MINIクーパー コンバーチブルS(FF/7AT)
飛ばさなくても楽しい 2026.04.02 JAIA輸入車試乗会2026 JAIA輸入車試乗会で「ディフェンダー」の次に乗り込んだのは新型「MINIクーパー コンバーチブルS」。重厚でタフな世界から一転、屋根を全開にして走りだせば、飛ばさなくても笑みがこぼれる、幸せな時間が待っていた。バランスが絶妙
乗る人みんなが笑顔になるクルマ。それがMINIクーパー コンバーチブルである。さっきまで乗っていた「ディフェンダー・トロフィーエディション」に感じた冒険心やタフさとは真逆の、「軽さ」がなんとも心地いい。
まず、見た目がいい。「LESS IS MORE(より少なく、より豊かに)」に沿ったデザインアプローチによって、先代(F57)にあった“こってり感”が消えて、実にあっさり、シンプルになった。
伝統的な丸目のヘッドライトと、八角形のフロントグリル。余計な装飾をそぎ落とすことで、MINI本来のクリーンなプロポーションが際立っている。万が一の際に後席を守るロールオーバープロテクションシステムもボディーに隠されていて、そのスタイリングをよりモダンに、洗練されたものにしている。
インテリアの変貌ぶりには、さらに驚かされる。コックピットで目に入る計器類は、直径240mmの円形有機ELセンターディスプレイだけ。「センターメーターのデジタル化なんて……」と眉をひそめる方もいるだろうが、これが実に華がある。スマホのような操作感で、メーター機能からカーナビ、ドライビングモード切り替え、空調までを担う。ダッシュボードに張られた新素材は、温かみがあって手触りもいい。革やクロームを廃した、令和の時代のプレミアムのあり方が、とてもしゃれている。
自慢の電動ソフトトップは、走りながらでも(30km/h以下なら)約20秒で開閉できる。40cmだけスライドさせて「サンルーフ」として使える機能も気が利いている。街なかで「ちょっとだけ開けたい」という気分に、絶妙にフィットする。
走りだせば、そこにはクーパーSならではの世界が待っている。2リッター直4ターボエンジンは、最高出力204PS、最大トルク300N・mを発生。7段DCTとの相性もこなれていて、アクセルの踏み加減で、車体を自在にコントロールできる。
かつてのMINIといえば、足がヤンチャという印象だったが、新型ではすっかり脂が抜けた。ハンドリングにクイックさは残しながらも、乗り心地は驚くほどしなやか。段差を乗り越えても「ガツン」とくることがずいぶん減った。
気になるところも、もちろんある。屋根を畳むと後方の視界は大きく制限されるし、後席はとても快適とはいえないだろう。だけど、そんなことはささいなことだ。
MINIコンバーチブルならではの装備としては、オープン走行の時間を計る「オールウェイズ・オープン・タイマー」もしっかり継承されている。これ、「だから何?」という機能なのだが、MINIはこういう遊び心を忘れない。
「Hey MINI」と呼びかけて、AIマスコットの「スパイク」と会話しながら、お気に入りのプレイリストを流し、オープンエアを堪能する。先進技術と、変わらない遊び心。このバランスが絶妙なのだ。
飛ばさなくても楽しい。これって最強の性能じゃないですか?
(文=webCGこんどー/写真=田村 弥/編集=近藤 俊)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3880×1745×1435mm/ホイールベース:2495mm/車重:1410kg/駆動方式:FF/エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ/トランスミッション:7段AT/最高出力:204PS(150kW)/5000rpm/最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)/1450-4500rpm/タイヤ:(前)215/45R17(後)215/45R17(ネクセン・エヌフィラ スポーツ)/燃費:14.6km/リッター(WLTCモード)/価格:518万円

近藤 俊
-
ボルボEX30プラス シングルモーター(RWD) 2026.4.10 クロスオーバータイプのボルボの電気自動車「EX30」に、新しいエントリーグレード「プラス シングルモーター」が登場。JAIA輸入車合同試乗会で触れた、航続距離390kmの控えめな新顔は、見ても乗っても、とっても良質なクルマに仕上がっていた。
-
メルセデス・ベンツG580 with EQテクノロジー エディション1(4WD) 2026.4.9 みんな大好き「Gクラス」がまさかの電気自動車に! 4つのタイヤを4つのモーターで動かす「メルセデス・ベンツG580 with EQテクノロジー」に試乗。ドイツの驚異のテクノロジーが生んだ電気仕掛けのバケモノマシンに、webCG編集部員が感じたこととは?
