日産がピックアップトラック「フロンティア プロ/ナバラ プロ」をグローバル市場で発売 日本上陸は?
2026.11.05 デイリーコラムピックアップトラックに90年以上もの歴史
日産自動車は2026年10月8日、新型ピックアップトラックの「フロンティア プロ/ナバラ プロ」をメキシコから投入し、以後、グローバルに順次投入すると発表した。日産は同年4月に行った「長期ビジョン説明会」で中国をグローバルな輸出のハブとすると発表。その第1弾モデルがフロンティア プロ/ナバラ プロというわけだ。
日産は1934年に発売した「ダットサン13型トラック」以降、140以上の市場で累計1500万台のピックアップトラックを販売してきた。日産によれば、新型フロンティア プロ/ナバラ プロは「日産が90年以上にわたり培ってきたピックアップトラックの技術や知見を受け継ぐ新世代モデル」ということになる。
日産のピックアップトラックといえば「ダットラ」の愛称で親しまれた「ダットサントラック」や「サニトラ」の「サニートラック」が思い浮かぶ。1979年10月に登場した720型のダットサントラックは曲線基調だった先代の620型とは対照的に直線基調となった。丸目4灯が角目4灯になったのも印象の違いに大きな影響を与えた。720型でダットラとして初めて4WDモデルを発売。1983年には米国での需要に応えるべくテネシー州に新設された米国日産製造でも生産が始められた。
2代目サニートラックとして1971年1月に登場したB120型は、亡父が一時期仕事に使っていたこともあってとくに記憶に残る。セダンのB110型「サニー」がベースだ。このサニトラは基本構成を変えることなく20年以上にわたり生産されたロングセラー。1989年にはヘッドライトが丸型から角型に変更された。
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中国で設計・開発・生産を実施
フロンティア プロ/ナバラ プロは中国における日産の合弁会社である鄭州日産汽車有限公司が設計・開発・生産を担う。日産として初めて中国で開発・生産し、グローバルに輸出するモデルだ。インテリアの写真を見ると、ステアリングホイールの奥にあるメーターは極端に小さく、対照的にセンターディスプレイは巨大(14.6インチ)で、いかにも中国に住む人の趣向に合わせたデザインだ。
フロンティア プロ/ナバラ プロがそうだというワケではないが、合法かどうかは別にして中国のドライバーはクルマに乗り込んでNOA(ナビゲート・オン・パイロット)をセットしたら目の前のメーターなどには見向きもしない。だから不要というわけ。一方で、センターのディスプレイはエンタメを楽しむために大画面が必須なのだそう。それがグローバルで通用すると考えているのかいないのか、ともかくフロンティア プロ/ナバラ プロは“生まれ故郷”である中国のユーザーを向いたデザインである。
しかし、悪くない。というか個人的にはとても好みである。ディスプレイの大小ではなく、パワーウィンドウのスイッチやシフトセレクターまわり、ステアリングホイールもそうだし、センターディスプレイの下に並んだ物理スイッチなど、使いやすいかどうかは別にしてセンス良くまとまっている。
エクステリアも同様。中国に住む人々には控え目に感じるかもしれないが、発光式の日産エンブレムをはじめ光り物を多用したデザインとなっている。こちらも、個人的にはとても好みだ。フロンティア プロ/ナバラ プロは鄭州日産汽車の設計・開発とはいえ、日本の日産の技術者が目を光らせて監督しているはずで、チリ合わせなどは日産クオリティーが保たれているだろう。動的質感については試すべくもないが、やはり日産車らしさは担保されていると信じていい。
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右ハンドル仕様車もラインナップ
パワートレインは市場のニーズに合わせて設定。1.5リッター直4と2リッター直4のプラグインハイブリッド車(PHEV)に加え、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車も設定する。メキシコに投入する「フロンティア プロPHEV」は1.5リッター直4ターボエンジンと電動モーターを組み合わせたPHEV。システム最高出力は350PS、最大トルクは600N・mを発生。容量20kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、スペック上は最大75kmのEV走行が可能で、航続可能距離は約1000kmに達する。
フロンティア プロは10月のメキシコに続き、11月にはフィリピンに導入。2026年末までに中東および中南米のその他の市場に順次投入する予定だという。2027年にはオーストラリアとニュージーランドにナバラ プロとして右ハンドル仕様が投入される予定だ。
三菱自動車は2023年にタイ生産のピックアップトラック、新型「トライトン」を日本に導入。トヨタは2026年5月にやはりタイ生産の新型「ハイラックス」を国内に導入した。ついさっきトヨタの販売店前を通りかかったら、駐車場にハイラックスの試乗車が置いてあり、来場者が眺め回しているところだった。
絶対数はそう多くないにせよ、ピックアップトラックのファンは一定数存在するはず。となると俄然、日産のフロンティア プロ/ナバラ プロの日本導入も期待したくなる。右ハンドル仕様もあることだし。日本のユーザーにもきっとウケると思うのだが……。
ホンダは2026年10月22日、三菱自動車と「トライトン」をベースとしたホンダ向けモデルの開発に関する覚書を締結したと発表した。両者間での相互補完の取り組みは初で、トライトンベースのホンダ向けモデルの販売開始は2028年中を予定しているという。アセアン地域などでのラインナップを拡充するのがホンダにとっての相互補完の目的ではあるが、「HONDA」バッジをつけたピックアップトラックの日本導入も気になるところだ。
(文=世良耕太/写真=日産/編集=櫻井健一)
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世良 耕太
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