番外編:大矢アキオ捨て身?の新著『Hotするイタリア−イタリアでは30万円で別荘が持てるって?』
2007.03.22 FIAT復活物語番外編:大矢アキオ捨て身?の新著『Hotするイタリア−イタリアでは30万円で別荘が持てるって?』
『FIAT復活物語』の連載でおなじみのコラムニスト・大矢アキオ氏が、新著『Hotするイタリア−イタリアでは30万円で別荘が持てるって?』を、二玄社より刊行した。
トスカーナ在住10年の総決算ともいえる痛快なコラム集である。
その大矢氏に直撃してみた。
|
拡大
|
イタリア移住、甘い生活は程遠かった!
−−大矢さんはそもそも二玄社の編集部員でしたね。
会社を辞めてイタリアに行っちゃったのは、当時の職場環境や上司に何らかの不満があったから?
大矢 ワハハ、そうじゃありません。そもそも10年前イタリアに住んでみたいと思ったのは、ヨーロッパ取材がきっかけでした。そうした意味で二玄社に感謝しなくちゃあいけません。
そのときオーストリアから陸路でイタリアに入ったんですけど、イタリアに入った途端、太陽の光が格段に明るくなって、花が咲き乱れて、食べものがうまくなって……。
−−シビれちゃったわけですね。
大矢 そのうえ、もともとイタリアのモダーンな工業デザインやクルマに惹かれていたから、つい勢いに乗って辞表を出しちゃって、住み始めたわけです。
−−ところが暮らしてみると……。
大矢 見つけた家は、築600年の煉瓦造り。毎朝八百屋さんの3輪トラックのけたたましいエンジン音に起こされる生活が始まった。そうかと思うと、突然の退去勧告が舞い込んで……。
−−モダーンとかドルチェ・ヴィータ(甘い生活)なんていう言葉とは程遠かった。
大矢 でも次第に、そうしたなかにこそ、ボクが伝えるべき本当のイタリアやイタリア人の姿が隠されているんじゃないか?と思えてきたんです。
本書で採り上げたエピソードのなかには、日本の生活と比べたら「捨て身の戦い」ともいえるような、想像を絶するものもあります。だからイタリアに対して、いまだ「アモカンマン」な人には……。
−−な、なんですか、それ?
大矢 おっと失礼。「アモーレ、カンターレ、マンジャーレ(愛して、歌って、食べる)」です。そうした淡い夢を抱いている読者の方には、ちょいとキツいかもしれません(笑)。
イタリアの面白さを1冊に
−−ところで今回の本には、描き下ろしのイラストも挿入されていますね。
大矢 二玄社時代、ボクはCG CLUBのニュースレターに「行け行け彰ちゃん」という4コマ漫画を連載していました。
主人公は当時上司だった、あの小林彰太郎顧問です。そういうことばかりやっていたから、ボクのボーナス査定は高くなかった。ともかく編集者はそんなことを覚えていたのでしょう。ぜひあのノリをもう一度、ということになったんです。
−−文中では、あるときはマズいイタリアのパンに泣き、道路のロータリーにビビり、またあるときはイタリア版歯科医に怒ります。結構つらいですね。
大矢 それと同じくらい面白いことが隠れているから、イタリアに住んでるんでしょうね。それが何かは皆さんが本のなかに発見していただきたいと思います。
でもね、実はこの本を作るときも一大事に陥ってパニクったんです。
−−な、何が起きたんですか?
大矢 イタリアのプロバイダーと手続きの行き違いが、こじれにこじれて、4カ月もインターネットが使えなくなっちゃったんです。
−−4カ月も!
