スバル・レガシィアウトバック 2.5i Lパッケージ(4WD/CVT)【ブリーフテスト】
スバル・レガシィアウトバック 2.5i Lパッケージ(4WD/CVT) 2009.12.03 試乗記 ……352万2750円総合評価……★★★★
「スバル・レガシィ」シリーズのなかで、SUV色の強い「アウトバック」。新型の走りや乗り心地を、2.5リッターモデルでチェックした。
アメリカンな良馬
「レガシィアウトバック」は主にアメリカ市場向けのモデルであり、国内ではレガシィツーリングワゴンや7人乗りのエクシーガの方が“一般ウケ”するかもしれない。しかし、アメリカ車的な性格が好きな人もいるわけで、ゆったりとしたおおらかな走りは、ドライバーよりもパッセンジャーの立場から歓迎されよう。無理に詰め込むことなく、ゆったりと5人がくつろいで移動する空間として上質な乗り味を提供してくれる。
外観からはこのままオフロードへ乗り入れられるような雰囲気は持ち合わせていないが、200mmもある実際のロードクリアランスが、ただ者ではないことを示している。
4WDのシステムは、上級の3.6リッターモデルが前45:後55の固定トルク配分を基本に電子制御で適宜可変、加減するのに対し、2.5リッター4気筒の方はアクティブトルクスプリットというだけでセンターデフは持たず、AT内で回転差を逃がしつつ空転を防ぐ。そんなシステムの違いを許せない人は3.6リッターのフルタイム4WDを選ぶことになるが、あちらのギアボックスは最新のCVTではなく、トルコン式の5段ATとなる。なお、センターデフは無くとも、フル転舵で動けなくなる「ブレーキング現象」など体感できる不満点はない。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
“クロスオーバー”の草分け的存在。1995年にデビューした「レガシィグランドワゴン」を起源とし、その後「ランカスター」「アウトバック」と名前を変えながら、アクティブなライフスタイルをおくるユーザーを中心に支持されてきた。
5代目レガシィとベースを同じくする現行モデルは、2.5リッター4気筒SOHCと3.6リッター6気筒DOHC、ふたつの水平対向エンジンが用意される。後者はもともと北米向けに開発されたもので、現地ではレガシィセダンにも搭載されるが、日本ではアウトバック専用ユニットとなる。「アクティブトルクスプリットAWD」が組み合わされる2.5リッターとは4WDのシステムも異なり、4輪のトルク配分をより積極的に行い、回頭性を高める「VTD-AWD」が組み合わされる。
トランスミッションは、2.5リッターがCVT、3.6リッターが5ATとなる。
(グレード概要)
試乗車は、快適装備を充実させた2.5リッターモデル「2.5i Lパッケージ」。最もベーシックな「2.5i」とは、HIDロービームランプ、前席の電動調節機構、左右独立の温度調節機能などが異なる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
Lパッケージには木目調パネルが追加されて、目の前のインストゥルメントパネルは一層華やぐ。中央部にデンと据えられたナビゲーションシステムの画面は見やすく、操作のタッチも良好。正面の速度計・回転計は、はっきりした数字で昼間でも読みやすい。コンソール手前のSI-DRIVEは“エコ”や“スポーツ”など3種のモードが選べ、走行状況に合わせてエンジンやトランスミッションのレスポンスを変えて楽しめる。スイッチ式の電動パーキングブレーキはヒルホールド機能こそ便利だが、本来の補助ブレーキとしての使い勝手は疑問だ。
(前席)……★★★★
シートはサイズがたっぷりしており、クッションは柔らかめながら腰がすっぽり納まることから横方向のサポートもまずまず。ただ漫然と座っていても気になる要素はあまりない。縦置きエンジンでもギアボックスなどの室内への張り出しは気にならない程度。高めの着座位置のおかげで前方の眺めもいいし、室内も広々としている、これぞ典型的なアメリカンテイストであり、気遣い無しに悠々とした気分で移動できる。
(後席)……★★★★
シートの背もたれは水平に倒れて、荷室とともにフラットになる。そんな構造でもクッションは厚めで座面後傾角も普通にとられている。安心して身体をあずけることができる。座面も高めで、脚をあまり開かずに座っていられるし、外観から想像する以上にルーフは高く、天地方向の余裕は大きい。ドアも縦寸法があり室内容積も十分。4WDゆえプロップシャフトが通るセンタートンネルは存在するがさほど高くはないし、後輪を駆動する際に発せられるドライブシャフトなどの騒音も気にならないほど静かだ。
(荷室)……★★★
独立した四角い箱という感じで、結構広い空間が確保されている。トノカバーも厚めで、騒音などに対する処理も十分。バンパーと高さが揃ったフラットなフロアの下には小物入れがある。トノカバーの引き手部分も収納することができるし、付属の樹脂製トレイを使えば釣ったサカナなども運べそう。積み込み時には底板を引っかけておく鍵手もある。トランクに電源ソケットを設けたのは確かスバルが最初だったと記憶している。
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【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
99.5mmのビッグボアから繰り出される豊かなトルクは、のんびり流すような低速走行も得意だし、ショートストローク・エンジンの切れ味も合わせもつ。CVTの無段変速は滑らかであるし、スポーツモードでは固定された6段階のギアポジションを楽しむことも可能。クルマの性格としてはフラット6の豪快さを味わうのが本道かもしれないが、この2.5リッター4気筒で律儀に巡航するのも悪くはない。低回転域は静かだが上まで回すと、思ったより音量も増す。けれども決して不快な音質ではない。
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(乗り心地+ハンドリング)……★★★
ストロークをたっぷりとるフランス車にも似て、スバルのクルマは日本車にしてはバウンド方向のストロークが長く、「ドン」とバンプラバーに当たるまでの距離が長かった。が、このアウトバックになって、やや普通になった。低速ではやや粗い感触もあるが高速道路では十分フラット。慣性の大きなボディは挙動として鈍感なタイプではあるが、直進性も良好で安定性は高い。
(写真=峰昌宏)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2009年11月5日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2009年型
テスト車の走行距離:11397km
タイヤ:(前)225/60R17(後)同じ(いずれも、ヨコハマ GEOLANDAR G95)
オプション装備:クリアビューパック+濃色ガラス+オールウェザーパック+LEGACYマッキントッシュサウンドシステム&HDDナビゲーションシステム+サンルーフ=58万2750円
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(8)
テスト距離:305.7km
使用燃料:33.24リッター
参考燃費:9.19km/リッター

笹目 二朗
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