第128回:日本のカーデザインに足りないもの・欠けているもの(前編) ―厳しい制約が鍛えた独創の“美”と創造性―

2026.09.16 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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S字に揺らめく、大胆なリフレクション(陰影)が特徴的な「マツダCX-30」。今回は、今日における日本のカーデザインの水準と、さらなる発展を遂げるうえでの克服すべき課題について考えてみた。
S字に揺らめく、大胆なリフレクション(陰影)が特徴的な「マツダCX-30」。今回は、今日における日本のカーデザインの水準と、さらなる発展を遂げるうえでの克服すべき課題について考えてみた。拡大

日本の地に自動車産業が芽生えて幾星霜。今やすっかり自動車大国となったわが国だが、ことカーデザインの質については、世界的に見てどれほどのレベルにあるのだろうか? 日本車の“美”がさらに進化していくうえで必要なもの、足りないものを、カーデザインの識者&読者の皆さんと考えてみた。

※今回の内容は、2026年8月24日に開催した「ぶしつけ御免! 人気連載『カーデザイン曼荼羅』公開収録&交流会」の内容を編集したものです。

今回の内容は、リアルイベント「ぶしつけ御免! 人気連載『カーデザイン曼荼羅』公開収録&交流会」の講演内容を編集したものだ。来場された皆さま、本当にありがとうございました。
今回の内容は、リアルイベント「ぶしつけ御免! 人気連載『カーデザイン曼荼羅』公開収録&交流会」の講演内容を編集したものだ。来場された皆さま、本当にありがとうございました。拡大
いきなり、ちゃぶ台を返すような話で恐縮だが、そもそも日本のカーデザインは、世界的に見てもすでに高い評価を得ており、各地で権威ある賞を獲得している。写真は2026年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、デザイン賞に輝いた「マツダ6e」。マツダが同賞を受賞するのは、これで3度目だ。
いきなり、ちゃぶ台を返すような話で恐縮だが、そもそも日本のカーデザインは、世界的に見てもすでに高い評価を得ており、各地で権威ある賞を獲得している。写真は2026年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、デザイン賞に輝いた「マツダ6e」。マツダが同賞を受賞するのは、これで3度目だ。拡大
世界三大デザイン賞のひとつであるドイツのレッド・ドット・デザインアワード(1953年創設)で、2020年にプロダクトデザインの最高賞に輝くとともに、スマートプロダクト部門でも表彰を受けた「ホンダe」。日本車はカーデザインの観点はもちろん、工業デザインの観点でも高く評されているのだ。
世界三大デザイン賞のひとつであるドイツのレッド・ドット・デザインアワード(1953年創設)で、2020年にプロダクトデザインの最高賞に輝くとともに、スマートプロダクト部門でも表彰を受けた「ホンダe」。日本車はカーデザインの観点はもちろん、工業デザインの観点でも高く評されているのだ。拡大

日本のカーデザインはここがスゴい!

webCGほった(以下、ほった):(来場者へ向けて)告知のとおり、今回のテーマは「日本のカーデザインに足りないもの・欠けているもの」というものなのですが、本題に入る前に、皆さんのなかで「日本のカーデザインは世界的にもイケてるほうだ」と思う方は手を挙げてください。……ほうほう。逆に「まだまだだな」と思う方は? ……なるほど。

清水草一(以下、清水):「イケてる」が多数派なんだね。

ほった:意外ですな。webCG読者は、もっと日本のデザインについてキビしいと思っていました。

渕野健太郎(以下、渕野):それならせっかくなので、ここはまず「日本のカーデザインが優れているところ」から挙げていきましょうか?

清水:そうですよ! 私はこのテーマ自体、おかしいなと思ってました。今や欠点より長所のほうが多いんだから。

ほった:本番が始まってからのダメ出しはやめてください。それにほら、刺激的なタイトルの方が、皆、来てくれるじゃないですか(笑)。