大矢 だから原稿や校正のやりとりは、毎朝毎晩近所のネットカフェまで飛んで行った。
まるで家の風呂が使えなくなって、銭湯に行くようなものです。だから、我が家ではネットカフェに行くのに、「銭湯行ってくる」という隠語ができました。
ようやく開通した頃は、本が出来上がってました。
−−イタリアはネット環境もスローですね。
大矢 まあ、普通の電話回線が故障したとき復旧するまで1週間かかったから、それなりの覚悟はしてました。
−−それで、今はネットも復旧したわけですね。
大矢 でも残念なのはネットが開通したおかげで、ボクが密かに「番台の若女将」と名づけていたネットショップの看板娘に会えなくなったことです。
−−どうりで担当編集者いわく、今回は異例に仕事がはやかったわけか……。
(まとめ=大矢アキオ-Akio Lorenzo OYA)
拡大
|

大矢 アキオ
Akio Lorenzo OYA 在イタリアジャーナリスト/コラムニスト。日本の音大でバイオリンを専攻、大学院で芸術学、イタリアの大学院で文化史を修める。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとしてシエナに在住。NHKのイタリア語およびフランス語テキストや、デザイン誌等で執筆活動を展開。NHK『ラジオ深夜便』では、24年間にわたってリポーターを務めている。『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり』(コスミック出版)など著書・訳書多数。近著は『シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡』(三樹書房)。イタリア自動車歴史協会会員。
-
最終章:「『君たちはもう大丈夫だ』と言いたかったけど……」 2007.3.17 ジュネーブ・ショーのフィアット。新型「ブラーヴォ」は評判上々、「アルファ159」にはTI追加、さらにアバルトやチンクエチェントなどがお目見えした。
-
第25章:「アバルト再生の日近し---『ストップ、宝の持ち腐れ!』」 2007.3.3 イタリアでは、「宝の持ち腐れ」が発生する。クルマの世界の代表例が「アバルト」なのだが、近日、再生の道につくことになった。
-
第23章:「フェラーリに人事異動の嵐、シューマッハー引退後の初仕事は“お笑い”だ!」 2007.2.17 フェラーリ黄金期の立役者シューマッハー。引退後の初仕事は「ミハエル園芸店」で働くことだった!?
-
NEW
実力検証! SUV向けプレミアムタイヤ「ブリヂストンALENZA LX200」を試す
2026.3.62026 Spring webCGタイヤセレクション<AD>目指したのは、人気車種となっているSUVとのベストマッチ。ブリヂストンが開発した新プレミアムタイヤ「ALENZA(アレンザ)LX200」は、どんな乗り味をもたらすのか? モータージャーナリスト石井昌道が試乗を通して確かめた。 -
NEW
BYDシーライオン6(FF)
2026.3.6JAIA輸入車試乗会2026“中国の新興ブランド”BYDにあこがれは抱かずとも、高コスパの評判が気になる人は多いだろう。では、日本に初導入されたプラグインハイブリッド車のデキは? 初めて触れたwebCGスタッフがリポートする。 -
NEW
実に3年半ぶりのカムバック 「ホンダCR-V」はなぜ日本で復活を果たしたのか?
2026.3.6デイリーコラム5代目の販売終了から3年半のブランクを経て、日本での販売が開始された6代目「ホンダCR-V」。世界的なホンダの基幹車種は、なぜこのタイミングで日本復活を果たしたのか? CR-Vを再販に至らしめたユーザーの声と、複雑なメーカーの事情をリポートする。 -
「ジープ・アベンジャー4xeハイブリッド」発表会の会場から
2026.3.5画像・写真ジープブランドのコンパクトSUV「アベンジャー」に、4WDのハイブリッドバージョン「アベンジャー4xeハイブリッド」が追加された。その発表会(2026年3月5日開催)の場に展示された同モデルの外装・内装を写真で紹介する。 -
スバル・トレイルシーカーET-HS プロトタイプ(4WD)【試乗記】
2026.3.5試乗記スバルから本格的な電気自動車の第2弾となる「トレイルシーカー」が登場。前後のモーターから繰り出すシステム最高出力はドーンと380PS。ただし、それをひけらかすような設定にはしていないのがスバルらしいところだ。スノードライブの印象をお届けする。 -
ホンダ・インサイト
2026.3.5画像・写真4代目はまさかの電気自動車(BEV)! ハイブリッドからBEVへ、4ドアセダンからSUVへと変身して、「ホンダ・インサイト」が復活を遂げた。ドアトリム/ダッシュボードヒーターにアロマディフューザーと、新たな快適装備を満載したその姿を、写真で紹介する。





























