「KINTO FACTORY」が「TOYOTA UPGRADE FACTORY」「LEXUS UPGRADE FACTORY」に名称変更 車両盗難を防止する新しいアイテムを提供

2025.12.18 自動車ニュース webCG 編集部
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2025年12月18日に発売されるセキュリティーシステムほか、新製品を組み込んだ展示車両。
2025年12月18日に発売されるセキュリティーシステムほか、新製品を組み込んだ展示車両。拡大

トヨタ自動車とKINTOは2025年12月18日、購入後のトヨタ車/レクサス車にソフトウエア/ハードウエアを追加し、最新の状態へとアップデートさせるサービス「KINTO FACTORY」の名称を改めるとともに、新たなセキュリティーシステムの提供を開始した。

「ランドクルーザー」シリーズの車両盗難件数は、トヨタ/レクサス車のなかでトップ。警察庁発表データによれば、2023年は700台、2024年は1138台と、増えつつある。
「ランドクルーザー」シリーズの車両盗難件数は、トヨタ/レクサス車のなかでトップ。警察庁発表データによれば、2023年は700台、2024年は1138台と、増えつつある。拡大
説明会のスライド資料から。盗難対策は新車だけでなく、販売から年数のたった保有車両でも急務とされる。中古の「ランドクルーザープラド」なども被害が多くなっているという。
説明会のスライド資料から。盗難対策は新車だけでなく、販売から年数のたった保有車両でも急務とされる。中古の「ランドクルーザープラド」なども被害が多くなっているという。拡大
「Smart Upgrade Switchセキュリティシステム」の設定画面。手元のスマートフォンで、車両の状況を逐一把握することができる。
「Smart Upgrade Switchセキュリティシステム」の設定画面。手元のスマートフォンで、車両の状況を逐一把握することができる。拡大
「Smart Upgrade Switchセキュリティシステム」が異常なアクセスを検知すると、その旨がユーザーに通知される。
「Smart Upgrade Switchセキュリティシステム」が異常なアクセスを検知すると、その旨がユーザーに通知される。拡大
「Smart Upgrade Switchセキュリティシステム」を操作するためのスマートフォンを忘れてしまい、例外的にシステムを解除し乗車するなど、いざという時の“隠しコマンド”も任意に設定できる。
「Smart Upgrade Switchセキュリティシステム」を操作するためのスマートフォンを忘れてしまい、例外的にシステムを解除し乗車するなど、いざという時の“隠しコマンド”も任意に設定できる。拡大
「セキュリティシステム プレミアム」では、セキュリティーキー(写真左)を使った“二重イモビライザー”により、エンジンの不正始動やドアの不正解錠を防止する。写真右に見えるのは車両のメインキー(スマートキー)で、「トヨタ・アルファード」のもの。
「セキュリティシステム プレミアム」では、セキュリティーキー(写真左)を使った“二重イモビライザー”により、エンジンの不正始動やドアの不正解錠を防止する。写真右に見えるのは車両のメインキー(スマートキー)で、「トヨタ・アルファード」のもの。拡大
ステアリングコラムの赤い光は、「セキュリティシステム プレミアム」に含まれるLEDインジケーター。セキュリティーキーの電池が切れた際は、キーをこの箇所にかざすことでキー認証が可能となる。
ステアリングコラムの赤い光は、「セキュリティシステム プレミアム」に含まれるLEDインジケーター。セキュリティーキーの電池が切れた際は、キーをこの箇所にかざすことでキー認証が可能となる。拡大
今回、「トヨタ・ランドクルーザー“300”」用の「おくだけ充電」も発売された。同モデルの後付けアップグレードアイテムは初。ユーザーからの強い要望に応えるかたちで実現したという。
今回、「トヨタ・ランドクルーザー“300”」用の「おくだけ充電」も発売された。同モデルの後付けアップグレードアイテムは初。ユーザーからの強い要望に応えるかたちで実現したという。拡大
「ランドクルーザー“300”」用「おくだけ充電」の内部構造。センサーがスマートフォンの充電ポイントを検知すると、コイル(写真で円形に見えるパーツ)が縦横にスライドし接触。確実に給電を行う。
「ランドクルーザー“300”」用「おくだけ充電」の内部構造。センサーがスマートフォンの充電ポイントを検知すると、コイル(写真で円形に見えるパーツ)が縦横にスライドし接触。確実に給電を行う。拡大

2022年1月にスタートしたKINTO FACTORYの名称が、およそ4年を経て変更された。新たなサービス名は、「TOYOTA UPGRADE FACTORY(トヨタ アップグレードファクトリー)」および「LEXUS UPGRADE FACTORY(レクサス アップグレードファクトリー)」。改称の理由は、「ユーザーが、よりわかりやすく、安心してサービスを受けられるようにするため」で、サービスの内容そのものは変わらない。引き続き、“販売後の保有車両”に対して、安全性やユーティリティー、走行性能を向上させる装備や、ドレスアップアイテムを提供することで、車両の買い替えを強いることなくユーザーの満足を最大化させていくという。

