「大径タイヤのメリットは?」

2008.12.27 クルマ生活Q&A 松本 英雄 タイヤ・ホイール
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「大径タイヤのメリットは?」

昔は高性能車でもせいぜい16インチぐらいのタイヤしか履いていませんでした。しかし現在では軽自動車でも15インチタイヤは珍しくなく、高性能車では純正で20インチを履くモデルもあります。こうしたタイヤの大径化は、ルックス以外にどんなメリットがあるのでしょうか?

お答えします。ご指摘のようにホイールの大径化に伴い扁平率が低くなった、すなわちサイドウォール(側面のゴムの部分)の厚みが少なくなったタイヤが次々と出現しています。最近では扁平率が25というタイヤもあり、これなど真横から見るとホイールのまわりに申し訳程度にゴムが張り付いているようです。

これはまあ極端な例ですが、扁平率を低くしたことによるメリットといえば、タイヤの剛性が高くなります。剛性が上がればタイヤのよじれが少なくなり、ハンドリングのダイレクト感が増します。ホイールが大径化することにより、ブレーキのディスクローターもより大きくできることも、副次的なメリットといえるでしょう。

逆にデメリットとしては、剛性が上がるというメリットと引き換えに乗り心地が悪化します。ダイレクト感が増す分、ステアリングやサスペンション、ひいてはボディに与えるダメージが大きくなることも無視できません。さらにタイヤ交換の際の費用が高くなることは言うまでもないでしょう。

以上、ルックス以外にもメリットはありますが、デメリットも少なくありません。というわけで、タイヤ/ホイールを交換する際も、純正やメーカーオプションで設定されているサイズ以上のインチアップは避けたほうが賢明、と私は考えています。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。