-
アウディA6スポーツバックe-tronパフォーマンス(RWD) 2026.4.3 エアロダイナミクスを追求したエクステリアデザインと、未来的で上質感あふれるインテリアや装備の融合がうたわれるアウディの電気自動車「A6スポーツバックe-tronパフォーマンス」。その走りに感心する一方で、気になるポイントも発見した。
-
BMW 525LiエクスクルーシブMスポーツ(FR/8AT) 2026.3.27 中国からやってくる「BMW 5シリーズ ロング」はなんとも不思議な存在だ。全長を5175mmまで拡大した後席主体のクルマかと思えば、運転してみても軽快かつ痛快。ポジションはちょっと地味ではあるものの、後世になって「隠れた名車」として評価が高まりそうな予感がする。
-
ディフェンダー・トロフィーエディション キュレーテッドフォージャパン(4WD/8AT) 2026.3.26 カッコと走りがすばらしい、だけじゃない。黄色いボディーが目を引く「ディフェンダー」の限定車「トロフィーエディション」を前にしたリポーターは、目の前の現実のはるか先にある、伝説のアドベンチャーレースに思いをはせた。
-
NEW
目指すは究極の走りと官能性 「ランボルギーニ・レヴエルトSV」の核心をキーマンが語る
2026.8.15デイリーコラムランボルギーニが「レヴエルト」の進化モデル「レヴエルトSV」を発表。強力なV12エンジンとプラグインハイブリッドシステムを搭載したフラッグシップは、いかなる進化を遂げたのか? V12モデルのディレクターを務めるキーマンが、その核心を語った。 -
ボルボのフラッグシップ電気自動車「EX90」が上陸 軌道修正された電動化戦略の今を探る
2026.8.13デイリーコラムボルボのフラッグシップ電気自動車(BEV)「EX90」と「ES90」が日本に上陸。2030年までに完全BEVブランドになるという目標は軌道修正したが、2040年までに温室効果ガス排出ゼロ企業を目指す方針に変わりはない。ボルボの電動化戦略の今を探る。 -
第974回:「民生用」と「軍用」をまたぐクルマたち――ルノーの最新戦術車両に思う
2026.8.13マッキナ あらモーダ!ルノーのクロスオーバーSUV「ラファール」がまさかの軍用車に? ルノーと軍需との第1次大戦にまでさかのぼるつながりと、彼らが今ふたたび防衛産業と距離を詰め始めた理由、世界的に見られる軍用と民生用の垣根を超えたクルマの歴史を、大矢アキオが解説する。 -
「スバルBRZ」が採用した「新しいシフトレバー構造」とは何か?
2026.8.12デイリーコラム2026年7月31日に発表された「スバルBRZ」の最新モデルでは6段MTへの「新しいシフトレバー構造」の採用がうたわれている。すでに熟成し切った技術のように思われるマニュアルトランスミッションだが、2026年にもなってどんな構造を取り入れたのだろうか。スバルに聞いてみた。 -
第124回:「日産エルグランド」と「メルセデス・ベンツVLE」(前編) ―絶対王者に戦いを挑む、次世代高級ミニバンのカーデザイン―
2026.8.12カーデザイン曼荼羅日産が新型「エルグランド」を発売し、海の向こうではメルセデス・ベンツが「VLE」を発表するなど、いまにわかに盛り上がりを見せている高級ミニバンのかいわい。新興勢力は王者「トヨタ・アルファード」の存在を超えられるのか? カーデザイン視点で考えた。 -
トヨタRAV4 Z(4WD/CVT)【試乗記】
2026.8.12試乗記トヨタの人気SUV「RAV4」が6代目へと進化。どれくらい人気なのかは本文をご覧いただきたいが、日本だけでなく約180もの国と地域で愛されているモデルゆえに、その仕上がりはとにかく手堅く、そして隙がない。街から高速道路、さらに山道まで走り回って、気になったのはわずか1カ所のみだった。










