今回は合わせて、その装備のラインナップに、車両盗難を防止するための新たな後付けセキュリティーシステム「Smart Upgrade Switch(スマートアップグレードスイッチ)セキュリティシステム」が追加された。

トヨタの盗難防止システムとしては、エンジンの不正始動やドアの不正解錠を防止する「セキュリティシステム」という商品が、2023年8月にディーラーで購入できるようになったが、今回のSmart Upgrade Switchセキュリティシステムは、ユーザー所有のスマートフォンを“第2のキー”とすることで、エンジンの不正始動をはじめとする幅広い盗難行為に対応。音声を使った犯人への警告や、不正アクセスがあったことをオーナーに伝えるスマホプッシュ通知なども行う。OTA(無線通信)によるアップグレードにも対応している。

販売はTOYOTA UPGRADE FACTORYおよびLEXUS UPGRADE FACTORYでのみ行われ、今後のディーラー販売については検討中とのこと。販売開始時点でのSmart Upgrade Switchセキュリティシステムの適合車種と価格(部品代・取り付け費・保証を含む)は以下のとおりで、現行モデルを中心に、車種を拡大していく予定という。

  • トヨタ・アルファード(2023年6月以降の、「アルファード スペーシャスラウンジ」以外の全グレード):6万8420円から
  • トヨタ・ヴェルファイア(2025年3月以降の、ガソリンターボエンジン搭載車を除く全グレード):6万8420円から
  • トヨタ・ランドクルーザー“300”(2025年3月以降の全グレード):7万3920円から
  • トヨタ・ランドクルーザー“250”(2024年4月以降の全グレード):7万2820円から

なお、同社では、Smart Upgrade Switchセキュリティシステムに対して、システム構造がより複雑で、さらに強力な盗難防止性能を備えるという「セキュリティシステム プレミアム」も2025年10月から販売しており、2026年春ごろにはTOYOTA UPGRADE FACTORYおよびLEXUS UPGRADE FACTORYでも取り扱いを始める見込み。

こちらは、車両のスマートキーとは別に、スマートキーと連動するもう一つのセキュリティーキーを持つことで防犯性能を高めたもので、具体的には「二重イモビライザー構造によるエンジン不正始動の防止」「ドアロック認証の追加によるドアの不正解錠防止」「独立バッテリー内蔵の専用アラームを使った犯人への威嚇」「LEDインジケーターや警告ステッカーによる犯行抑止」などがセリングポイントとなっている。「特別なオペレーションを必要としない、セキュリティーキーを所持するだけの簡単操作」が売りである。

現時点での、セキュリティシステム プレミアムの適合車種と価格(部品代・取り付け費・保証を含む)は以下のとおり。車種については、現行モデルだけでなく、過去のモデルへの展開・拡大を検討しているとのことである。

  • レクサスLX600(2022年1月以降の全グレード):22万7370円~24万3210円
  • レクサスLX700h(2025年3月以降の全グレード):21万4940円~23万0780円
  • レクサスGX(2024年6月以降の全グレード):22万7370円
  • トヨタ・ランドクルーザー“300”(2021年8月以降の全グレード):20万4930円
  • トヨタ・ランドクルーザー“250”(2024年4月以降の全グレード):20万4930円から
  • トヨタ・アルファード(2023年6月以降の、「アルファード スペーシャスラウンジ」以外の全グレード):19万2500円から
  • トヨタ・ヴェルファイア(2023年6月以降の全グレード):19万2500円から
  • トヨタ・クラウン クロスオーバー(2022年7月以降の全グレード):19万2500円
  • トヨタ・クラウン<セダン>(2023年11月以降の全グレード):19万2500円
  • トヨタ・クラウン スポーツ(2023年10月以降の全グレード):19万4700円
  • トヨタ・クラウン エステート(2024年11月以降の全グレード):19万4700円
  • トヨタ・プリウス(2022年12月以降の、「U」グレードを除く全グレード):18万5900円から

なお、上記セキュリティシステムおよび、Smart Upgrade Switchセキュリティシステム、セキュリティシステム プレミアムは併用も可能。その場合は安全性が高まる一方、システム解除の手間は増えることになる。

また同年12月18日には、「トヨタ・ランドクルーザー“300”」初の後付けアップグレードアイテムとなる、ワイヤレス充電「おくだけ充電」も発売された。コイルの位置を積極的に動かして効率的に充電するムービングコイル方式を採用、10Wの急速充電に対応しているのが特徴で、価格は2万6400円(部品代・取り付け費・保証を含む)となっている。

(webCG)

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