験部 第1実験評価グループの主担/シニアエキスパートドライバーである高澤 仁氏、カスタマイズプロジェクト統括部 NISMO CARSプロジェクト統括グループの主担である成富健一郎氏、カスタマイズデザイン部 デザインマネジャーである山本賢司氏の3人が参加(写真左側より順番)。自分たちの手がけた多くのクルマが“里帰り”してくれるうれしさなどを語った。
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12/30日産モータースポーツ&カスタマイズのエンジニアによる、さまざまな体験型コンテンツも人気。写真はメダル型キーホルダーづくりのコーナーで、紙やすりと研磨剤で金属に美しい輝きを与える工程を体験できた。これ以外にも、形状の違うミニカーにより、空力の違いが生む走りの差を学ぶコーナーなど、子供から大人まで楽しめる、奥深いコンテンツが多数用意されていた。
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13/30商品の特徴などを担当者に聞けるコーナーでは、なんとVR技術を用いて、2026年夏の登場が予告されている新型「エルグランド」の、AUTECH仕様のエクステリアデザイン(CG)が世界初披露された。当日集まったファンに向けた最高のサプライズといえよう。VRでのお披露目ということで読者諸氏にお見せできないのが残念。こちらの「エクストレイルAUTECH」用と同様、輝きを放つフロントグリルが与えられるようだ。
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14/30AUTECHの歴史を伝えるヘリテージコーナーには、「スカイライン オーテックバージョン」が飾られた。1992年に発売された同車は、今も名車として人気が高いR32型「スカイラインGTS-4」をベースに、エンジンを「RB20DET」から「GT-R」の「RB26DETT」を自然吸気化した「RB26DE」に換装。大人の魅力をたたえたGTカーだった。展示車は、日産ヘリテージコレクションのもの。
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15/30日産モータースポーツ&カスタマイズ製の最新モデルも展示。その目玉のひとつが、2025年6月に世界初公開されたばかりの新型「パトロールNISMO」だ。スペシャルなパトロールは、高性能な「VR35DDTT」エンジンにさらなるチューニングを加えることで、最高出力を495HPまで増強。このユニットは、「GT-R」用のエンジンで腕を振るった匠(たくみ)の技術を継承する、いわき工場の熟練工によって組み上げられた特別なものだ。
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16/30こちらの2006年型「VQ30DETT」エンジンは、全日本GT選手権のGT500クラスに、2002年から2006年にかけて参戦していた「R34 GT-R」と「Z33」に搭載されたもの。これが「パトロールNISMO」の前に展示されていた理由を尋ねると、当時、このレースエンジンを開発していたメンバーがパトロールNISMOのエンジンチューニングを担当しているからだそう。NISMOのレース活動の知見が、市販車に生かされているのだ。
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17/302025年10月8日に発売されたばかりの新型「リーフAUTECH」も展示。まだ実車を見る機会は限られているだけに、注目度は高かった。「ターコイズブルー」がイメージカラーの新型リーフだが、車体色が「オーテックブルー」となると、各部のカスタマイズとも相まって、より大人な雰囲気に感じられた。専用の内外装を加えながら、ベース車の約50万円高というのは、お買い得かも。
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18/302025年の日産モータースポーツ&カスタマイズの目玉商品だったのが、マイナーチェンジを受けた「エクストレイル」のカスタマイズモデルだ。「AUTECH」には独自のチューニングを加えた「スポーツスペック」を追加し、さらに新モデルとして、「NISMO」と「ロッククリーク」が仲間入りした。NISMOは、他のNISMOロードカーと同様に走りのチューニングを加えたもの。ロッククリークはSUVらしいタフなデザインを施すとともに、アウトドアで重宝する機能・装備を付与したものだ。いずれも予想を超える受注となっているそう。
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19/30日産モータースポーツ&カスタマイズが手がける大切なモデルのひとつが、福祉車両だ。展示車には2025年に新型となったばかりの「ルークス」の助手席スライドアップシート仕様と、「セレナ」のチェアキャブスロープタイプ、「キャラバン」のチェアキャブ仕様を用意。実際に触れてもらうことで、福祉車両への理解を深めてもらうのが目的とのことだった。
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20/30展示車のなかには、これが世界初公開となるこんなモデルも……。こちらは「セレナ」ベースの新たな車中泊仕様車(の試作車)である。前後2列シートの4人乗りで、後席を倒すとフラットなフロアが得られる点は「マルチベッド」仕様と同じだが、最後部エリアに秘密アリ。
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21/30こちらの車中泊車の秘密は、最後部に引き上げタイプのデスクが備わること。デスクを起こすと、掘りコタツのように足を下ろせるので、作業や休憩もしやすくなるというわけだ。さらに床下は、収納としても使える仕組みとなっている。
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22/30今や世界に1台となった「GT-Rセダン」のパトカーは、里帰りミーティングのヒーローだ。現在の走行距離は13万kmだが、これはパトカーとしては少ないほうで、今は交通安全のPRイベントなどが主な活動となっている。クラシックカーの仲間入りしつつあるこのクルマだが、今もなんとか予算を確保して維持しているとのこと。当日の担当警察官は、配備当時、取り締まりなどでこのクルマのステアリングを握った経験のある人物。「もう署内でも、新車当時にステアリングを握ったことがあるのは、私ともう一人だけになってしまった」と、懐かしそうに教えてくれた。
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23/30個性豊かなクルマが顔をそろえるミーティング会場の様子。すべてがオーテックジャパンやNISMO、日産モータースポーツ&カスタマイズの手になるモデルなのだ。クラシックなクルマも数多く参加するので、見応えたっぷり。
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24/30パートナー選びにこだわりを感じることが多い個人タクシーだが、こちらのオーナーは「セレナAUTECH」を愛用。ナンバーも「23(ニッサン)」と、日産車大好きなオーナードライバーさんだ。
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25/30気の合う仲間たちとテーブルを囲み、愛車談議に花を咲かせるなんて楽しみ方もあり。今回は初の試みとして、仲間やクラブ単位で駐車が可能な有料エリア「チームパーキングエリア」が設けられたが、かなり好評だったようだ。
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26/30貴重な「GT-R NISMO」が2台並んでしまうのも、この里帰りミーティングのスゴさ。注目度の高さはスター級だ。
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27/30日産ファンの大好物、FRスポーツモデルも多く参加。このエリアでメインとなるのは「フェアレディZ」と「シルビア」だ。日産にはフェアレディZに加えて、シルビアのような手ごろなFRスポーツも、いつかぜひ復活させてほしい。
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28/30往年のRVブームのなかで生まれた「ホーミー」の特装車「フウライボウ」を発見。「キャラバン」じゃないのが、よりレアなところ。武骨だけど、グリルガード付きのフロントマスクがカッコいい。
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29/30恒例のお楽しみ企画であるじゃんけん大会では、なんとガソリン代の支払いに使えるプリペイドカードをプレゼント。旅費の負担が減るとあって、みんな真剣なまなざしに!
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30/30イベントのフィナーレは、参加した日産モータースポーツ&カスタマイズ社員総出での、手を振ってのお見送り。次回の湘南での再会を願いながら、それぞれが帰路についていった。































